本書は、「誰かに一番に選ばれたい」という切実な願いを

抱えながら生きる人々が、

過去の恋愛や人間関係と向き合い、

自分自身を受け入れていく姿を

描いた連作恋愛小説です。

 

舞台は三軒茶屋の喫茶店「雨宿り」。

 

毎週金曜日の夜に開かれる

「元カレごはん埋葬委員会」

では、失恋の思い出が詰まった料理を作り、

食べることで過去の恋を整理し、

新たな一歩を踏み出そうとする人々が集まります。

 

主人公の桃子は、結婚間近だった恋人から

「プロポーズするなら元カノがよかった」

と告げられ、深く傷つきます。

 

「誰にも一番に愛されない自分には

価値がないのではないか」

と苦しみますが、

委員会でさまざまな参加者と出会い、

それぞれの恋や人生に触れる中で、

自分の価値は他人に選ばれることだけでは

決まらないと気づいていきます。

 

物語には「プロポーズ未遂の洋風茶碗蒸し」

「推しに捧げたカルボナーラ」

「二股男の不合格オムライス」

など、料理と人生の思い出を結びつけた

七つのエピソードが収められています。

 

料理を作るという行為を通して、

登場人物たちは過去の悲しみを否定するのではなく、

自分の人生の一部として受け止め、

前へ進む力を得ていきます。

 

本書は、恋愛小説でありながら、

「誰かに愛されること」と

「自分を大切にすること」の違いを

静かに問いかけています。

 

失恋や挫折は決して人生の終わりではなく、

人との出会いや温かな食事を通じて、

人は何度でも心を立て直せることを

教えてくれます。

 

読み終えた後には、

「誰かに選ばれなくても、

自分の人生には十分な価値がある」

という優しく力強いメッセージが胸に残る一冊です。

 
面白いアプローチの本ですね。
 
私自身は恋愛にはもう無縁の歳になりましたが、
年頃の娘を持つ父親としては、
誰かに愛されようが、愛されまいが、
自分を大切にして生きていって欲しいですね。
 
それでは、また。(^_-)