本書は、マーケティングの世界的研究者であるジェニー・ロマニウク が、

「ブランドをどう育てるか」だけでなく、

「そのブランドが本当に健康な状態にあるのかを、

どう測定し改善するか」

を科学的に解説した一冊です。

 

本書では、従来の感覚的なブランド論ではなく、

データと実証研究に基づく

「ブランド健康診断」

の方法が示されています。 

 

著者は、多くの企業が実施しているブランド調査について、

「昔から続けているだけ」で形骸化しているケースが多い

と指摘します。

 

質問項目が増え続け、調査が複雑化した結果、

かえって実態が見えなくなっているというのです。

 

本書では、単なるイメージ調査ではなく、

「ブランドが成長する力を持っているか」

を測ることが重要だと説いています。 

 

特に重要なのが、

「メンタルアベイラビリティ(思い出されやすさ)」

という考え方です。

 

例えば、喉が渇いた時に自然と Coca-Cola を思い浮かべる人が多いのは、

ブランドが消費者の記憶に深く入り込んでいるからです。

 

また、「朝のコンビニで買うコーヒー」と聞いて 

Starbucks や セブンカフェ を連想する

のも同じ原理です。

 

本書では、こうした「購買のきっかけ」と

ブランドを結びつけること

成長の鍵だと説明しています。 

 

さらに、「独自のブランド資産」の重要性

も強調されています。

 

たとえば、McDonald’s の黄色いMマークや、

Apple のシンプルなロゴは、

一瞬でブランドを識別できます。

 

こうした色・ロゴ・音楽・パッケージなどが強いほど、

消費者の記憶に残りやすくなります。

 

本書では、それらを感覚ではなく、

「認知率」や「独自性」といった数値で評価する方法

を紹介しています。 

 

また、ブランド成長には既存ファンだけではなく、

「たまに買う人」や

「まだ買っていない人」に広く認知されること

が重要だと説きます。

 

これは高級ブランドや地方企業にも当てはまります。

 

例えば、伝統工芸品でも

「海外の人がどんな場面でその商品を思い出すか」

を増やすことで、市場を広げることができます。

 

本書は、「良い商品を作れば売れる」という発想から一歩進み、

「どうすれば消費者の記憶に入り、選ばれ続けるか」

を科学的に学べる実践書です。

 

経営者やマーケターだけでなく、

地域ブランドや伝統産業に携わる人にも、

多くの示唆を与えてくれる内容になっています。 

 
我々伝統工芸品の生産者にも大変役立つ内容ですね。
これらを実行しきれるかどうかが問題ですが。
頑張ります。
 
それでは、また。(^_-)