本書は、日本が「オワコン(終わった国)」と見られる現状に対し、
実は再生のポテンシャルを十分に持つ国であると論じ、
そのための戦略を提示した一冊である。
著者はマッキンゼーやGE、シンガポール政府プロジェクトなど
約30年の海外経験を通じ、
「外から見た日本」
という視点で問題の本質を分析している。
まず指摘されるのは、
日本の停滞の原因が
「実力不足」ではなく、
「思考停止」にある
という点である。
例えば日本はGDPでドイツに抜かれたことで
衰退したように見えるが、
個人金融資産は約2000兆円、
米国債も150兆円以上保有するなど、
実は世界有数の資産大国である。
つまり「貧しい国」ではなく、
「資産を活かせていない国」だ
と指摘する。
その背景として著者は、
「アメリカ追従思考」を強く批判する。
日本は長年、アメリカの価値観や制度を
無批判にグローバルスタンダードとみなし続けてきたが、
実際にはEUが米企業を規制するなど、
世界は多極化している。
にもかかわらず日本だけが従属的な姿勢を
続けていることが、独自の競争力を弱めているとする。
具体例として、教育分野では、「英語教育の迷走」や
「ゆとり教育による基礎力低下」が挙げられる。
著者は、教科書的な英語よりも、
実際のビジネス交渉や
トラブル対応で使える実践的能力が重要だと指摘する。
また、起業の現場では
「まず100社にヒアリングしてニーズを検証する」
といった実践的思考が必要であり、
日本の教育はそれを育てていないと批判する。
再生戦略として提示されるのは、
「自国の強みを正しく認識し、それを活かすこと」
である。
具体的には、
①日本の豊富な資産を経済に循環させる、
②人的資本(勤勉さ・技術力)を活かした起業・イノベーションを促進する、
③アメリカ基準ではなく日本独自の価値観で戦略を立てる、
の3点が重要とされる。
結論として本書は、日本は決して衰退国家ではなく、
「豊かさを実感できていないだけの国」
であり、視点と行動を変えれば
再び世界で存在感を取り戻せると主張する。
むしろ、目立たず着実に価値を積み上げ、
「気づけば強い国」になることこそ
現実的な再生の道だと説いている。
著者をよく存じておりますので、
彼の言いたいことは十分理解できていると思いますし、
私も彼の主張に賛同します。
特に、上記の3点の内の「日本独自の価値観で戦略を立てる」のは
大賛成ですね。
私たち中小企業もが頑張って
日本を再生させましょうね。
それでは、また。(^_-)
