本書は、アメリカ民主党がなぜ中間層・労働者の支持を失い、
ドナルド・トランプの台頭を許したのかを、
「経済」と「文化」の二つの視点から
分析した政治書です。
著者は、かつて民主党はフランクリン・ルーズベルト以来、
「庶民の党」として労働者・移民・中間層を基盤にしていましたが、
近年その構造が大きく変質したと指摘します。
第一の要因は「経済的裏切り」です。
1990年代のクリントン政権以降、
民主党は金融やITといったエリート層と結びつき、
グローバル化や自由貿易を推進しました。
その結果、製造業の衰退により
地方の労働者は職を失いました。
例えば中西部のラストベルトでは、
工場閉鎖と賃金低下が進み、
「民主党は自分たちを守ってくれない」
という不信感が広がりました。
オバマ政権も金融危機後に銀行救済を優先し、
一般市民の生活改善が後回しになった点が象徴的です。
第二の要因は「文化的急進主義」です。
民主党は人種・ジェンダー・移民・環境などの問題で
進歩的な立場を強めましたが、
それが一般有権者との乖離を生みました。
例えば「ポリティカル・コレクトネス」による言語規制や、
移民に寛容すぎる政策は、
治安や雇用に不安を抱く労働者層にとって
現実離れしたものと映りました。
また、気候変動対策が雇用を奪うという懸念も強かったです。
この結果、民主党は「都市の高学歴エリート+少数派」の連合
へと変質し、本来の支持基盤である白人労働者や地方中間層を
疎外しました。
ヒラリー・クリントンがトランプ支持者を
「嘆かわしい人々」
と表現した出来事は、
その断絶を象徴するエピソードです。
トランプはこの空白を突き、
「雇用を取り戻す」
「国境を守る」
といったシンプルで具体的なメッセージを打ち出し、
従来民主党を支持していた層を取り込みました。
つまりトランプ現象は異常ではなく、
「見捨てられた層の合理的な選択」
として理解できると本書は論じています。
結論として本書は、
民主党の失敗の本質は
「経済的実利より理念を優先し、
普通の人々の生活感覚から乖離したこと」
にあるとします。
そして再生のためには、
文化戦争から距離を取り、
再び中間層・労働者中心の政策へ回帰する必要がある
と提言しています。
なるほど。
確かに、民主党は高学歴エリートの理念重視者が多いいですね。
普通のアメリカの人々の生活からは乖離しているのでしょうね。
これがアメリカでのトランプ現象の理由なのですね。
トランプ大統領は次は何をしでかすやら。(^^;
それでは、また。(^_-)
