本書は、企業経営の本質は

「スキル」ではなく

「センス」にあり、

その正体は

“優れた戦略ストーリーを構想する力”

であると論じた一冊である。

 

著者の楠木建は、会計やマーケティングなどの

個別スキルをいくら磨いても、

それらを一貫した意味のある構造にまとめる力

がなければ企業は強くならないと指摘する。

 

本書の核心は、

「良い戦略は“ストーリー”である」

という点にある。

 

戦略とは単なる施策の寄せ集めではなく、

「なぜその施策がつながり、競争優位を生むのか」

という因果関係が一貫している必要がある。

 

例えば、低価格・大量販売を掲げる企業が

同時に高級ブランド戦略を取れば、

顧客にとって意味が矛盾し、競争力を失う。

 

一方で、低価格・効率化・標準化といった施策を

一貫させれば、強固なポジションを築ける。

 

また著者は、「経営はすべて特殊解」であると強調する。

 

成功企業の事例をそのまま真似ても意味はなく、

自社の置かれた環境や資源に応じた独自の戦略を

設計する必要がある。

 

例えば、他社が海外展開で成功したからといって

安易に追随するのではなく、

自社にとって本当に競争優位を築ける領域か

を見極めることが重要となる。

 

さらに、「好き嫌い」の重要性にも言及する。

 

合理的な“正しさ”だけでなく、

経営者自身が

「面白い」

「やりたい」

と思える領域に集中することで、

長期的に一貫した意思決定が可能になる。

 

これは、短期利益に振り回されず、

持続的な戦略を維持するための軸となる。

 

具体例として、本書では

「ラーメンを食べたことのない人による人気ランキング」

のような無意味な評価指標を批判し、

表面的な数値や流行に依存する危うさを指摘する。

 

重要なのは、外部評価ではなく、

自社の戦略ストーリーが機能しているかどうか

である。

 

総じて本書は、「センス=再現不可能な勘」ではなく、

「論理的に構築された一貫性ある思考」である

と再定義する。

 

そして、優れた企業とは、バラバラの施策ではなく、

一本の筋の通ったストーリーで競争優位を

築いている存在であると結論づけている。

 
そうなんですよね。
一貫した戦略ストーリーが必要なのはわかってはいるのですが、
代々続いている事業との兼ね合いもあり、
なかなか一貫性が保てないのです。
 
それでは、また。(^_-)