キリンHDが、祖業のビール事業から脱皮してヘルスサイエンスのリーディングカンパニーへ・・・!?

 

キリンホールディングス(HD)が、今年8月をめどに、オーストラリア最大手の健康食品メーカーであるブラックモアズの全株式を約1,700億円で買収する。

 

ブラックモアズは、自然療法医のモーリス・ブラックモア氏によって1932年に設立された。

 

主力商品はサプリメントや粉ミルクで、2022年6月期の売上収益(売上高に相当)は6億5000万豪ドル(約590億円)。

 

売上約590億円の会社を約1,700億円で買収ですか!?

 

ブラックモアズは1976年にシンガポールとマレーシアに進出し、東南アジアの市場を開拓しています。

 

2013年には中国、2021年にはインドに攻め込み、2023年6月期の地域別売上高比率は45%がオセアニア(オーストラリアとニュージーランド)、30%が東南アジアや韓国・インド、25%が中国となる見込みのようです。

 

キリンHDが期待するのは、まさにこのブラックモアズの販路です。

 

キリンHDは独自素材「プラズマ乳酸菌」を使った飲料やサプリメントを「iMUSE(イミューズ)」のブランド名で市場に送り出しており、ヘルスサイエンス事業を新たな収益の柱とすべく育成していることが伺えます。

 

しかし、その展開は日本にとどまっています。

 

そこで、日本に強いキリンHDと、東南アジアやオセアニアで高いシェアを握るブラックモアズの資本業務提携。

 

絵にかいたような組み合わせではありますが、売上の3年分の資金を投じて時間を買うにしても、投資回収に3年以上の期間が必要になりますね。

 

確かに、地域的な補完関係はありますが・・・。

 

キリンHDにとって海外企業のM&A(買収・合併)は失敗の連続ですよね。(^^;

 

記憶に残っているのは、オーストラリアで2007年に乳製品・果汁飲料メーカーを買収したものの、2019年に571億円もの減損損失を計上し、2020年に売却を発表。

 

ブラジルでは2011年に現地のビール大手を約3,000億円で買収したものの、2017年に手放して完全撤退。

 

もっと最近では、ミャンマーで国軍のクーデターを受け、合弁ビール会社の株式を売却(売却価格は判りませんが、恐らくただ同然)しました。

 

今度こそ、成功して欲しいですね。

 

頑張れ、キリンHD!

 

それでは、また。(^_-)