スイスの金融大手クレディ・スイス・グループの債券「AT1債」が無価値となった件の続編です。
 
FINMA(スイス金融市場調査局)はスイス政府の緊急法令に加え、クレディ・スイスのAT1債は、政府支援など「存続に関わるイベント」時に価値がゼロとなる設計であるため無価値化を決めたとしています。
しかし、日本の投資家が世界銀行傘下の投資紛争解決国際センター(ICSID)または国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)にスイス政府との仲裁を申し立てる模様です。
 
AT1債を無価値とした決定が投資家保護を定めたスイスと日本の経済連携協定(EPA)に反すると主張するようです。

 

そりゃ、そうでしょうね。

 

クレディ・スイス銀行のAT1債は、Additional Tier1債の略で、金融機関が発行する特殊な社債です。

 

2008年のリーマン・ショック後にBISが世界的な金融危機を防ぐため新たな国際規制「バーゼル3」を策定し、「その他Tier1」という自己資本の新たな項目として認められるようになりました。

 

銀行の自己資本比率が上がる=銀行が健全経営をしているように見える(^_-) 

という発想ですね。

 

「AT1債」は通常の社債や劣後債と比べて金利が高い一方で、自己資本が減少した際には、元本が削減されたり、強制的に株式に転換されたりするリスクがあります。

 

しかし、株式の価値がゼロにならないのに、AT1債の価値がゼロになるとはプロスペクタスのどこにも書かれていないでしょう。

 
日本🇯🇵とスイス🇨🇭のEPAは、金融分野について投資家保護などが盛り込まれているのですね。(^_-)
 
まぁ、もう少し様子を見てみましょう。
 

それでは、また。(^_-)