菅ちゃん、やってくれるね~。(^^;
温暖化ガス排出量を2013年度から46%削減する目標を公表。
なんで46%という中途半端な数字なのでしょうね?
ともあれ、我々製造業者はこれから「ストックデールの逆説」に苦しむ(楽しむ?)ことになります。
ストックデール氏は、ベトナム戦争の最中ホアローの捕虜収容所に収容されたアメリカの軍人のなかで、最高位だった人物です。
1965年から73年まで8年間におよぶ捕虜生活で、20回以上にわたって拷問を受け、いつ釈放されるか、生きて帰れるのかすらわからないままの状況を過ごしました。
そして、無事帰国するのですが、彼はなぜ苦境に対処できたのか?
ストックデール氏は後日インタビューで、
「私は結末について確信を失うことはなかった。ここから出られるだけでなく、最後にはかならず勝利を収めて、この経験を人生の決定的な出来事にし、あれほど貴重な体験はなかったと言えるようにすると」
と言っておられます。
一方で、耐えられなかったのは、楽観主義者だそうです。
楽観主義者はクリスマスまでには出られると孝える。クリスマスが近づき、何も起こらずに終わる。
そうすると、復活祭までには出られると考える。そして復活祭が近づき、何も起こらずに終わる。次は感謝祭、そして次はまたクリスマス。失望が重なって死んでいく。
ストックデール氏によれば、
これはきわめて重要な教訓。最後にはかならず勝つという確信、これを失ってはいけない。だがこの確信と、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律とを混同してはいけない。
すなわち
「最後にはかならず勝つという確信」
と
「現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律」
という相反する価値観を同時に有し、自らのものとしていくこと。
これが「ストックデールの逆説」と呼ばれるもの。
さて、我々製造業者の日常のなかでも同様のことは多々あります。
「商品の開発スピード」と「高い完成度」、
「クオリティの高さ」と「コストの低さ」。
相反する二つをいかに統合し、新しい何かを生み出すことができるか。
企業にしても、人材にしても、そのカベを乗り越えることは決してたやすくないですが、そこに生き残りのポイントがあることを忘れてはならないですね。
ストックデール氏の逸話のなかにもう一つ興味深いものがあります。
それはホアローの捕虜収容所での生活中に、捕虜だけがわかりあえるモールス信号のようなコミュニケーション法を開発し、互いに連絡をとりあっていたということです。
お互いにメッセージをやり取りすることによって捕虜たちは、強まる孤独感や絶望感を打ち破り、耐えぬく力を発揮できたというのです。
さて、企業理念よりももっと身近な、社内での共通のコミュニケーションメッセージをつくるか。
それでは、また。(^_-)