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「ジゴロ・イン・ニューヨーク / Fading Gigolo」

2013年アメリカ映画

ブルックリンの本屋店主(ウディ・アレン)は、代々続いた店が閉店に追い込まれ苦悩の日々。

そして思いついたのは、花屋のバイトの友人(ジョン・タトゥーロ)をジゴロにして、男娼ビジネスをスタートさせるという迷案。

戸惑う友人を必死で口説き、ジゴロ業を開業するやいなや、意外にもクールでダンディなジゴロは裕福な女性たちをたちまち夢中にさせていく。

ところがジゴロがある未亡人(ヴァネッサ・パラディ)と恋に落ちてしまい・・・。

二人の恋は成就するのか・・・?

それにしてもユダヤ人社会の掟は厳しいのだ・・・!?

監督を務めながらジゴロを演じるのは、個性溢れる演技のみならず、監督デビュー作でカンヌ国際映画祭カメラ・ドールにも輝いた才人ジョン・タトゥーロ。

ウディ・アレンが自身の監督作品以外への出演も果たしてしまったのは14年振りとか。

何とも珍しいし、彼のこの作品に対する入れ込みようがよくわかります。

また、ジゴロを雇う有閑マダムをシャロン・ストーンが演じているのも凄い!

我々の世代ではジゴロと言えば「アメリカン・ジゴロ」のリチャード・ギアを思い出し、容姿端麗でマッチョな完璧な体型を想像しますが、今回のジゴロは冴えないおじさんのジョン・タトゥーロ。

マッチョな容姿ではなく癒し系が日米でも持てる世の中になったのか、という感じですね。

ジャズの名曲に酔い、シニカルな会話に笑みを漏らし、粋で切ない大人の恋に胸を衝かれます・・・。

喜びも、哀しみも、全部ひっくるめて、人生はこんなに愛おしい・・・と私たちに語りかけてくれるような心温まる物語でした。