父の容態が良くなく、いよいよお別れかもしれない。親の最期を看取るというのは想像以上にツラくはあるが、眠れない夜中にふと気付いたことがある。

自分のがんが発覚し、後悔することがあるかを考えたとき「親より先に死ぬことだけは後悔になる」とはっきり思った。それを踏まえると私は今、親を自分で見送る場面を迎えられている。私は親に見送られるのではなく、親を見送ることができるのだ。

そう気付いたときに、ツラさは覚悟に変わった。まだどうなるか分からないが、私はしっかり父を見送ることに責任を持たなければならない。