身体が回復してきていることを実感してきてはいるが、気持ちの前進と足並みが揃っているとは限らない。検査結果を見ても悪化はしていないし、治療も順調だ。問題は心情的に「もう大丈夫!」「もうがんに囚われなくていい!」と割り切れないことだ。

これがなかなか難しい。ずっとどこかで「今の治療で問題ないのか?」「転移したら?」「再発したら?」ということがうすーく引っかかっている。がんは目に見えない病で、進行しないと症状として捉えにくいから余計である。

気持ちを強く持つことが大切だとは思っているが、なかなかどうして「私はもう大丈夫、罹患前と同じ!」とまで思えない。いつになったら、身体や環境の回復と同じように気持ちの健康を取り戻せるのか?

こればかりはきっと時間に託すしかないのだろう。
生活がバタバタと忙しくなってくればいつの間にか「がんに囚われない日々」を取り戻しているに違いない。