がんにまつわるシンポジウム「ネクストリボン2024」に行ってきた。がん罹患前はこんなイベントが開催されているのも知らなかったが、コロナ禍を経て今年は3年ぶりの開催とのことだった。

今回のテーマは「がんと就労」についてで、私が去年がんに罹患したあとからずっと考えてきたテーマでもある。やはりがん宣告を受けて仕事を辞めてしまう人もまだ多いし、すぐに辞めなくても周りの理解や協力を得られず退職に至るケースもまだまだ多いということだった。今回、大企業や中小企業の対応もそれぞれ聞くことができたが、幾つもの大切なヒントがあった。

「がん患者を特別視しない」「対話で理解する」「100人に4人ががん罹患する現状を受け止め、企業として対策を打つ」「がん支援制度を作り強制力を働かせる」「がん罹患者をフォローする人達の支援制度を確立させる」「人事部や産業医との定期面談をルール化する」等等。

私はこれまで「がん当事者」として会社や上司の対応を見てきたが、これからは自分が部下や同僚からがんを打ち明けられた時にすぐに力になれるように備えることが必要だと気付かされた。がんを経験したことで自分に出来ることがきっとあるはずだ。

余談だが、舌がんを経験し舌を切除している堀ちえみさんがうまく話すことができないというハンデを抱えながらも登壇している姿には覚悟を感じた。