「がん×仕事」の観点で今年を振り返ってみる。
 
6月にがん宣告されたときには、迷わずに仕事をそのまま続けながらの闘病を決めた。先にどんな治療があってどんな副作用があるのかその時点では分からなかったので、起きたときに対処していこうと思ったのが最初だった。治療前なので気力もまだ充分。仕事と治療を両立させてやる!と強く思っていた頃。会社で病気をオープンにすることも決めた。
 
その後、がん罹患前と同じようにフルタイムで働きながら抗がん剤治療を開始→徐々に在宅ワークを増やし出社は週2~3程度に変更。抗がん剤治療が進むにつれて、通勤することさえ辛い日もあったが意地でフルワークを続ける。仕事も忙しい時期で治療と仕事で何が何だか分からないまま、毎日が必死だった。自分で続けると決めた仕事で周りに迷惑をかけないようにと本当に必死だったと思う。気力はあったが、抗がん剤の影響で頭がクリアではなく体力も劇的に落ちていて、何をするにも大変だった頃。
 
抗がん剤治療の終わりが見え気分的に少し楽になったときに、上司から治療が落ち着くまで一旦役職を外すと通達された。(治療が落ち着いたら元に戻すということで)。なぜこのタイミングなのかと不信感を抱くと同時に、やはり治療しながら100%のパフォーマンスは難しく、弊害もあったのだろうと思った。また、治療や体調に関しての上司とのコミュニケーション不足を痛感した。これまで培ってきたキャリアや信頼が崩れたような、会社から干されたような複雑な気持ちにはなったが、体力的には正直助かった。会社の仲間に任せる部分を増やし、気持ちの余裕を持って手術と放射線治療に臨めた。時間が立てば気持ちの波も穏やかになり、不信感も怒りも、くさくさした気持ちも徐々に影を潜めた。のんびり仕事をすることに対する強迫観念的な罪悪感さえ薄れてきた。はなからこんなマインドを持てていればストレスも軽減できて、がんにならなかったんじゃないかとさえ思う。

支えてくれる周りの人達には常に感謝している。
 
そして、年末に思うこと。
まだまだ治療途中で現在進行形ではあるが、約半年間を無事に乗り越えられて良かった。仕事があることは日常の糧になったと思う。精神的にも金銭的にも。
 
もし6月に戻れるなら「がん×しごと」に対してどういう選択をするか考えてみたが、こればかりは分からない。標準治療に一定の終わりがあることを理解した今は思い切って「半年休職」という判断もあるだろうし、治療と副作用の度合いを理解した今はうまくやりくりしながらやはり「仕事を続けたい」と思うかもしれない。いずれにせよ、瞬間瞬間の自分の判断に責任を持ち突き進むしかない。
 
 いやはや、目まぐるしい1年だった。