人は基本的に、話をあまり覚えていません。
エビングハウス先生の「忘却曲線」によると、
せっかく覚えたことも
20分後には42%忘れ、
1時間後には56%忘れ、
9時間後には64%忘れ、
1日後には66%忘れ、
そして1か月後には79%忘れる。
つまり、我々の脳は「高性能な忘却マシン」なのです。
ビジネスの現場でも、これが日常茶飯事。
「この前説明したよね?」
「え、そうでしたっけ?」
このやり取り、
全国のオフィスで1日1億回くらい繰り返されています。
逆に、レアな話を
「あの時の話、覚えてますよ」と言われた日には、
こっちが感動して忘れられなくなる。
まあ、年に3回くらいあれば御の字です。
つまり、「伝えた=伝わった」ではない、ということ。
こちらが「放ったつもり」の言葉は、
相手の脳内で静かに消えていくことがほとんどです。
いちいち「なんで覚えてないんだ!」と怒っていたら、
自分のメンタルが持ちません。
「覚えてもらえなかった」ではなく、
「覚えてもらえるような伝え方ができなかった」と
自責モードに切り替えるほうが、圧倒的に健康的。
結局、
『伝えたことが伝わったことではなく、伝わったことが伝えたこと』。
この逆説を理解している人こそ、
本当の意味で「伝える力」を持っているのかもしれません。
