2月17日から20日にかけて開催された「第18回ガシバル」に参加してまいりました。3軒目のご紹介です。

最近、お造りに対する欲求が高まりすぎて、「いっそ今日巡回する店は、全店寿司やお造りの店で埋め尽くしてしまおうか」と思うほどでした。そんな中、ふと目に留まったのが、バルメニューにお造り三種盛りとハイボールまたはウーロン茶がセットになっているこちらのお店。バル参加店には二種盛りの店もありましたが、やはり三種という響きに心惹かれ、迷わずその店に決めました。

二軒目を終えた足で、そのままこちらの店へ直行。到着したのはちょうど良いタイミングで、待ち客もおらず、これは幸先がいいぞと胸を弾ませながら扉を開けました。

「バルです。」意気込んで言うと、店主から一言。「5時からですね。」

「あらまっ。」思わず時計を見ると、時刻はまだ16時45分。うっかりしていました。確かに、少し早く着きすぎたようです。仕方なく、周辺をぶらぶらと散策しながら時間をつぶすことにしました。

そして、今度はしっかり時計を確認し、17時を過ぎたのを見計らって再びお店へ。今度こそ、準備万端での入店です。

魚流三代目、海鮮酒場「またふく」の店構え

再び店の扉を開けると、今度も「バルです」と言うと、にこやかに迎えてくれました。店主の「どうぞ」という一言に、ほっと胸をなでおろしながら、カウンター席へと腰を下ろしました。

店内はこぢんまりとしていて、カウンターが8席。L字型に曲がった店内は全体を見渡せませんが、テーブル席が4つ並んでいるのが見えます。照明はやわらかく、木の温もりを感じる内装が心地よく、まるで隠れ家のような雰囲気です。接客を担当しているのは、物腰の柔らかい女性スタッフが一人。丁寧ながらも親しみやすい接客に、自然と笑みがこぼれました。

ドリンクは、ハイボールかウーロン茶から選べるとのこと。もちろん、ここは迷わずハイボールを注文。喉を潤すのにぴったりの一杯を想像しながら、しばし待ちます。

数分後、待ちに待った料理が運ばれてきました。

お造り三種盛りとジムビームハイボール

お造り三種盛りとワサビ

目の前に並べられたお造り三種は、どれも艶やかで美しく、まるで小さな芸術作品のよう。

このお店では、居酒屋としては珍しく、店主自らが一品ずつ丁寧に説明してくれました。「シマアジ・キンメダイ・鰆です」と、穏やかな口調で教えてくれるその姿勢に、料理へのこだわりと誠実さが感じられ、自然と期待が高まります。

まずは、あまり食べる機会のなかったシマアジからいただきました。一口頬張ると、思わず「旨い」と声が漏れるほど。まったく臭みがなく、しっかりとした厚みがあるため、口の中に長くとどまり、魚本来の旨みがじんわりと広がっていきます。噛むたびに、海の恵みが舌の上で踊るような感覚でした。

次に手を伸ばしたのはキンメダイ。調理法についての説明はありませんでしたが、皮がやや縮んでおり、身と皮の間の色が変わっており、焼き目が見当たらなかったことから、おそらく松皮造りではないかと推測しました。こちらもまた厚切りで、しっとりとした身の質感と、上品な甘みが印象的。噛むほどに身と皮の間の旨味が深まる味わいに、思わず目を閉じてしまいました。

そして最後は鰆。魚偏に「春」と書くことから、春が旬だと思っていたのですが、実は「寒鰆」と呼ばれるように、寒い時期の今こそ脂が載って美味しくなるのだそうです。鰆の造りは炙りで提供されることが多く、炙ることで香ばしさと旨みが引き立ちます。こちらのお店でも、焼き霜造りで提供されており、皮目の香ばしさと身のとろけるような食感が絶妙でした。切り身の大きさは他の二種に比べて控えめでしたが、その分、味の濃さと満足感は群を抜いており、個人的にはこの鰆が一番のお気に入りとなりました。

お造り三種をじっくりと味わい、心もお腹も満たされたところで、名残惜しさを感じながら「美味しかったです。ごちそうさまでした」と、感謝の気持ちを込めてお店の方にお礼を伝えました。

すると、接客をしてくれた女性店員さんが、わざわざ表まで出てきて見送ってくださったのです。その姿に、思わず背筋が伸びるような、心地よい緊張感と温かさを感じました。

「たくさんお店がある中で、うちを選んでくださってありがとうございました。」と、頭を下げられました。

その一言に、こちらの気持ちまでほぐれて、自然と笑顔がこぼれました。私は思わず、「美味しかったです。こちらのお店、当たりでした」と、素直な気持ちを伝えました。

美味しい料理と心のこもったおもてなしに出会えた、そんな幸せな余韻を胸に、私は店を後にしました。

こういうお店に出会うために食べ歩きをしてるんだよなぁって、足元を見つめ直し、自分の原点を思い出しました。

 

かかった費用 875円
評価 ★★★3.5(5点満点)

                                            

店名:魚流三代目またふく
住所:大阪府堺市堺区北瓦町2-3-11
電話番号:072-248-5150
営業時間:月・火・水・木・金・土・日・祝日
     17:00 - 00:00

定休日:  なし 

来店の際は、事前に確認お願いします。