コロナウィルスについて、インターネットでずっといろいろ記事を見て、日本や世界の様子がとても気になっているのですが、

つい最近まで南米では一件も陽性がなく、発言しても実感がなく、他人事のようになってしまうのではないかと、なんとなくそのことに触れるのを避けてきました。




ブラジルで陽性が出たこともあり、少しコロナウィルスに関連することを書こうと思います。





コロナウィルスの話題が出る前、6月の冬休みになったら、日本から私の母に来てもらおうと楽しみにしていました。でも、もうそれもできないかもしれません。
2月中旬から、息子の学校では、日本を含む7, 8ヶ国の国から帰ってきたばかりの生徒は2週間自宅待機、家族にいる場合も同様となっています。今もしおばあちゃん(私の母)が来たら(もしくは私たちが日本に帰ってブラジルに戻ってきても)、息子は学校に行けなくなります。
息子が、学校に行けなくなることよりもっと心配なのは、空港で、日本を含む7, 8ヶ国から来た人が、発熱や呼吸器疾患のような症状がある場合、2週間の隔離されることです。(3月上旬現在。これも2月からだったと思います。)ということは、万が一私の母が空港でむせたりして咳き込んだりしたら、そのまま隔離されて、私たちの誰も会えず、その上、母は言葉もわからない、誰も知らない中で2週間過ごさなくてはならないということも起こり得るのです。そうなった場合のことを考えると恐ろしくて…

それから、年末に日本への一時帰国を予定していますが、それまでに落ち着くのでしょうか。(この先、今より厳しくなって日本からブラジルに入国できなくなったり、逆にブラジルで流行って自分の国の日本に入国できなくなったりということが起こらないとも言えない)


母に会いたい、息子をおばあちゃんに会わせたいだけなんですが、いつ会えるでしょうか…








2月末にブラジル、私のいるサンパウロで2件のコロナウィルス陽性が出ました。(どちらもイタリアから帰ってきたブラジル人)

この陽性が出る前からここ1ヶ月ほど、私自身アジア系に対してちょっと感じの悪い人(まぁ、差別と騒ぐほど酷くない程度の)と出くわすことも数回ありましたが、
いよいよ陽性が出て、また少し風当たりは強くなるのでしょう。(現時点で持ち込んだのはアジア系関係ないんですが…)



いいこともある、楽しいこともある、
でも、これが異国に住むということなんでしょう。





2件目の陽性が出た翌日のニュース記事で、日本人の子孫のブラジル人(ポルトガル語で言うとこんな感じですが、つまり日系ブラジル人)が、数人に「国へ帰れ」などの暴言を吐かれた恐怖について語ったインタビューを読みました。(その人の友人の中華系ブラジル人も嫌な目にあったようで、日系に限らずアジア系です)


私たちのような外国人は、違う国から来ていて、こういう非常時に突入しそうな時は特に、嫌な人にも会うことも増えるけど、そして決して正当な理由などないのですが世界中どこへ行っても外国人に向けた差別は残念ながらあるけれど、


日系ブラジル人のその人達は、母国がブラジルで(子孫とは言え、もしかすると日本の国籍を持っていないかもしれないし、日本に行ったこともないかもしれないのに)、生まれ育った自分の国にいて、そんなことを言われるなんて…その悲しみや辛さはもっともっと大きいのではないでしょうか。


学生の頃、日系ブラジル人のアイデンティティの本について読みました。ブラジルにいるときは日本人と言われ、日本に行ったら日本国籍を持っているのに空港でも日本人として入国できず、日本ではブラジル人と言われる…

その本が出版されてから優に10年以上経っています。

最初の日系移民から110年以上経ち、日本人の祖先に持つブラジル人なんて、当たり前の存在であるこのサンパウロでそんなことが起こるなんて…





アジア系に対する差別的な出来事の件数としては、比較すると多くないと思います。(おそらく、ヨーロッパのいくつかの国よりずっと少ないかとは思います)




でも、
私たちのような一時的に異国の地として住む者だけでなく、
何世代に渡って住み続ける場合でも、

祖国から遠い、遠い国に住むというのはなんて難しいのだろうと、改めて感じました。

ブラジルに限らず。
(とは言え、サンパウロは比較的住みやすいとは思います。これは移民が多いことに加えて、日系移民の過去の頑張り)







人やモノの移動はますます激しくなり、移民や国際結婚も増える一方で、世界のどの国でもナショナリズムの高まりのようなものを肌で感じます。(私が住んだ国イギリスでもブラジルでも。そして日本でもでしょう










一昨年書いた自分のブログ(私の好きなTEDのプレゼンを紹介)を、去年リプログしたのですが、それからまた1年経ち、再びリプログしてみます。




私はここを私の場所と言えるのだろうか

ここは誰の場所であって、誰の場所でないのだろうか、
所有する者と所有していない者、もしくは、所属する者と所属していない者があるのだろうか…

そんなことを思いながら、またTEDのプレゼンを聞いてみたいと思います。







〜おまけ〜

聞いたところによると、コロナウィルスの検査を受けるにはかなり高い費用がいるようです。おそらく私立の病院でしょう(私立の病院は診察で数万円とかが普通なので、検査なら十万円以上してもおかしくないと思います。ブラジルの最低賃金かつ、国民の半数がもらっている月収は約3万円と聞いています。おそらく物価の高いサンパウロの人の月収はもっと多いとは思いますが、それでも私立の病院に行けるのはごく限られた人間です)

日本のように、誰でも簡単にいい病院にアクセスできるわけでない(公立はあまり良くないと言われていて、コロナウィルスを検査できるかどうか…)この国で、この先コロナウィルスの状況がどうなっていくのか…
日本のように(差が広がりつつあるとは言え)同じような階層の多い国と違って、この国で一律の行動を規制したりすることなんて可能なんでしょうか…

ついにブラジルまでたどり着いてしまった今、不安はあります。






〜おまけ2〜

いつもではありませんが、気になるニュースは、日本語と英語(主にイギリス、たまにアメリカ)とポルトガル語(ブラジル)とあと時々スペイン語(スペイン、メキシコ、ごくたまにアルゼンチン)で読んでいます。

世界の様々なニュースに加えて、
各国がどういう風に日本を扱うか(もしくは扱わないか)。

ほかの国の記事を読むと、日本で書かれている記事で受ける印象とかなり違うと思うこともあります。