他人のため、祖国のため、妻のため、仕事のため、、、(中略)に生きるひとはみんな、不思議なほどみずからの苦悩や、くだらない気苦労を忘れています。
アンドレ・モーロワ『青年と人生を語ろう』
過去に綴られた本には、現代とは異なる考えが多くある。アンドレ・モーロワもその一人だ。そのことを知ることが現代を生きる指針にもなるのだ。
そこでモーロワの言葉。するどい。そしてこんなことを考えてみる。
「自分が先、他が先」という考えから少しはみ出したらどうなるだろうか、と。
答えは今この瞬間にそこにある。しかも個別に。だから読書はやめられない。
自分自身のことについて思いをこらすひとはいつも、不幸になる理由を無数にみいだすことでしょう。
アンドレ・モーロア