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「或る果実の研究」を改める

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「或る果実の研究」 F8 アクリル

先月のワールドインパリ展(東京交通会館)に出品していた8号小品。
美術新聞からスキャンした画像で粗いが、実物も良い出来ではない。
最初から最後までアクリル使用。果実の研究、というより、絵具の研究とした方が良かったかと今さら思う。

自分の場合、かつてロンドンの学校でこの絵具を本格的に使い始め、今では恒常的に使う画材になった。
ただ、自分としては一枚の絵を全てアクリル絵具で描くという事はタブローの場合、皆無だ。細部の細密な描写には向かないからだ。
それだからちょっとどこまで出来るのか試してみたくなるのは、無駄な事だろうか。
もっとも、この一枚に細密な写実は自分自身求めていなかった。考えていたのは色の諧調の事だ。

と、ここまで来て自分はまた今更ながらの間違いに気付く。
絵具の研究、じゃないな。この絵の題名は「或る色の研究」だった。

ワールド イン パリ展

タイトルの展覧会に出品します。
15日から21日まで、会場は有楽町駅前の東京交通会館にて。

「或る果実の研究」という10号。
今回は油彩を一切使用せずアクリルのみで仕上げまで。いわば果実の研究、というよりも、絵具の研究というのがこの絵のオチかもしれません。
いずれここにも載せる予定です。 

斉藤秀雄展

お世話になっている日本彩美会会長の斉藤秀雄展を見に有楽町へ。

CANの(表)日記

丁度先日までやっていた彩美展に自分が出すようになったのは、斉藤さん(本来は先生と敬称しなければおかしいが、自分は普段通り、斉藤さんと呼ばせてもらいます)に出会ったからに他ならない。

斉藤さんは画壇の政治的な謀略を嫌う人だ。媚態や擬態を晒して絵を描いてはいない。
絵が好きな人なら斉藤さんのこの牛の絵をどこかで見た事がある人もいるだろう。すました顔して「わたくし、日本の絵は知りませんから」なんて虚飾のアート愛好者は無視して、ひとまず斉藤さんの絵を見てみよう。

斉藤さんはこの牛の絵をずっと昔から何枚も何十枚も描いている。薄塗りの絵具を何層何十層も重ねてつくるマチエールはかなりデリケートな深度があって、それでいて強度を持っているのも分かる。木の葉の部分、豚毛の筆でさっとなぜただけで付く位の絵具の厚さだとか、牛たちの相対的な位置等も、経験則から出たひとつひとつの答えに見える。