上海語が中国では風前の灯火になっていることは、この前記しましたが、皮肉と言うか興味深いことに、上海を含めた中国全土では上海語のテキストは存在していません。しかし、日本では現在10種類前後の上海語のテキストが出版されています。確か以前に、蘇州語のテキストと上海語の辞書も見たことがあります。上海語以外にも広東語、閩南語(びんなんご)のテキストもあります。中国の国内には無いのに、日本では研究している人がいます。日本では、何の分野に関してでも専門に研究してる人がいて、しかもレベルが高いのです。

広東語は香港が、閩南語は台湾があるので現時点では無くなることはありませんが、50年後100年後も大丈夫かといえば、何とも言えません。日本語を学んでいる中国人がよく言うことですが、中国語ではひとつの漢字に対してひとつか精々ふたつ位の発音しかないのに、日本語では幾つもの発音があるので大変覚えるのが難しい。と、言う中国人が多いです。確かにその通りですが、日本語ではひとつの漢字対して幾つもの発音があるのには理由があります。先ず、訓読みは古来からの大和言葉ですが、音読みには漢音、呉音、唐音など何種類もの発音があります。それぞれの発音は漢代に輸入された発音、三国志時代に呉の国より輸入された発音、唐代に輸入された発音等どの時代に輸入されたかによって違います。大陸ではもうずっと以前に使われなくなった発音でも何千年の時を経て、日本で生きているのです。着物を呉服と呼びますが、それも三国志時代に呉の国から輸入された物なので呉服と呼びます。この呉服も、大陸にはもう残っていませんが、何千年の時を経て日本では民族衣装として残っています。 続く