私は多分巨指症である。
私の左手は少しみんなと違う。他の巨指症の人からすれば随分軽いものであるだろうが、それでも見れば何かおかしいことに気づくはずである。見た目に関しては自分自身が一番気にしている。だから、外ではできるだけ手をポケットに入れ、イキったやつを演出する。
別に片手でなんでもできるほど器用なやつでもないので、歩く時や立っている時以外は普通に両手を使う。
そのようにしながら割と普通に学校生活を過ごしてきたわけだが、これまでに手のことで揶揄われたことは一度もない。というか、そもそもあまり気づかれていない。クラスでいじめが起きている時は、なんでこいつらはしょうもない理由で普通の人をいじめ、私をいじめないのだろうかと不思議に思った。本物の「キモいやつ」を仲間側に置いておくなんて筋が通ってないだろう。視野の狭い奴らだな。と、
小学生の同級生が中学生になってから、「その手どうした?」と聞いてきた時はもはやおもしろさが込み上げてきた。そんなに興味ないんか。流石に気づいてると思ってたわ。
もちろん気づく人もいる。でも、大体の人が「痛くない?」と一応心配した後、普通に接してくれる。何も聞かずにいてくれる人もいる。たまに積極的に聞いてくる人もいるが、誰からも悪意を感じたことはない。むしろ普段親に心配されない分、他人が興味を持ってくれて嬉しかった。
私が学校生活を続けられたのは他でもない同級生のおかげである。みんなとしゃべることが楽しくて、嫌いな学校も、なんとか通い続けることができた。
いまだに気づいていない人はどれくらいいるだろうか。意外とみんな見て見ぬふりをしていて、それに私が気づいていないだけかもしれない。