中学生のとき、男女合同で学年全員が集まり性教育のビデオを見る授業があった。受精してから赤ちゃんが産まれるまでの過程や注意点などについてが語られる、よくある「どうやって受精するんだよ」と突っ込みたくなるオブラートに包まれたものであった。
授業後、教室でいつものコンビが言い合いをし始めた。内容は単純、片方が「お前の出っ歯は、親が妊娠中にタバコを吸ったり、酒を飲んだりしたせいだ」と主張し、もう片方がそれに言い返しているものであった。なかなか馬鹿らしい。先生も両方にキレていた。
私は、よく冗談でもそんなこと教室で言うよなと思いながら眺めていた。彼にとってはただのいじりだったのかもしれないが、私にとっては人ごとではない。まさにその授業後、みんなが気まずい空気で教室に戻る中、もしかしたら自分の親は、妊娠中にダメなことをしたのかもしれないという新たな疑念に心穏やかではなかったのである。
その時私が持っていた情報は、奇形で生まれつき、指が大きくなるとまずいらしい、というようなもので、原因や詳細を知らなかった。運が悪かったんだろうというぐらいの認識であった。
しかし、ここにきての新たな可能性、「原因は親の意識の低さ」をためにならない性教育から教えられたのである。まったく、何見せてくれてんだ。
おかげさまで、余計に「生まれつき」の詳細が聞けなくなった。答えによっては親に失望すると思った。お前のせいで、と思いたくなかった。失敗を隠し続けたのか、と責めたくなかった。
親に聞けなかった私は,,,
かなり前に書いてほったらかしにしたせいで、続きに何を書きたかったのか分からないが、その日の放課後に人生で初めて自分の手の原因を調べたのは覚えている。インターネットとは便利なものだ。部屋で一人こそこそと検索していくのはなかなかにスリリングだった。
その後も何度か同じようなワードを入れて検索したが、結果は「原因不明」で調査は終了した。自分のことを親に聞けないとは、まぁ意気地なしである。
子供に信頼されたければ持病の原因と今後ぐらいは親の口から教えといた方がいいのではないかと思う。(雑な締め方で申し訳ない。)