妻が独りで海外へ遊びに行くことになった。


渡航経験はそれなりにあるほうだ。

しかし彼女は、出入国カードすら一度も記入したことがない(ぼくがいればぼくが書いちゃうからね)し、土地勘もあまりあるほうではなく、行ったことのある場所でもすぐに記憶の彼方へ飛んでいって忘れてしまう。


そんな彼女が、「このままではいけない! ダンナが死んだら海外旅行に行けなくなってしまう」(←ぼくが先に逝くという前提)と思ったらしく、独りでの海外旅行に挑戦する!と宣言したのだった。


行き先は🇹🇭バンコク

このブログでもたびたび出てくる、何度も行ったことのある、夫婦ともに大好きな街だ。


ホテルと航空券はぼくが手配した。

ホテルの予約は問題なかったものの、

直行便の🇹🇭タイ国際航空、航空券が高くて手が出ない!

コロナ前はさんざんお世話になっていたおなじみ🇹🇼台湾のチャイナエアラインもびっくりするくらい航空券が高い(*_*)


LCCはできる限り使いたくないし、結局ナショナルフラッグキャリアの中で一番航空券が安かった🇻🇳ベトナム航空を予約することで落ち着いた。

ぼくは今の仕事でベトナム人と多く接しているから、ベトナム航空も割と馴染み深いのだ。ただし乗ったことは数回しかない💦


そして出発当日…

優しいダンナであるぼくはわざわざ有休を取り、空港まで彼女を送って行ったのだった。


チェックインを手伝ってあげて、

・中部国際空港→ハノイ

・ハノイ→バンコク

の2枚の搭乗券を受け取り(ココ重要!)、保安検査場の前まで見送ったのだった。


この写真には1枚しか写ってないけど、2枚の搭乗券がありました。

バイバーイ いってらっしゃーい!


悲劇はこのあと起こる…









空港から家に帰る途中、彼女から連絡が入った。

「なんか遅れるみたい。機内整備だってー」

(おそらく”機材整備“の誤り)


ゲート前で搭乗を待っている間に、彼女は放送で名前を呼ばれた。
呼ばれたのは1人ではなく、何人もいたようだ。

カウンター前に行くと、係員がこう言った。
「ハノイより先にお乗り継ぎのお客様、当機はかなり遅れる見込みのため、ハノイでのお乗り継ぎができません。」
続けて、
「これよりホーチミン行きにご搭乗いただきます。ホーチミンでのお乗り継ぎとなります。なお、ホーチミンから先のご搭乗券はホーチミン空港到着後、お渡しいたします。
↑ココ重要

手前が妻が搭乗予定だったハノイ行き。奥が振り替えのホーチミン行き。機材はA350で大きくて新しくなったが…


そういえば、ホーチミン行きはハノイ行きよりもずっと前に出発するはずだったのにまだ出ていない。
そうか、ハノイ乗り継ぎ客の振り替えのため待っていてくれたんだな。


空港スタッフからホーチミンまでの搭乗券を受け取り、胸に《TRANSIT》のシールを貼られ、彼女はホーチミン行きに乗った。


ホーチミン行きは2時間8分遅れで中部国際空港を離陸したのだった。



ちなみにハノイへ行くお客さんはそのまま待たされ、中部国際空港を6時間遅れで出発したようだ。



ホーチミン便のA350は新しくて性能がいい。
いつもは飛ばないような高い高度をぶっ飛ばして、ホーチミンには1時間12分遅れで到着した。(有休を取ってヒマなぼくは、Flightrader24アプリでフライトを追跡していた)

ボーディングブリッジを渡って到着ゲートに着くと、そこに乗継ぎ案内の係員が………………………

いない。

こういう場合普通はいるのだ。胸に貼られた《TRANSIT》のシールを目印にして乗り継ぎのお客さんを見つけ、次の便へ誘導してくれる航空会社のスタッフが。

昔、バンコクからのチャイナエアラインが遅れてライバルのエバー航空に振り替えになったことがある。航空会社が違ってもちゃんと到着ゲートに案内スタッフが待機している。
まともな航空会社ならば。 


仕方がない。
彼女は周りのお客に続いて通路を歩いていった。

しばらく行くと、Immigrationの案内看板が出てきて、お客はそっちに歩いていく。
しかし、イミグレーションを通ってベトナムに入国してはマズい。本能的にそう思った彼女はそこにいた係員に声を掛けた。

英語も話せない。もちろんベトナム語も。当然日本語は通じない中で、ホーチミンまでの搭乗券を見せ「私はバンコクに行きたいんだ!」と主張する。
しかし事情が分かっていない係員は、とにかく入国しろ、の一点張り。

彼女はバンコク行きの搭乗券を持っていないのだ。それどころか、ホーチミンからどのフライトに乗るのかも聞かされていない。
すべてはホーチミンについたら案内される。中部国際空港のスタッフはそんな対応だった。

中部国際空港のチェックインの時に少し顔見知りになった、パリ行きに乗り継ぐ家族連れがやってきた。
かれらもやはり係員から「とにかく入国しろ」と言われ途方に暮れている。

そこに、中部国際空港からのフライトを終えた客室乗務員の一行が通りかかった。
「あの人たちに聞いてみよう!」

客室乗務員は「向こうにある乗継カウンターに行って下さい」と教えてくれた。
そのカウンターでも少しすったもんだしたようだが、なんとか無事にバンコク行きの搭乗券が手に入って、当初の予定より3時間ほど遅くバンコクに到着することができたのだった。



おそらく、中部国際空港のスタッフはホーチミンのベトナム航空スタッフへメールかなにかで引き継ぎをしたのだろう。

しかし結果としてホーチミンには何も伝わってなかった。
これが東南アジアの恐ろしいところ。←偏見と言われようが仕方がない。東南アジアあるあるなのだ。

中部国際空港のスタッフはメールで引き継ぎをすれば業務は終了、そんな感覚だったのだと思う。マニュアルもそうなっているのかも知れない。

しかし、しかし…
フライトの振り替えをするなら、時間がかかっても最終目的地までの搭乗券は出すべき。
ホーチミンから先、どのフライトに乗るのかというインフォメーションは絶対に必要だろ??

今回の混乱は、中部国際空港のスタッフの責任が重いと思っている💢
もちろんお客の言い分をあまり聞こうとしないホーチミンのスタッフも悪いのだが…
もしかしたら、中部国際空港のスタッフがホーチミンに引き継ぎをすることをすっかり忘れていた可能性もないわけではない。

ベトナム人にそんなに期待をしてはダメなのだ。彼らは当たり前の仕事が当たり前にできることのほうが奇跡なのだ。
また偏見だと言われそうだが、毎日ベトナム人とイヤというほど付き合っているぼくはよ〜く知っているのだ。
ただ、なんとなく憎めないんだよな…

妻にも言いたいことがある。
どうしてホーチミンでトラブルに遭ったとき、おれに電話してこなかったのか?
わが家のケータイはdocomoのahamoだ。海外でも20GBまで手続き・追加料金なしでインターネットが使える。
すぐLINEしてこいよ…
連絡さえくれればすぐに「TRANSFER COUNTERを探してそこに行け」と教えることができたのに…
後日、彼女いわく、「パニックになって電話するなんて思いも付かなかった」らしい。

しかし、彼女にはいい経験になったようだ。トラブルもある程度楽しめるのがわが家のいいところ。
彼女がホーチミンでドタバタしていた頃、こっちは連絡が取れずヤキモキしていたが、乗り継ぎ出来なくてVN(ベトナム航空)のアゴ足つきでホーチミン市内の高級ホテルに1泊するのもいいんじゃないか、と思っていた。

バンコクに着いてからの彼女は、暑さと戦いながらも滞在を楽しんだようだ。
初めての独り海外旅行がトラブル付きで終了して、自信もついたようだ。
これからはぼくが引率される側になるかもなwww


追伸

帰りは予定通り、バンコクからハノイ経由で中部国際空港に戻ってきた。トラブルもな・・・


いいえ。トラブル、ありました。

スーツケースをボロボロにされたのだ。

まったく、最後の最後まで、ベトナム航空ってやつは…




でも、文句を言いながらも本気で腹は立たない。やっぱり東南アジアが好きなんだろうな。