応じ技、返し技 | 剣道 稽古日記 ~終わりのない道~

剣道 稽古日記 ~終わりのない道~

剣道、稽古の日記です。
教え子や後輩に対するアドバイスなど
たまに違うかも!?

※あくまでも個人的な考え、意見です。

構えてる相手を打つことは難しい。
相手が構えていないところを狙わないと、
なかなか打つことはできない。

しかし、相手が動くのを待っていると、
反応が遅れたり、
予想外の動きをされたときに
反応できなかったりして、
逆に打たれることになる。

では、どうすれば良いのか?

そこで必要になってくるのは、
相手を動かすということ。

自分が動くことで相手が動く。

先に構えて、先に動きだし、
相手を動かす。

相手は打たれると感じたら、
打たれる前に打とうとするか、
受けようとするか、避けようとするか、
応じ返そうとするかなど、
何らかの動きをして、
打たれないようにしようとする。

そこに隙ができる。

しかし、中途半端に動けば、
自分自身の隙をつくるだけなので、
逆に打たれる可能性が高くなるだけだし、
更に相手が動くのを見てから
打てるところを判断していては、
とても間に合わない。

相手が打たれると感じるほどの圧力と、
ある程度の予測が必要である。

従って、本気で打つつもりで、
間合いを詰めるなどの動きを
自分から行い、相手に圧力をかけて、
それによって、相手がどう動くのかを
ある程度の予測をして、
そこにできる隙を打つのである。

しかし、これは簡単ではない。
相手の実力や、状況、場面によっても
相手の動きは変わるし、
相手が予測通りに動かないときもある。

予測通りに動かすことができるように、
ある程度相手の動きに
制限をかけるように動いたりもするが、
一番大事なのは稽古などによる経験。

自分がこう動けば、相手はこう思い、
こう動くだろうという予測は、
積み上げられた経験によるものが大きい。

だから、若いうちは
どんどん自分から動き、仕掛けて、
どのような状況、場面で、
どう動けばどうなるかという経験を
より沢山積む方が、
その後のためになる。

もちろん、
どれだけ相手を思い通りに動かしても、
そこを打てるだけの
打突力がないといけない。

また、多少思い通りではなくても、
咄嗟の判断でそれを乗り切れる
体勢や気勢が整ってなくてはならない。

いつでも打突できるように、
崩れない構えや足さばきと、
しっかり打突ができる打突力を
身に付けることも大切である。

これらの基本の上に、
前記の相手とのやりとりがある。

剣道には、段階がある。

応じ技、返し技はこれらの段階を踏んで、
相手を動かして(打たせて)打つものである。

これらの段階を踏まないままで、
応じ技、返し技を行おうとしても、
相手は思い通りには動かず、
なかなか上手くいかない。

また、そのときは上手くできても、
その先に進むと通用しなくなる。

だから、応じ技、返し技を
身に付けようと思うなら、
先ずは基本を見直し、
自分から仕掛けて、
相手を動かす稽古を積むこと。

遠回りのように思うかも知れないが、
それが一番の近道である。