幼少期、娘は、兄をいつも優先していた。

同じ物を二つ渡す。

必ず、先に兄にどちらが良いか選んでもらい、兄は、吟味し、躊躇なく選ぶ。
残った方を躊躇なく貰う。
何故か、二人共自然体だった。


育った環境だろう。


周りは、初孫の兄を気遣い、兄に焦点を合わせ行動する。
自ずと、身についたのかもしれない。


娘は、割と勉強も良かった。
何よりも運動神経が良かった。
好奇心旺盛で、興味を持ったものは、何でも了解した。
外に自分の世界を持って欲しかった。


いわゆる優しくて良い子。
そつなく何でも、いつの間にか、こなしてしまう。
争いごとを好まない娘が、一年生の初めての運動会。
クラスの男の子にかかっていった。


おそらく、その時が、最初で最後の人との表立った衝突。


その子が、兄の走る姿を見て、
「あいつ見て!ださっ」
と笑っていたらしい。


子供は、悪気無く、正直で、見て思った事を言う。

私は、慣れていたが、娘は、ショックだったようだ。


息子は、身体の事もあり、消極的で、大人しく、決められた事を作業する事が楽なタイプで、マイペース。


運動会は、息子にとっては苦痛でしかない。
年齢と共に、どんどん広がる差。
ビデオを毎年撮っていたが、高学年になると、客観的に写る自分の姿を見たがらなくなった。


毎年、どう気持ち持っていき取り組むか、考え、完走する事、参加する事の意味の大きさで、促した。


娘は、目立ち、運動会では、毎年リレーの選手。陸上記録会には、毎年選手で出ていた。
長距離では、1位。
市の陸上強化選手にも選ばれる。バスケでは、県大会優勝。
六年生の時には、強い私立からスカウトが家まで来た。


この二人に、私は、平等を貫いた。


運動会の前日には、靴は、履き慣れている方が良いので、指定の新しい真っ白な運動着を夜中、二人の枕もとに置いた。


お弁当だけは、とにかく、楽しみにして欲しく、全く好みの違う二人の好きなものを同じくらい、沢山作った。


行事が終わる度に、頑張ったで賞として、同じくらいの予算での購入に、気を付けながら、でそれぞれの好みの物を用意した。


スポーツ行事に、息子にとって何か楽しみになる物があればと考えてだ。


片方は、一番遅く、片方は、一番早い。
二人の結果をあえて、話題から避けていたかもしれない。


これが、不平等だった。