クランクシャフトと燃料系統、その他小部品の製作
クランクシャフトとクランクピンは磨き鋼棒。
真鍮のカウンターウェイトをカラーと鋼棒で串刺しして仮固定。
ハンダ付けはペーストハンダを使用した。
この様に微妙な寸法と位置決めの後にハンダごてを当てたらズレて失敗、なんてよくあること。
ペーストハンダを組み込む際に薄く塗ってはみ出しをアルコールと綿棒で拭き取り、
予めフィレット状にしてアルコールランプやバーナーで加熱するとズレるなくハンダ付けができる優れモノ。
この後に串刺し接合部4か所に穴を開け、補強のロールピンを打ち込んだ。
また、このままではコンロッドとシャフトが当たってしまうので、鋸でカットして仕上げれば完成。
燃料系統はUコンエンジンのベンチュリー/スプレーバーにタンクが直接ぶら下がった様な造り。
ベンチュリーとスプレーバー、給油口などは真鍮棒からの削り出し。
給油のねじ込みキャップのデザインはオリジナリティを出してみた。
ベンチュリーも金管楽器のベルみたいなラッパ型に変更、
こんなスタイルの方がこのエンジンに似合うだろうと。
設計よりも太い棒材が必要なので自前の快削真鍮棒で。
ニードルとスプレーバーはスプリングを内蔵して緩み止め。
スプレーバーは一本の貫通式ではなく、レーシングエンジンみたいな分割式。
シャフトのオイラーとかフライホイールのクランピングブッシュ、その他諸々も製作。
ヘッドは終わっていたものの、カッコ付けたなったので再加工してプラグ座面を沈めた。
傷を付けない様に真鍮板を一巻きして保護。
偏心加工になるので、
四つ爪インデペンデントチャックにプラグを付けたヘッドを把握してセンター出し。
細かいプラグ面の座繰りなんて、自己満足以外の何物でもないだろうね。
いや、ホンの僅かに圧縮比が上がってパワーアップ(?)が図れるかな。
普通のOHVエンジンはプッシュロッドが2本だが、
このエンジンは初期の石油発動機でも見られた1本ロッドのタイプ。
吸気バルブのスプリングは排気バルブよりテンションが弱く、
給気行程での負圧で吸気側が開いて混合気が吸われる仕組み。
低速回転ならではシステムですね。