今回はシリンダーヘッドの製作について
ST60の様な2サイクルエンジンのヘッド製作と違い、
4サイクルエンジンのヘッドは更に複雑。
ST60ヘッドの穴あけ作業は固定ネジ穴とプラグ穴のみだったが、
それらに加えて吸排気のバルブ穴とそれぞれに繋がるポート穴等も必要。
キットのアルミ合金の丸棒より外形を旋盤で削り出す。
次にフライス盤での加工になるが、これは正に腕試しの連続って感じ。
とりあえず難関をクリア。
でも次の作業はそれ以上の難関が待ち受けていた。
それは難切削材のステンレス棒からのバルブ製作。
ヘッドにΦ3.0ストレートリーマーで開けたバルブガイドに入るバルブを削り出す。
ピストン/シリンダーも神経を使ったが、バルブステムは約Φ3.0という細さ。
この細さでバルブガイドに丁度良い太さに仕上げる必要がある。
細すぎると運転中にガタが発生し、特に吸気側は隙間からもエアーが吸われることになるだろう。
ご承知のとおり2サイクルエンジンのシリンダー内は正圧のみだが、4サイクルだと吸気行程では負圧になっている。
そのために実車でもインマニに微細な割れや合わせ目に隙間でもあるとアイドリング不調などのトラブルの原因となる。
硬い材料を太さ3mm近くに細く削るとなると上手くバイトが食いつかず、
2本作るのに結局5本も作るハメになった。
ホント、これには参ってしまい材料をもう少し削りやすい物に替えようかと思ったぐらい。
因みに前回作ったエンジンは入門用でありバルブは真鍮棒からの削り出しであった。
今回製作しているこのエンジンは低速回転専用だが、
Saito、OSなど模型4サイクルエンジンはプロペラをブン回して空を飛ぶほどの高出力。
品質もそれ応じた精度が必要。
自分で作ってみて、改めて模型エンジンメーカーの品質の高さを再認識させられた。
続く。