『神楽坂スパイスボックス』

 図書館で見かけて、スパイスの本かなと借りてきた本が、実は物語でした。

 料理研究家の小林カツ代さんは神楽坂合唱団でコーラスを楽しんでおられました。その名前を発案されたのもカツ代さんだったようです。団員には神楽坂の芸者さんとか、そういうかたはおられなかったそうですけれど、土井たか子さんやコシノジュンコさんなども団員だったそうです。

 タイトルだけでなく、なかなかスパイスのきいた短編が5編 味わえます。

 一つのお店を構えて、訪れてくれるお客さんたちに気配りし、維持し続けることの大変さとそれが報われる喜び・・・人生の味わいも丁寧に描かれているように思いました。

 このシリーズで三作目まで出ているようです。

 「食」という漢字をその構成から「人を良くする」と読むとおっしゃる方がありました。このシリーズでは 食と健康とのつながりも、 この店で出されるメニューや飲み物などを通して さりげなく伝わってくるようにも思えました。

 お料理のヒントなども盛り込まれているように感じました。

『神楽坂スパイスボックス』 長月天音(ながつき あまね) 著

角川春樹事務所 ハルキ文庫 2022年9月8日 第1刷発行

『失恋に効くローズマリー』

2023年4月18日 第1刷発行

『世界をめぐるチキンスープ』

2023年9月18日 第1刷発行

 よろしければ、どうぞ。

 今日も、良い日となりますように!

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