『長田弘 詩ふたつ』
長田弘(おさだ ひろし 著)
グスタフ・クリムト 絵
発行人 落合恵子
発行所 株式会社クレヨンハウス 2010年6月4日 初版
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この本は、高山市に住んでいる 山をこよなく好きな妹に、12年前にプレゼントされました。
ありがとう!!
あとがきに 長田弘さんは こう記しておられます。
『詩ふたつ』は。詩ふたつからなる一冊の詩集です。それは死ふたつ、志ふたつでもある組詩として書かれ、ことばと絵のふたつからなる、一冊の本として作られました。
(中略) 亡くなった人が後に遺してゆくのは、その人の生きられなかった時間であり、その死者の生きられなかった時間を、ここに在るじぶんがこうしていま生きているのだという不思議にありありとした感覚。
『詩ふたつ』に刻みたかったのは、いまここという時間が本質的にもっている向日的な指向性でした。心に近しく親しい人の死が後に残るものの胸の内に遺すのは。いつのときでも生の球根です。喪によって、人が発見するのは絆だからです。
そのことをけっして忘れさせないものとして、いつも目の前に置いて励まされたのは、グスタフ・クリムトの樹木と花々の圧倒的な絵でした。わたしにとってのクリムトは、誰であるよりもまず、樹木と花々の、めぐりくる季節の、死と再生の画家です。
『詩ふたつ』は、できればゆっくりと声に出して読んでください。 (後略)
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発行人の落合恵子さんの 帯の言葉、そしてこの本の中で 特に心ひかれた一節を転載させていただきます。
クレヨンハウスさま、ありがとうございます。
今日も出来るだけ、良い日となりますように!