人の上に立てる人
皆さんにとってどんな人が理想ですか？
頭の中に思い描く人はいますか？
自分はこう言われると
20代の時に出会った部長を思い出します
今日はそんな話を
20代前半
まだまだ学生気分が抜けていない社会人
大手警備会社の現場仕事
今みたいにブラック企業なんて言葉が無い時代
もう朝から晩まで働いて
夜勤や休日出勤当たり前の世界で
ボロボロになって働いていました
そんなある日
仕事の準備で飛び回っていると
いつも嫌味ばかりの上司が俺を呼び止めて
「おい！お前の革靴なんだそりゃ？
そんな汚い靴履いてて何とも思わないのか？」
足元を見るとボロボロの革靴
その靴は会社で支給される靴でして
申請書を日勤の事務員さんまで提出しないと
支給はされない決まりだったのです
でもその頃の自分は家に帰る余裕もないくらい
働き詰めで会社の仮眠室で寝泊まりし
近くのサウナでお風呂に入る様な生活をしてて
靴を気にかけるほどの余裕が
その当時の自分には全くありませんでした
そしてその上司はまた呆れた顔で
「俺はお前がその汚い靴をいつ申請するか
ずっと様子を見てたんだよ 全然言って来ないし
お前はどういうつもりで仕事してるんだ？
恥ずかしくないのか？」
大勢のいる前で自分に怒鳴りました
俺はその頃
とってもとっても若かったので(もう時効🙇♂️)
あー
こいつぶん殴って辞めよって心に決め
その上司との距離を詰めようとした時
「おい！どうした？」
その当時その場所で1番偉い部長が割って入りました
するとその嫌味な上司は
「こいつの革靴が汚くて注意した所です
もう何日も前からボロボロなのに全く申請しないんです」って鬼の首を取ったかの様に
部長に報告しました
その言葉を聞いた部長は静かな口調で
「こいつの靴がボロボロなのをお前は何日も前から知ってたのか？
こいつの勤務状態が申請書を提出出来るくらい
余裕があるのかお前把握してるのか？
何故大変だなって靴のサイズ聞いて代わりに申請するくらいしてやれないんだ？」って
その上司を怒り始めてその場を収めたのでした
えっ？俺じゃなくて
この人の事怒るの？？
その後
俺はその部長に呼び出されて
「お前あの時何しようとした？
お前がやろうとした事は最低だし
もしそれをやったらお前の価値が下がるからな
悔しかったら言われない様に常に完璧でいろ」
って怒られた後
「でも俺はお前嫌いじゃないからな 見返してやれ！」って
ニコって笑うんです
自分が初めて出会ったカッコいい大人
とてもとても大きく見えたのでした
その後自分がその仕事を辞めた後も
何かと気にかけてくれ可愛がって頂きました
家に招待してくれたり
全く関係ない仕事の相談に乗ってくれたり
でもある日
お風呂上がりでそのまま倒れられて帰らぬ人に
悲しかったなぁ
自分には今多くの部下がいます
そしてバンドのバンマス
そして実行委員会の代表など
人を導く側の人になろうとしています
俺はあの人の様になれてるだろうか？と
時々思う事があるのです
人の上に立てるほどの人物
俺にはその資格があるのだろうか？
あの頃の部長の年齢を超えてしまった今の自分
まだまだあの大きな姿は
人に見せられていないよなぁって思うんですよね
自分の理想の上司
そして
カッコいい大人の男に
俺もいつかなれるのかなぁ
まだまだ修行が足りんのですなぁ〜😅