退職引当金 | ノジのブログ

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退職引当金~使用人の退職に備えて資金を蓄える。

 退職とは、長年の給料の後払い精算金の意味をもつとか。


会社にとって確かに社員の退職金は隠れた負債です。退職金規程がある以上、社員が多い会社では、いわゆる団塊の世代が一度に退職すれば、その期の負担が大きくなります。


 会計では、期末現在で従業員が自己都合により退職したと仮定して退職金の要支給額を計算し、退職共済や適格退職年金などから支払われるものを除いて、実際に会社が支払うべき退職金総額を引当金として計上することになっています。


 これは毎期決算で積み増し計上していくことになります。そして退職時にはその社員分を取り崩します。


 中小企業の会計指針では、この計上を求めていますが、毎期、決算で事務的な負担をかけて節税にもならないことに抵抗を感じます。

 会計では、「退職給付引当金」という名称を用いて固定負債に計上します。決算日における会社が払うべき退職金債務の計上は理論的には正しいのですが、これを繰り入れ設定しても税務では一切損金に認められません。


 法人税務では「退職給与引当金」はすでに廃止されている。


 ところが、個人企業では今もこれが健在で青色申告なら、繰り入れて必要経費算入が可能です。退職金要支給額の20%までの設定を認めています(所法54条、所令154条)。


 また、大企業では、内規があれば役員についても「役員退職引当金」を期末要支給額により設定していますが、中小企業ではほとんどないようです。


 会計は、退職給付会計、税効果会計、減損会計と理論が優先しすぎているようで税務の所得と会計の利益との差異がますます大きく、決算が赤字でも多額の税金を払うなど、一般には理解しにくく複雑になっています。
 なお、これらの引当金は相続財産評価で、原則として、純資産価額の算定上の控除すべき負債とは認められません(評基通186)。

*中小企業の会計指針では、退職金規程がない場合でも、支給実績があり合理的に見積り可能の場合には計上を求めています。


 これまで計上していない場合、会社が払うべき要支給額を一括計上すると、財務諸表を大きく悪化させることになり影響が出るので、これまでに会社が負担すべき前期末支給総額(過去勤務債務)を最長10年で均等に分けて毎期引き当て計上することを認めています


 ただし、引き当て不足を注記せよとのことです。そして均等計上額と当期に発生増加した退職金要支給額を加算して引き当てます。

*単純な例、退職金規程のある会社で従業員の自己都合による前期末要支給総額800万円、当期末要支給額900万円、当期より退職債務を認識し、引当金を計上し、前期末までの積立不足を10年で均等償却の場合(簡便法で特則による)


① 800÷10=80 不足の1年分(適用時差異の10分の1)
② 900ー800=100当期発生分  ①+②=180 退職給付引当金繰入


注記、「退職給付引当金は、当期より従業員の退職給付に備えるため、退職金規程に基づく期末要支給額により計上した。なお、未償却の適用時差異残高720万円(残存償却年数9年)である。」