歌舞伎座には
かれこれ20年ほど毎月通っているのですが、
実は一幕見の経験がありませんでした。
観たい芝居が格安で観られる
その魅力はわかっていたのですが、
当日に列に並んでチケットを取る、
というのがハードルが高くって。
ところがです、
松竹の公式ホームページを
何を探すでもなく眺めていたら、
今はこの一幕見席、
上演前日の正午12時から
ネットでチケットが予約できるようになっている!!
(前日12時~各幕開幕10分前まで販売。
約70席。
当日販売の自由席も約20席あり)
さらに調べてみると、
この指定席の前売販売は、2023年6月、
コロナ禍で休止していた一幕見を再開するにあたって導入された
新システムであることが判明。
知らなかった~。
で、知ってしまったからには、そうですよ。
観に行くしかないでしょう!
抑えたチケットはもちろん、
“神”と崇め奉る、
仁左衛門さんと玉三郎さんご出演の演目。
夜の部一幕目の
『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』
でございます。
今月の夜の部は
2日の初日にもたっぷり堪能しましたが、
もう一度、あの舞台を観たい、そして聴きたい!
一幕見席の入り口。
歌舞伎座正面玄関の左手にあります。
扉の向こうに朱塗りのエレベーターが。
これに乗って、一気に一幕見席のある4階へ。
4階に行くと、係の人が。
チケットを予約した際に送られてくるメールの
QRコードを提示して入場します。
ちなみに、ちょっと心配していたトイレですが、
数は少ないものの、ちゃんとありました。
また、飲み物の自販機、コインロッカーもあり、
筋書・オペラグラスの販売、
イヤホンガイドの貸し出しも4階で行っています。
さすが松竹。
さて、今回私が取ったのは
4階席1列14番、
下手よりのお席です。
席から撮った写真がこちら。
画像手前の手すりが、
一幕見席と一般席の境界。
天井が近い!
舞台が遠い!
にざ様&玉様はどれほど小さく見えることだろう、、
と思ったのですが
(まあ、実際小さくて、オペラグラスは必携なのですが)、
舞台全体が一目で見渡せる感覚がなかなか面白い。
舞台全体で起きる化学変化、
こっちの役者の動きにあっちの役者が反応して、
というようなことがとてもよくわかる。
そして、声が思いのほか、聴こえるのですよ!
楽器の音より俳優の声のほうが
ダイレクトに届く感じがするのです。
初日に一度観ているから、
というのもあるでしょうが、
玉三郎さんの台詞回しの面白さや、
仁左衛門さんのワル~いオーラが、
ひとつひとつちゃあんと4階まで届いて、
ああ、観に来てよかった、ホントによかった。
脇を固める面々の芝居も実に息があって面白く、
ピカレスク・コメディを堪能したのでした。
それから、観客の皆さんのマナーが素晴らしくて、
これも居心地がよかったな。
演目や日にもよるのかもしれませんが。
一幕見のお値段は演目によって変わりますが、
今回は1800円
(別途システム利用料として、
チケット1枚につき110円かかります)。
かなりお手頃。
歌舞伎をちょっと観てみたい、という人より、
通向けのお席かなとは思いますが、
この一幕見前売販売、私はこれからも利用しそうです!
観劇後の歌舞伎座。