ヤッホ~!帆足由美です。

 

 

 

今日ご紹介する作品は、

作家・葉真中顕氏の同名小説を映画化した

社会派サスペンスです。

 

 

 

 

 

『ロストケア』

監督:前田哲

出演:松山ケンイチ、長澤まさみ

 

 

 

とある民家で発見された

老人と福祉介護士の死体。

犯人として浮上したのは、

死んだ所長が勤める訪問介護センターの

介護士・斯波宗典。

顧客たちからも仲間からも慕われる

心優しい人物だった。

検事の大友秀美は、

斯波の働く介護センターの老人死亡率が

異常に高いことを突き止める。

真実を明らかにするため

斯波と対峙する大友に、

斯波は驚くべき主張を口にする。

「僕は42人を救いました」

自分がしたことは「殺人」ではなく

「救い」だと言うのである…

 

 

 

ますます進む高齢化社会の問題に

真正面から切り込んでいる作品です。

観ていて、他人事ではないと

胃がキリキリ痛くなりました。

二人の主人公、

斯波と大友の苦しみ、悲しさに

心を揺さぶられました。

そして、斯波の取った行動を、

私は全面的に否、と言えるのか?

自問しました。

観終わったあと、人と、

できれば家族などのごく身近な人と、

話し合いたくなる作品です。

備えよう、と強く強く思いました。

 

 

 

松山ケンイチさん、長澤まさみさんをはじめ、

俳優陣はみな熱演が光ります。

演じていて辛くなるシーンもあったろうなぁ。

その他の出演に、鈴鹿央士さん、

坂井真紀さん、戸田菜穂さん、柄本明さん、

藤田弓子さんなどなど、

適材適所の印象。

色の使い方も印象的。

松山さんは白い衣装、長澤さんが黒の衣装、

人間のなかの2つの本音の暗喩のようでした。

 

 

 

辛い物語を見続けて、

最後に大きな癒しとなったのが、

森山直太朗さんの手掛けた主題歌「さもありなん」

人によって、家庭によって、

さまざまな問題をはらむ介護について、

「さもありなん」。

そうでしょう、当然のことですよ、

と、優しい声で歌いかけるのです。

ちなみに、コーラスは坂本美雨さんで、

彼女の声も効いていました。

 

 

 

ひじょうに重たいテーマですが、

心にいろいろ残してくれる作品です。

『ロストケア』

今日3月24日(金)から公開です。

公式サイトはこちら