ヤッホ~!帆足由美です。

 

 

 

今日ご紹介するのは、

昨日から公開中のこの映画です。

 

 

 

 

 

 

『エンパイア・オブ・ライト』

監督:サム・メンデス

 

 

 

アカデミー賞作品賞を受賞した

『アメリカン・ビューティー』や

『1917 命をかけた伝令』から、

『007/スカイフォール』『007/スペクター』と、

芸術的な作品から超娯楽大作まで、

確かな映画作りを続ける、

サム・メンデス監督の最新作です。

 

 

 

厳しい不況と社会不安に揺れる

1980年代初頭のイギリス。

ヒラリーは、海辺の静かな町マーゲイトの映画館、

エンパイア劇場で働いている。

あるとき、スティーヴンという黒人青年が

ヒラリーの前に現れる。

進学の夢をあきらめて、

映画館で働くことにしたのだ。

過去に辛い思いをし、今も心に闇を抱えるヒラリーは、

前向きに生きるスティーヴンに

心惹かれるようになる。

またスティーヴンもヒラリーの励ましに心を強くし、

二人の仲は急激に接近していくのだが、

やがて、それぞれの身の上に、

予想だにしない事態が降りかかり・・・。

 

 

 

現在公開中の『バビロン』、

3月3日公開の『フェイブルマンズ』もそうなのですが、

この作品も、映画への愛を描いた作品です。

この作品に関して言えば、

映画と映画館への愛、ですね。

同時に、人間への愛、

生きることには辛いこともあるけれど、

きっと良いこともあるという強いメッセージが、

特に終盤に感じられ、観終わった後には

爽やかな風が吹き抜けるような心地になりました。

人は人に支えられて生きているのだなあとも、

あらためて、つくづくと。

 

 

 

映像は、すべてが美しい!

序盤は鬱屈としたイギリスらしい鉛色の空と海、

ヒラリーとスティーヴンが心寄せ合う中盤には

優しい光や日差しがあり、

そして、ラストの緑のきらめきよ!

映像が、風景が実に雄弁なのです!

二人が働くエンパイア劇場のアールデコ調の装飾

過去の栄華を残しつつ、

今は老朽化が進んでいる様子も、

さまざまなものの暗喩に思え、印象的。

また、映画館が舞台なので

劇中には様々な映画が登場するのですが、

これも懐かしい気持ちになりました。

そう、懐かしいといえば音楽も。

1980年代の音楽がふんだんに盛り込まれているので

洋楽好きにもたまらないと思いますよ。

 

 

 

俳優陣もとっても良かった!

ヒラリーを演じるのはオリヴィア・コールマン、

圧倒的な演技力!

とてつもなく振り幅のある人物を、

ごく自然に演じています。

さすがです。

スティーヴン役はマイケル・ウォード。

たたずまいに誠実さが滲み出てとてもよかった!

ヒラリーがこのコに出会えて

ホントに良かったと思いました。

ほかには、嫌な映画館支配人の役で

コリン・ファースが出ていますが、

チャーミングだったのが映画館スタッフの面々。

とくに、トビー・ジョーンズ演じる

映写技師のノーマンとスティーヴンのやり取りには、

監督の深い映画愛が感じられました。

 

 

 

映画と映画館を愛する

全ての人に観てもらいたい、

素敵な作品です。

もちろん、

映画館の大きなスクリーンでご覧あれ。

『エンパイア・オブ・ライト』

現在公開中です。

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