ヤッホ~!帆足由美です。

 

 

 

このところ、

ベイサイド・フリーウェイの

「由美の駅」のコーナーでは

我孫子編をお届けしています。

実はわたくし、

我孫子の地を踏んだのはこれが初めて。

期待以上の素敵な土地で、

なぜ今まで来なかったのだろう、

と思いました。

いや、今更ながらでも

訪問できて良かった!

 

 

 

今回のブログは、

その我孫子での思い出を

文学散歩を中心に綴ります。

ちょっと長くなりますが、

どうぞお付き合いを。

 

 

 

 

 

 

 

JR我孫子駅にて

駅名標をバックに自撮り。

 

 

 

 

 

 

我孫子駅駅舎

 

このなかに、

あの有名な「弥生軒」があります!

もちろん食べてきましたが、

それはまたの機会に。

 

 

 

 

 

 

南口駅前の「飯泉喜雄顕彰碑」

 

「飯泉喜雄氏は

〈鉄道なくして町の発展無し〉

と信じ駅誘致に奔走私財を投じて

駅用地を無償提供し

明治二十九年我孫子駅開設に成功した

さらに我孫子町長

千葉県議会議員をつとめ

地域の発展に尽力した」

とあります。

享年38歳。

 

 

 

 

 

 

「我孫子市ゆかりの文化人」

と題されたパネル

 

中央の写真は、大正6年春、

武者小路実篤邸で撮影されたもの

との説明が。

写っているのは、武者小路実篤、

柳宗悦、志賀直哉の白樺派3人とその家族。

その周りに、嘉納治五郎、杉村楚人冠、

バーナード・リーチなどの写真。

文学散歩のちょっとした予習になります。

 

 

 

番組でもお話ししましたが、

今から100年ほど前、

我孫子の地には白樺派の文人など

文化人が多数移住し、

創作活動を行っていました。

今回の取材は、

彼らの足跡を辿りながら、

大正ロマンの薫りも味わおう、

というのが目的でもありました。

 

 

 

我孫子には

歩いて回るべきスポットが

色々ありますが、

歩き出す前にこちらに寄るのもおすすめ。

 

 

 

 

 

 

我孫子インフォメーションセンター

「アビシルベ」

 

市の情報発信拠点です。

各種ガイドマップが入手できますし、

観光ガイドの紹介も。

手賀沼のゆるキャラ「うなきちさん」グッズや、

お土産の販売もしています。

 

 

 

さて、ガイドマップを入手して、

まず向かったのがこちら。

 

 

 

 

 

 

「手賀沼公園」

 

駅から坂道を下っていくと10分ほどで到着。

手賀沼に面した親水公園です。

広々として気持ちいい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我孫子市の鳥「オオバン」

バンバンいました!

 

 

 

 

 

 

 これは、シラサギかな?

 

 

 

しばしバードウォッチングを楽しんだあと、

いざ、文学散歩に出発!

 

 

 

 

 

 

公園を出て、向かうは

「嘉納治五郎別荘跡」。

「天神坂」という急な石段を上ります。

日頃から足腰を鍛えているつもりですが、

けっこう息が切れました。

 

 

 

 

 

 

上り切ったところに、「三樹荘跡」

 

白樺派の中心人物、

柳宗悦(むねよし)の住居跡です。

柳宗悦は嘉納治五郎の甥。

3本のスタジイがあることから、

嘉納治五郎が三樹荘と命名したのだとか。

また、イギリス人陶芸家バーナード・リーチは

この邸宅内に窯を築きました。

創作の理念は「東と西の結婚」。

ここで、多くの日本人と交流しながら

作陶に勤しんでいたのですね!

昔、すこし焼物に興味が合ったワタクシ、

ちょっと感動しました。

 

 

 

で、そのお向かいが・・・、

 

 

 

 

 

 

「嘉納治五郎別荘跡」の

「天神山緑地」

 

 

 

嘉納治五郎。

講道館柔道の創始者であり、

幻となった1940年の

東京オリンピックの誘致にも成功した

「日本の体育の父」です。

教育者としても知られ、

東京高等師範学校(現筑波大学)校長として、

近代教育の確立に貢献しました。

 

 

 

1911(明治44)年、

手賀沼を望む高台に別荘を設け、

3年後には甥の柳宗悦と兼子夫妻が

隣に移り住み、宗悦は、

友人である白樺派の文人たちを

次々と我孫子に呼び寄せました。

100年前の我孫子の文化的交流は、

嘉納治五郎が始まりだったというわけです!

 

 

 

また、嘉納治五郎は、

おなじく我孫子に居住した

国際派ジャーナリストの杉村楚人冠(そじんかん)や

東京帝国大学教授の村川堅固(けんご)らと

手賀沼保勝会(ほしょうかい)を結成して、

環境保全運動と手賀沼を活かした

町おこしに尽力しました。

間違いなく、

嘉納治五郎は我孫子にとって、

重要な人物だったんですね。

 

 

 

NHK大河ドラマ

『いだてん~東京オリムピック噺~』で

役所広司さんが演じた嘉納治五郎を見て

すごい人だなあと感動していた私でしたが、

さらなる偉大さを知ることができ、

感動しました!

 

 

 

現在、建物などは残っていませんが、

整備された緑地は

気持ちいい空間になっています。

その緑地内に建っているのが・・・、

 

 

 

 

 

 

「嘉納治五郎先生之像」!!

 

生誕160年にあたる2020年4月、

この銅像が建立されました。

実際には1年延期になりましたが、

東京オリンピック・パラリンピック

開催に併せての建立だったんですね。

作者は、「東洋のロダン」とされる

彫刻家の朝倉文夫。

高さ21.4m、台座を含めると約3m。

嘉納治五郎が愛した

手賀沼を眺めるように建っています。

東京都台東区が所有する

石こう原型から作られており、

講道館や筑波大学などにも

同じ型の銅像が現存、

これが7体目ということです。

 

 

 

緑地内にはこんなパネルも。

 

 

 

 

 

 

「我孫子に残された嘉納書額」

 

左側は、

「力必達(つとむればかならずたっす)」

柔道でよく使う言葉で、

最善の努力をすれば必ず望みは叶えられる、

という意味。

右側は

「鏡為人以(ひとをもってかがみとなす)」

自分のことだけでなく、

他の人のことを良く見て判断せよ、

という意味。

 

 

 

嘉納治五郎先生のこと、

もっと知りたくなりました!

 

 

 

さて、嘉納治五郎先生で

すっかり興奮してしまったワタクシでしたが、

文学散歩はまだ序の口です。

天神坂をまた下って

「ハケの道」を少し東に進むと、

こちらへの道しるべが。

 

 

 

 

 

 

「杉村楚人冠邸園」(市指定文化財)

 

ちょっと入り組んだ場所にありましたが、

閑静な住宅街の中に、突然開けた場所が。

杉村楚人冠は、

明治から昭和まで活躍した国際的ジャーナリストで、

昭和20年に亡くなるまで過ごした建物は

今もきちんと残っています。

とても素敵な場所でした!

こちらについては改めて詳しくご紹介しますね。

 

 

 

「ハケの道」をさらに進むとこの建物が。

 

 

 

 

 

 

「白樺文学館」

 

1910(明治43)年に創刊された

同人誌『白樺』。

武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎、

里見 弴といった文人たちは、

自由に個性をのばした理想主義の文学を

この雑誌に発表しました。

ここでは、彼ら白樺派の原稿、書簡、

美術資料などを観ることが出来ます。

志賀直哉の『暗夜行路』の直筆原稿や、

武者小路実篤の『仲よき事は美しき哉』の

かぼちゃとナスの書画も観られるんです!

かなり、感動!!

 

 

 

 

 

 

文学館前にはインパクト大な彫刻作品。

 

 

 

「白樺文学館」の

はす向かいにあるのがこちら。

 

 

 

 

 

 

「志賀直哉邸跡」(市指定文化財)

 

「小説の神様」がかつて住んだ場所です!!

志賀直哉は、柳宗悦の勧めで

大正4(1915)年に我孫子に移住、

大正12(1923)年まで住んでいたそうです。

直哉はここで白樺派の若い芸術家たちと

交流を深めながら創作意欲を高め、

『和解』を発表。

『城の崎にて』『小僧の神様』

『暗夜行路(前編)』などの代表作も

この地で執筆しました。

 

 

 

 

 

 

緑が豊かです。

ベンチも置かれていて、

本をゆっくり広げたくなる、そんな空間。

 

 

 

 

 

 

母屋は残っていないのですが、

志賀直哉直筆の間取図をもとに

原寸大の平面図が復元されています。

コンクリート部分が母屋です。

表面を見てみると、

 

 

 

 

 

 

「六畳」「縁側」などの文字。

へ~、

神さまはこういう空間で暮らしていたのね!

 

 

 

 

 

 

こんな間取りだったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文人たちとのエピソードや白樺派と我孫子、

ここで書かれた小説などの説明板もあり、

我孫子での志賀直哉の様子がよくわかります。

 

 

 

唯一残っている建築物がこちら。

 

 

 

 

 

 

書斎です!

木造平屋、切妻屋根のこの書斎は、

志賀直哉本人が設計に深く関わり、

我孫子の名工・佐藤鷹蔵により

大正10年に建てられました。

この書斎で志賀直哉は

多くの作品を執筆したのです!!

いや~、感動!!

 

 

 

さて、「志賀直哉邸跡」を出て

さらに東へ500mほど行くと、

この看板。

 

 

 

 

 

 

「旧村川別荘」(市指定文化財)

 

西洋古代史学者の村川堅固(けんご)と

息子の堅太郎が住んだ別荘が

この看板の上の土地にあります。

ここも素敵な場所・建物でした。

あらためて詳しくご紹介します。

 

 

 

このように、手賀沼周辺には

文化人たちが実際に住んだ場所が

点在しています。

それを辿るだけでも楽しいのですが、

手賀沼遊歩道などには、

ゆかりの文化人の説明版や石碑、

歌碑などがあり、

それを見ながらそぞろ歩くのも楽しい。

 

 

 

 

 

 

手賀沼遊歩道の「文学の広場」

 

手賀沼公園から遊歩道に入って

すぐのところにあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな説明のタイルが。

 

 

 

 

 

 

私がでかけた11月半ばは工事中、

一部タイルは囲いの中。

 

 

 

 

 

 

斎藤茂吉の歌碑。

 

春の雲かたよりゆきし昼つかた

とほき真菰に雁しづまりぬ

茂吉が昭和8年3月に

我孫子の「柴崎沼」を訪れた際に

詠んだ句。
ちなみに「柴崎沼」は

埋め立てられた土地だそうで、

この場所に建立されたのだとか。
 

 

 

 

 

 

バーナード・リーチ碑。

 

こちらは手賀沼公園近くで遭遇。

足が写り込んでしまった(;^_^A

 

 

 

豊かな自然とともに

文化の薫り、大正ロマンも

たっぷり味わった我孫子文学散歩。

とてもいい時間を過ごすことが出来ました!

歩くコースは、コンパクトにもヘビーにも、

脚力に合わせて調整できます。

お天気のいい日に、

あなたもぜひお出かけくださいね!

 

 

 

最後にこのご当地グルメを紹介します。

 

 

 

 

 

 

「白樺派のカレー」

 

我孫子の町おこしで考案された

ご当地カレーです。

柳宗悦夫人の兼子が

白樺派の文人たちにカレーを振舞っていた、

という記述。

そのカレーを食べたバーナード・リーチが、

「これに味噌を入れたらおいしいだろう」

と言ったという記述を

膨大な資料の中から発見し、

それを基にレシピを考案。

実に6年もの歳月を経て

商品化にこぎつけたのだそうです。

ポイントは、

国産の肉・野菜・味噌を使っていること。

 

 

 

 

 

お話を伺った

「白樺派のカレー普及会」 会長

 小野広和さんと。

面白いお話をありがとうございました!

 

 

 

私が手にしているのが

「白樺派のカレー」専用のランチョンマット。

地元のデザイナーの方が手掛けたものです。

白樺派や「白樺派のカレー」の説明などが

表裏2面に書かれています。

 

 

 

 

 

 

「白樺派のカレー」が食べられるのは、

私がお邪魔した

我孫子市生涯学習センター「アビスタ」内の

「喫茶ぷらっと」。

そして、「Cafe茶豆(ちゃず)」。

「喫茶ぷらっと」前にはこの看板。

ツーショットで写真を撮ればよかった。

 

 

 

さて、肝心のお味ですが、

ひと言でいうと、「懐かしい味」。

ビーフカレーをいただいたのですが、

カレーのルーというより、

スープに近い感じでさらっとした舌触り。

玉ねぎなど野菜の形は全くなく

カレーと混然一体となっています。

その野菜の旨味のせいかマイルドな味で、

後からじわっとスパイスを感じ、

そのまた向こうから味噌の風味を感ます。

どこか懐かしい、ほっとする味。

大正時代にタイムスリップしたような

気分になりました。

 

 

 

 

 

 

「生涯学習センター アビスタ」

 

 

 

「白樺派のカレー」には

レトルトカレーもあります。

ポーク、ビーフ、チキン、

そして川村学園女子大学コラボの

チキンの4種類。

 

 

 

私はこの2種類を買って帰りました。

 

 

 

 

 

 

「白樺派のカレー」チキン・中辛

540円(税込)

 

 

 

 

 

 

お店で食べたカレーと比べると、

さらりとした舌触りは一緒ですが、

よりスパイシー。

これ、好みです!

 

 

 

 

 

 

「白樺派のカレー」

川村学園女子大学バージョン・チキン

540円(税込)

 

栄養士の卵の

地元女子大生が商品開発。

チキンカレーに隠し味の

トマトジャムを入れています。

 

 

 

 

 

 

普通のチキンより

少しとろみがあるでしょうか。

野菜の存在感もすごい。

そして、酸味と甘みも感じました。

 

 

 

レトルトカレーは

通販サイト「まんじゃーも!」や

地元スーパーなどで手に入ります。

私は、我孫子インフォメーションセンター

「アビシルベ」で購入。

 

 

 

我孫子散歩の途中に、締めに、お土産に。

あなたも、ぜひ。