ヤッホ~!帆足由美です。

 

 

 

先週のことになりますが、

新橋演舞場でこれを観てきました!

 

 

 

 

 

 

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)

『新版 オグリ』

 

 

演舞場前に飾ってあるポスター、

上の方が日陰になってしまった・・・(;^_^A

 

 

 

市川猿之助さんによる

スーパー歌舞伎Ⅱの第3弾です!

スーパー歌舞伎とは、

三代目市川猿之助(現・猿翁)さんが創り出した

新作歌舞伎のシリーズです。

スーパー歌舞伎『オグリ』は、

平成3(1991)年に新橋演舞場で初演。

古典歌舞伎としても馴染み深い小栗判官の物語を、

梅原猛さんの脚本により

新しい視点で描いたこのお芝居は、

大人気となりました。

残念ながら、私は観ていないのですが。

今回は“新版”と謳っているように、

まったく新しい『オグリ』になっています。

脚本はスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の横内謙介さん、

演出は当代市川猿之助さんと杉原邦生さん。

猿翁さんはスーパーバイザーとして参加しています。

今回は、主人公のオグリと遊行上人の二役が、

市川猿之助さんと中村隼人さんのWキャストですが、

私は猿之助さんのオグリ、隼人さんの遊行上人の

バージョンを観てきました。

 

 

 

武芸学問に通じた美貌の若者・藤原正清、

後の小栗判官=オグリ

(市川猿之助・中村隼人交互出演)は、

世の中のしがらみに縛られることを嫌い、

心のままに生きることを望む若者たち、

小栗六人衆(市村竹松、市川男寅、市川笑也、

中村福之助、市川猿弥、中村玉太郎)とともに

自ら、を「小栗党」と称していた。

 

ある日小栗党は、

横山修理(市川男女蔵)の娘の

照手姫(坂東新悟)を輿入れ行列から奪い取る。

小栗党の一人である五郎(猿弥)の

照手姫への片思いに端を発したことだったが、

オグリと照手姫は強く惹かれ合い、

夫婦となることを誓う。
しかし、修理は二人の仲を許さず、

オグリたちは殺され、

照手姫は川に流されてしまう。

 

死後の世界で

閻魔大王(浅野和之)に謁見したオグリは、

地獄も極楽も信じないと豪語、

怒りに触れてしまう。

小栗党と地獄軍は激しい戦いを繰り広げ、

オグリは顔も手足も重い病に侵された

餓鬼病の姿で娑婆に送り返される。

 

一方、照手姫は一命をとりとめ、

転々としながらも懸命に日々を生き、

今は美濃国の女郎屋の

下働きとして働いている。

そこにやってきたのが、

遊行上人(市川猿之助・中村隼人交互出演)の導きで、

善意の人が曳く土車に乗ったオグリ。

そうとは知らない照手姫は、

店の前に打ち捨てられた餓鬼病の土車を

オグリや小栗党の面々の供養として

引きたいと思い、熊野を目指すことにする。

目がほとんど見えなくなっていたオグリだったが、

話をするうちに女が照手姫であることに気付く。

しかし、名乗ることができず、

二人はふたたび別れることになり・・・。

 

 

 

劇場に入ると、

いつもの演舞場と違う様子に驚きます。

舞台には定式幕はなく、

代わりに全面が鏡なのです!

その鏡に客席が映し出され、

別世界に入り込んだかのよう。

お芝居に期待が高まります。

そして、その鏡の前には

豪華な衣裳を着せた2体のマネキン。

 

 

 

 

 

 

後から知ったことですが、

これは初演時の

小栗判官と照手姫の衣裳なんだそう。

もっとしっかり観ておくべきだった~!

この衣裳も豪華ですが、今回の衣裳は

ストリートファッションを取り入れたデザインで、

これまた豪華で個性的!

キラッキラしています。

 

 

 

この鏡、劇中でもとても効果的に用いられます。

舞台自体は非常にシンプルなのですが、

鏡のエンドレスな奥行きが

不思議の世界を生み出して実に面白い!

客席に座る私たちの姿も映りこむため、

自分たちも物語の世界に入り込んだ気分。

 

 

 

そしてこのお芝居、

他にも派手な仕掛けが随所にあります。

大きなLEDパネルあり、

プロジェクションマッピングあり、

桜は舞うわ、薔薇は散るわ、

鋼の暴れ馬は本物かという動きを見せるし、

これでもか!という量の本水を使った立ち廻りもあるし、

クライマックスには、新橋演舞場史上初の試みという

馬にまたがる左右同時の両宙乗り!

左には猿之助さんのオグリ、

右には隼人さんの遊行上人、

どっちを観たらいいのかわからない~。

そして、最後の歓喜の舞の場面では、

観客たちのスーパーリストバンド

(劇場内で流れているCMが滅茶苦茶面白い!)

があちらこちらで光り、

劇場全体が歓喜の光に包まれて幕、

となったのでした。

スーパーリストバンド、買えばよかった・・・

こういうお芝居は、

思い切り楽しんじゃったほうが吉ですな!

 

 

 

 

 

 

客席に散った桜と薔薇の花びら。

お掃除、たいへんですな~。

 

 

 

演出はスペクタクル満載、

ストーリー展開はスピーディー、

コメディ要素がたっぷりですが、

とても深いテーマが流れています。

そのひとつが、

「人は幸せになるために生まれてくる」

そして、今回の“新版”で掲げられた

もうひとつのテーマが、「歓喜」

よろこびこそが人生である、と。

どちらも、とてもシンプルでわかりやすい、

しかし心を打つテーマです。

このテーマが繰り返し劇中で語られますが、

オグリも照手姫も

どんどん苦境に陥る中でのこのテーマ、

心の奥にじんじん沁みてくるのです。

自分の今にふと思いを馳せ、

泣きそうになる瞬間がありました。

 

 

 

猿之助さんのオグリは存在感たっぷり。

登場するだけで目を引き付けます。

強いエネルギーを放ちます。

隼人さんの遊行上人は気品があります。

すらりと美しい姿かたちは、

いかにも徳を積んだお坊様。

新悟さんの照手姫は、

とにかく健気で、美しかった。

姿だけでなく、心根の美しさがにじむのです。

どれほどつらい目に遭おうが前を向いて生きる姿に、

私も頑張らねばと本気で思わされました。

 

 

 

小栗党の面々は

それぞれの個性を発揮して素敵でしたが、

笑也さんの憂いを秘めた三郎、

猿弥さんの豪胆で滑稽味のある五郎はやはりさすが。

ほかに印象的だったのは、

竹松さんのしっかり者の一郎、

福之助さんの四郎の立ち廻りも豪快でカッコよかった。

 

 

 

歌舞伎俳優以外で印象に残ったのは、

やはり閻魔大王の浅野和之さん!

とにかく可笑しい!

間の使い方が、すごい!

閻魔夫人の笑三郎さんとのコンビネーションも

とってもよかった~。

役者さん同士の演技から生まれる化学変化も

たっぷり味わえるお芝居なのでした。

市川猿くん演じる金坊もよかったな~。

今後が楽しみです!

 

 

 

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)

『新版 オグリ』

11月25日(月)千穐楽です。

 

 

 

今回の幕間。

 

 

 

 

 

 

スーパー歌舞伎Ⅱオグリ×新世界グリル梵

ビーフヘレカツサンド×オグリ・エビコロッケサンド

1000円。

監修は中村隼人さんです!

 

 

 

 

 

 

 

このお肉の厚さ!

コロッケは粒々コーン入り。

美味でした!!

 

 

 

下に敷いた手拭は

沢瀉屋の家紋の三つ猿紋を散らした文様、

「三つ猿紋ちらし」です。