残り5周を切っただろうか、松井孝允の25号車は、4号車「グッドスマイル初音ミクAMG」をついに射程にとらえた。そして、コーナーワークを利して一気に抜き去る。3位、表彰台圏内に浮上だ。ピットの中が沸き返る!

 ・・・去る722日、23日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された2017スーパーGT Rd.4 300㎞レースを、チーム関係者とご一緒して観戦する機会があった。

 自動車大国の日本ではあるが、自動車レースといっても、スポーツ新聞でさえあまりとりあげることがない。

 しかし、この人里離れた(村田町のみなさまゴメンナサイ!)サーキットに、まさに老若男女、見たところ1万人を超えるファンが集まり、轟音こだまするレースを堪能していた。これは明らかにひとつの文化、「ワールド」ではなかろうか。そう、ほとんどの人には知られてないが、知る人ぞ知る、知ってる人には楽しみが止まらない・・・そういうマニアックな「ワールド」。私はそういうものにたまらない魅力を感じる。

 といっても、男ってのは、たいがい子供のころから、自動車とか電車とか飛行機とか、動くものをカッコイイと思って育つもの。その極致がレーシング・カーであり、今は死語と思うが、かつてのスーパー・カーであった。

 凱旋した松井選手を、ピットのみんなが拍手で出迎える。

 この松井選手、私はたしか一昨年だったか、レースにお邪魔した時にもあいさつさせていただき、握手を交わしたのだが、そのころはまだ「レーサーってのはかっこいいな。」くらいの印象しかなかった。しかし、実績を上げるにつれて、そのシャープな表情には今やなにか自信がみなぎっているようであり、貫録さえ感じさせる。実に頼もしい男だ。同僚の山下健太選手とともに、いま、この25号車を総合ランキング・トップに導いているのだ。

 さて、サーキットには、レースや自動車じゃなくて、「レースクイーン」を目当てにはるばる東京や大阪から、ここ宮城県に駆けつけてる熱心なマニアもいるのだ。

 パドックやイベント会場では、色とりどり華やかなコスチュームに身を包んだ脚のなが~い美女たちがそこかしこを行き交い、そんな彼女らを熱心なファンが――私に言わせれば「執拗に」追っかけている。ある種ストーカーみたいに。

 しかし、彼女らも、そういったひとりひとりのファンをすごく大切にしているように見える!

 そう、これもひとつの文化と言えないだろうか。

 自動車レースは、ドライバーやメカニックがテクニックを競う、まぎれもないスポーツ競技、チームとチームの総合力、そして伝統のぶつかり合いであって、そういうスタッフの真剣勝負の土俵に、チャラチャラした美女たちがまぎれこむなんてもってのほか!・・・こんな意見もあろう。

 彼我の違いを思わざるを得ないのはあの佐藤琢磨選手が優勝したインディ500だ。

 さっき、日本ではスポーツ新聞も自動車レースを扱わない・・・と書いたが、さすがだ、世界三大レースを日本人が制したとなると、スポーツ新聞どころか、あの朝日新聞さえ一面トップ記事となり、NHKでも特集番組を組む。

 その特集番組で見たのだが、インディアナポリス・モーター・スピードウェイにはレースクイーンの姿なんて全然なかった。むくつけきオッサンが、レーサーに日傘をさしかけている光景をカメラがとらえていた! まさに真剣勝負の世界に女なんていらねぇ・・・ってわけか(※ コンビニエンス法律事務所は、社会のあらゆる性差別に反対し、法律家の立場からその解消に真摯に取り組んでいます。)。

 しかし、私はそんな風には思わない。レースクイーン、大好きだ!

スポーツであると同時に、いろいろな楽しみが散りばめられている。アミューズメントの場をそんな風に確立してるのが、日本のサーキット文化なのだろう。

・・・とかなんとか言いながら、ちゃっかりレースクィーンのお嬢さんに無理をいい、記念撮影をおねだりしてしまう三流弁護士を、私はどうしても許せない、という読者も少なくなかろう。ごもっともである。

いずれにせよ、楽しい2日間であった。