さて、ここのホテルの特色は、最上階に大浴場があるところだ。
それがまた、いい。やはり旅の疲れをゆっくり癒すに、大きな風呂でゆったり手足を伸ばすにしくはない。
ここは温泉ではない。しかし、半分露天式の風呂まであり、興趣に富む。
その半露天風呂は、一角から浴槽を照らすライトが周期的に色彩を変化させながら、水面から、澄んだ湯の底までを満遍なく照らし透すのがロマンチックだ。光の七変化で、浴槽は、あるときは青、あるときは深い緑、さらには群青、淡いピンク…。あるときは夜のプール、あるときはシンガポール・スリング、あるときはまるで宮古島の海のよう。
光に染まったお湯につかっているとまるで自分が人魚になったような気分になる! ただ、夜気はさえざえとしている。ここは札幌なのだ。
午後9時の浴場では、ここ札幌の繁華街まで来てススキノに繰り出すこともしない出張客が黙々とからだを洗っている。実に健全な光景である。
風呂を出て、サロンのソファで一休み。窓の外には大通公園のライトアップされたテレビ塔が迫る。
あったかい部屋に戻って、翌日の準備を多少こなし、その後は、いつになく早く床についた。そしてあっという間に深い眠りに陥った。
また来ようという気にさせる「ザ・ホテル・クロス北のオーロラ」である。(つづく)