別に、金を返せ・・・とか、落とし前をつけろ・・・とか言うつもりはさらさらなかった。

 ただ私は「大変失礼しました。」とか「間違っていました。」・・・そのひとことが欲しかっただけなのである。

 それがこの「そうですか。」のひとこと。さすがに返す言葉もなくなり、いや、それどころか一切の気力も消えうせ、私は黙ってRを後にするしかなかった。

L社長なら、「お前ら客をなんと思っているんだ!」とわめき散らし、あるいは、そこら辺のコップに入った水や、束になっている割り箸を手当たり次第に投げ散らかしたことだろう。あるいは、これまた私の顧客であるH女史なら、讃岐うどん店「R」を訴えてください・・・と私に電話してきたかもしれない。その場合、私はまず保健所に弁護士照会をかけて「R」の経営者がどこのだれなのか調査しなければならなかったかもしれないのである。

しかもH女史は、こうも付け加えたに違いない。「訴えた場合、弁護士費用は相手からとれますか。」と。

これに対し、私はきっとこう答えただろう。「弁護士費用は原則として相手からは取れません。以前にもご説明したとおりですよ。」と。本当は、「あなた、そんなに弁護士にお金払うのいやなんですか。そんな思いまでして私に依頼してくれなくてもいいんですよ!」と言いたいのを我慢して。

 ・・・それはともかく、「R」では、おそらく「帆立の串揚げ」の札と「ウズラ玉子の串揚げ」の札が単に逆になっていただけだろう。山芋と白身魚もそう。

 ということは、「ここに『帆立の串揚げ』と書いてあるのは本当に帆立の串揚げですか? まさかウズラの玉子じゃないでしょうね。」ときちんと確かめなかった私が悪いのだ、きっと。

 だが、もっと正直に言おう。あのウズラ玉子の串揚げと白身魚の天ぷらを、私は今、もう一度食べたいと思っているのである!

このブログの読者の皆様にもぜひお勧めしたい。

 ただし、ウズラ玉子の串揚げは帆立貝の串揚げのところに、白身魚の天ぷらは山芋天ぷらのところにあるので、くれぐれもお間違いのないようご注意ください!