どこからが夢だったのか、いまだによくわからない。

 倖田来未に似ている女性は言った。

 「私たちは今、警察に追われているのです。あなたは、浴衣を着てらっしゃるから、ここのホテルの宿泊客の方ですね。しかも、浴衣に着けているそのバッジは弁護士バッジですね。あなたは弁護士ですか。」

 「そうです。」私は答えた。

 すると、彼女らふたりは口をそろえて、「お願いです。今夜、私たちをあなたの部屋に泊まらせてください。」

 そう言って、私の両側から私を挟み込むように身を寄せてきたのだった。

 私は、どう答えていいかわからず、しかし、彼女らのチャンチャンコみたいな衣裳からのぞく胸の谷間に目を奪われ、なりゆき上、引き受けるしかないのではないか、私はこれまでもたいがいのことは頼まれれば引き受けてきたのだ、彼女らがチャンチャンコを着ているからって引き受けないのはかえって不自然だ…。そういう言い訳に傾いていった。

 「いずれにせよ、ちょっとゆっくり事情をお聞きしなければ…」

 私がそう言うが早いか、彼女らは両脇から私を挟み込むように引っ張り上げ、私にピタッとカラダを密着させ、私を拉致するような感じでエレベーター・ホールの方に導いた。両肘をふかふかした感触が刺激した。

 と、そのとき、ガクッと膝が折れるような感じがして、私は目が覚めた。

 いい歳して昨夜徹夜していたからだろうか、いつの間にかロビーのソファで寝こんでしまったらしいのだ。両肘のところでクッションが崩れている。

 いつの間にか、ホテルのロビーは暗くなっていた。もちろん人の気配などない。

 部屋に戻って早く寝よう、明日の仕事に備えて。

・・・そう、ここからまじめな話なのだが、その明日の仕事で私は世紀の大発見をしたのであった。(つづく)

 

 私は、台風14号が接近する中、金土と、那覇経由で宮古島に出張した。木曜の段階では、明日は飛行機が飛ばないのではないか・・・と心配したが、なんてことない。往復とも、飛行機はまったく問題なく飛んでくれた。

 ・・・これは本心なのだが、今、しみじみと、やはり私の日頃の行いがいいからではないかと思うのだ。少なくとも悪いことはしない。ドジでデブでブサイクだが、それだけは私の取り柄なのである。

(内心、欠航すれば、仕事を休めるな・・・という淡い期待がなかったといったらウソになるが。)