結局、7月中旬から9月初旬まで、大学生なみに夏休みを取っていたため、さすがに仕事の勘がうすれてしまった。
久しぶりの仕事は宮古島への出張だった。
炎天下、30キロの荷物をひきずりながら、沖縄法務局宮古島出張所から那覇地方裁判所平良支部まで歩いたら、途中で息絶え絶えになり、最後はプールから上がってきたかのように汗ビッショリになってしまった。距離にしてたった1キロちょっとであるのに。
それでも食欲は失わず、市内の食堂に入った。
お客はだれもおらず、来てはいけないかのような雰囲気がそこにはあった。
初めての店である。
そこで私は「ポーク玉子定食」を注文したが、ずいぶん長いこと待たされた。
ほかのお客は誰もいないというのに、ポークランチョンミートをスライスしたものと玉子をただ焼くだけのこの料理にどうしてこんなに時間がかかるのだろうか・・・と思っていたところに、太ったウェイトレスがようやくお皿を運んできた。
ところが、これが実に冷めている。いっしょについてきた味噌汁もかなりぬるかった。
私は不思議だった。
…で、あとで地元のお客さんに会ったときこの話しをしたら、そのお客が「それはきっと作ったのを先生のところに運ぶのを忘れてたんですよ。」と言った。
私は、なんて頭のいい人なんだろうこの人は、と思った。
いずれにせよ、ひと泳ぎすることもなく、私は宮古島からさっき東京に帰ってきた。
