あいかわらず暇で暇でどうしようもない私は、今度は南国沖縄に旅した。

そう。私が那覇に来るといつも泊まるのが、このホテル「はいさい那覇サザン・タワー」である。

 タワーといってもたかだか6階建なのだが、ここのいいところは、まず、交通の便である。

 空港から最寄りの駅まで夜のモノレールに乗れば、駅から、生暖かく湿り気を含んだ南風に吹かれながら「ああ、ここは沖縄だな。」と南国情緒を満喫しつつ歩くことわずか15分である。たったこれだけで十分汗びっしょりになることができる。

 フロントでチェックインをすると、最新式のカード・キーをくれる。これで客室のドアを開けるのだが、磁気が薄れているのだろう、一発でなかなか開けることができない仕組みになっているところがいい。なぜなら、そうやってしばしドアの前で立ち往生している間に、はしゃぎながら廊下を行きかう修学旅行の女子高生を観察することができるからだ。

 さて、部屋は十分に狭いが天井は非常に高い。荷物を置くと居場所がないからベッドに寝転がっているしかないが、そうやって天井を見上げているとあんまり部屋の狭さを感じずにすむ。一種のトリックなのだ。

 小さなテレビはいまだにアナログ放送しか映らず、日頃地デジ化なるものがいかに無駄・無用であるかを訴えている私の志向と合致する。

 さて、このホテルのもうひとついいところは、シャワーがあるだけで風呂(浴槽)がないことだ。そのため、旅の疲れから浴槽でうっかり寝てしまい溺死するという危険がない。きわめて安全なホテルだ。

 一般には、せっかく沖縄まで来たのなら…と、オーシャン・ビューの部屋に泊まりたがる人も多いが、この部屋からの眺望も捨てたものではない。

 だいいち間近のパチンコ屋のネオンがきれいだし、その先には新装なった旧奥武山球場、現「沖縄セルラー・スタジアム」を望むことができる。この日は、沖縄で35年ぶりのプロ野球公式戦「横浜×ヤクルト」が開催されていて、ナイター照明が煌々と輝いていた。

 空調についていえば、温度調節ボタンは単なる飾りのようで、冷房は効かないか効きすぎるかのどちらかでしかない。私は、断固、効きすぎる方を選び、固い毛布にくるまって那覇の夜を過ごす。

 すると、窓から差し込む直射日光で翌朝目覚めれば、なぜか全身汗ビッショリになっており、毛布はおろか浴衣まで脱ぎ捨てている自分の醜さに気づく。夜中、だれか親切なスタッフが私の部屋に入ってきて、冷房を止めてくれたらしいのだ。

 シャワーで汗を流して、朝食会場へ。

 ここの名物は、熱々に蒸しあげた冷凍しゅうまいと、みな同じ勾玉形をしたチキン・ナゲットだ。もちろんご飯とみそ汁はおかわり自由である。「自由」という言葉はなんとも響きがよい。「おかわり自由」と言う方が、「おかわりは10杯まで」などと言うより、一段と説得力に富む。

 私は大満足で、ベトベトしたテーブルを後にする。

 このホテル。1泊朝食付き3,750円とはかなりリーズナブルではなかろうか。

 私にとってここは沖縄の隠れ家と言ってもよいところだ。

 さて、この後私は那覇で一仕事終え、昼過ぎの飛行機に乗るため那覇空港に向かった。

 ちょうど昼食を取るのにちょうどいいくらいに時間が余ったので、食事を取ることにする(もうちょっとこのブログにお付き合い願いたい。)。

 おかわり自由の朝食を食べた上に、昼飯まで食べようというのだから、私もまだ捨てたものではない。

 ところで、ここで私は那覇空港で昼食を取ろうというすべての皆様に、この店のアレを勧めたいのである。

 この店とは、ターミナルの3階にある売店。アレとは、その売店で売っている各種の弁当である。

 いったいぜんたい空港と名のつくところで、315円でこれだけの弁当を食わせる店が、他府県にもあるのだろうか。


弁護士市川尚のコンビニエンスな日々-弁当

 この日私が買ったのは、★写真にあるとおり、文字通り「那覇空港弁当」というもので、ゴーヤチャンプルーやクーブイリチーといった郷土料理もふんだんに盛り込まれた豪華な弁当である。くどいようだが、これで315円なのだ。

 これを空港内の待合所で飛行機の発着を眺めながら食べる。決して恥ずかしいことではない。

 ところで、★写真を見て目ざとい人は賞味期限が71日になっているのに気付いたかもしれないが、実はこの記事は71日に空港で飛行機を待っている間に書いたのを、なかなかブログにアップできずにいたものである。賞味期限が1か月近く経過している弁当をみなさまにお勧めしているわけではないのでご安心いただきたい。

 空港内のレストランを否定するつもりは毛頭ない。ただ、那覇空港でお昼を食べようという方は、たまにはこういう弁当にチャレンジするのも悪くなかろう。

 自信をもってお勧めしたい、まさに「安くておいしい」弁当である。