今年の梅雨は、じつに梅雨らしい梅雨といえないだろうか。
いつも雨が降っている。
ときどき晴れ間がのぞいたと思っても長続きしない。
今、午前4時。やはり降っている。雨でボーっとした空は消え残る都会の灯火を含み、なんとなくモヤーッと明るい。雨どいがプチプチ言っている。ベランダ側の窓をあけても雨は入ってこない。ちょっとひんやりした空気が、じっとりと流れてこんでくる。
私は雨はあまり好きではないが、雨の日に、地下道とか、アーケードとか、雨がかからないところを濡れずに歩くのはわりと好きだ。
私の住んでいる団地のあたりは、いくつもの団地を結んで、地階部分が駐車場や通路になっている。
その通路にようやく飛び込んで、傘を閉じ、団地の地階入り口まで、しめったコンクリートのにおいを嗅ぎながらしばらく歩く。なんとなくホッとするひとときだ。
雨が降り始めたときに一瞬だけ立ちのぼる、あれは土ぼこりの匂いだろうか、なんともいえないあの香りも私は好きだ。