中部方面音楽隊/ユーレイズミーアップ


第14話……

「ワハハハハハハぁ~ッ!違うって!~みどりの家~【児童養護施設】で一緒に暮らしてたコだよ……」
「あ~…………広彦くん……悲しいコトがあったンだよね…」
ボォボボォボボボォボボォボボォボ~!2人は黙り、走るオートバイのエンジンの音が響いていた……。
「………でもさ~!……好きな女のコ……いたでしょ!」
「んん~!えェ~と~!」
「悔しい~!アタシという女のコがいながら~!」
「えェ~ッ?今会ったばかりなのに~るみちゃん積極的~!ワハハハハハハハハハハ~!」
「あ~!笑ったな~!噛んでやる!ハァグッ!」
「痛い!痛い!痛い!痛い痛い~!」
ワハハハハハハハハハハハハハハハ~!
キャハハハハハハハハハハハハぁ~ッ!笑う2人はとことん楽しそうな2人だ!
「フフフ……!」ミラーを見ながら含み笑いの広彦だ……。
「何?……何ンか笑ってる!何~ッ?」と『問いただし』に入ったるみだ!
「イヤ~るみちゃんのオレを見る目ェ~こぉンな【寄り目】で笑える~♪ワハハハハハハハぁ~ッ!」とるみの【寄り目】を真似してウケている広彦だ!
「え~ッ?普通じゃン!」
「イヤ~!こぉンなン【寄り目】なってるよ~!ワハハハハハハぁ~ッ!クレージーラブてかなぁ~?ワハハハハハぁ~ッ!」とミラーにるみの【寄り目】を真似して見せた。
(「女のコは好きな男の前ではそうなるのが【普通】てコト!そうして見せて『好き!』を伝えてるのに!ムカついた!」)とるみは【抗議】に出た!
「ハァグッ!」と叫び広彦の背中に噛みついた!
「ウワッ!痛ェ~ッ!」
「謝れェ~ッ!」
「何故ンで~?」
「好きな男の前では女のコが普通にする事をからかったカラ~!謝れェ~ッ!」
「え?……今……何ンて言った?……会ったばかりなのに『好きな』て……」
「ハッ?やだぁ~ッ!アタシったらぁ~ッ!」
「会ったばかりなのに……るみちゃん積極的ィ~!ヒゅゥ~!」
「やだぁ~ッ!もぉゥ~ッ!ハァグッ!」と広彦の背中に噛みつくるみだ!
「ウワッ!痛ェ~ッ!」
「ハァグッ!ハァグッ!ハァグッ!謝れェ~ッ!」とるみは広彦の背中に噛みつき連発だ!
「痛い痛い痛い~!ワハハハハハハぁ~ッ!止めてぇ~!わかった!わかった!ゴメンなさい~ッ!ワハハハハハハぁ~ッ」とまンざらでない楽しそうな広彦だ!
「『会ったばかりなのに』じゃないよ~アタシ……あの時……広彦に救われたンだよ……」
「何ンのコト?」
「あの⚪⚪てヤツ……隙あらば臭い息吐き掛けて近付いてきてアタシの身体に触ってきて……資料室に呼ばれて無理矢理キスしてきたの!……気持ち悪かった……学校~休ンだコトもあったンだ」
「…………」と黙って話を聞く広彦だ……。
「親にも学校にも言ったけど⚪⚪のヤツ『私がそんなコトするわけないでショッ!』て……『ズル休みする私の作り話』て……⚪⚪のヤツ何のペナルティもないンだよ……」
「……………………」
ボォボボォボボォボボボボォボボォボ~ッ!と低速排気音になるCB400Fだ……。
「他の女子達も薄々わかってたんだけど……『内申書に響く』……て何も言えず⚪⚪のヤツ……せせら笑ってて……」
「…………だから…………その~……」
「ブッ飛ばして懲らしめてくれた広彦は私のヒーローなの!……好き!……広彦が好き!……だから私に『好きだよ!』言って!」
「すごく強引なるみちゃん!ワハハハハハハハハハ~!でも嬉しいよ…………ていうか…………んんん?………るみちゃん!……あの時…………」

 広彦は思い出していた……。街で凶悪な事件があり、警察から疑いを掛けられて呼び出され、取調室で刑事に腹を蹴られて『濡れ衣』を被せられそうになった!が、広彦には『事件発生時アリバイ』があった!
 皮肉にも『アリバイ』を証明したのは『濡れ衣』を被せようとした警察であった!喧嘩で補導されて取調室で事情聴取していたのであった!が、警察は、呼び出したコトに対して謝らなかったどころか『チェッ!喧嘩で取り調べなきゃ良かった!』と舌打ちして捨てゼリフで広彦を放免したのであった……!
 放課中の下駄箱場でのコトだった……。あまりの警察の理不尽さにむしゃくしゃしてた時に、馬鹿にして見下ろす様にニヤニヤ笑って立っていた教師⚪⚪……。
「何ィ~ニヤニヤ笑ってやがンだぁ~コラ~!」と広彦が言うと……。
「『気のせい』だよ~!」とヌカした⚪⚪……。
「チッ!……」と舌打ちして去ろうとする広彦の耳に⚪⚪の囁き声が聞こえてきた!
『ソノママ……刑務所ニ……ブチコマレレバヨカッタノニ……』と……。
「何コラぁ~ッ!」の怒号と共に振り返り⚪⚪の顔にパンチをブチ込んだのだった………。前歯2本へし折ってやった広彦であった!
「アガガガぁ~ッ!」と血だらけの口を押さえて床に転がりのたうち回る⚪⚪……。騒ぎ声を聞きつけて生徒達の人集りが出来て……。

ボォボボォボボォォボボォボボォボ~!と排気音が響く中……広彦は自分を好意的な目で胸に手当てて見ていたるみを思いだした!
「ハッ?いた!……むしゃくしゃしてたオレに……キラキラ輝く瞳で……オレのコトを見つめていたっけ!……るみちゃんだ!……オレ……あン時~すごく辛かったけど……救われたンだ……そ~か~あの時の~!……そ~か~!」
「広彦~!アタシ達~!似た者同士ねェ~ッ!」と【強引な共通点】に喜び叫び背中を抱きしめる力を強めるるみだ!
「おォ~い!るみちゃ~ん!」
「やだぁ~ッ!【るみ】って呼んで!」
「えェ~ッ?」
「ハァグッ!」噛みつくるみだ!
「痛ェ~ッ!わかったよ!……るみ!」
「広彦~!」
「ワハハハハハハぁ~ッ」
ボォボボォボボォボボォボボォボ~ッ!と排気音を鳴らし国道を走る2人を乗せたCB400F……。やがて国道の右側に、何やら深緑色の作業服に深緑色のヘルメットを被り黒い棒を持ち立つ門衛……という光景が正門という場所の前を通った。広彦はるみに言った……。

「自衛隊だね…」
「広彦も自衛隊入れば~?」
「えェ~ッ。イヤだよ~!自衛隊なンか~!辛そうじゃン~!ワハハハハ~!」
「えェ~ッ?広彦だったら似合いそうじゃン!キャハハハハハハハ~!」
やがて駐屯地敷地内の【80m降下塔】【11m降下塔】が見えてきた……。



「何ンだか落下傘で訓練してるよね……面白そうじゃん!」
「……ふ~ん……自衛隊かぁ~……」走りながら【ひがし野駐屯地】を見る2人だ……。やがてフェンスの右側に広大な林が見えてきた……ひがし野駐屯地演習場だ……。
 やがて駐屯地を過ぎると国道の交通量が空いてきた……。【『駐屯地どンな?』見物渋滞】を抜けたのだ……。しばらく何ンの変哲のない田畑や林、が続き奇妙な建物が見えてきた……。るみが言った……。
「あの中て……どうなってるんだろう……?」
「えェ~ッ?」
「いいよ……初めては広彦とがいい!」
「えェ~ッ?何ンて?……あそこは……痛ェ~ッ!」とるみに噛まれ悲鳴を上げる広彦だ!
「……行こ!……」
「…………」
ボォボボォボォボボォボボォボ~!と排気音を鳴らし国道から脇道にそれる広彦とるみを乗せたCB400Fだ!脇道の先には西洋のお城の飾りの着いた建物だ!るみの恋は積極的だ!
【お城の様な建物】……に入って行くCB400Fだ……。

その週の火曜日1930(ヒトナナサンマル)
 コンビニで置き去りにされてから敬太は買ったばかりの中古原付バイクに乗り、1人で行動するようになった……。夕食も銭湯も広彦と時間が数十分遅くなった。
 最近の火曜日の夜だが、敬太は桜並木の桜の木の陰から広彦の部屋の方を伺う様になっていた……。ほやた荘近くまで来てエンジンを切り、桜並木の方から広彦の部屋の前を見つめていた……。
 パッソーラで現れるミナコはほやた荘のスチール階段を上り、広彦の部屋の前で待つようになっていた。羨ましく思っていたのと同時に悲しそうな立ち姿に胸が苦しくなった……。が、敬太は火曜日の帰り道にほやた荘近くの桜並木の桜の木の陰からミナコの姿を盗み見るのが密かな楽しみとなっていた……。
コン!コン!コン!と灯りの消えている部屋のドアをノックするミナコだった……。音は桜並木の所まで聞こえてくる……。
 駐輪スペースにCB400Fが停めてあるのだから【居留守】まるわかりなので、いつまでも叩かない……。10分するとスーパーの売れ残りの入ったレジ袋を扉のドアノブに掛けて帰っていくミナコだった……。
 敬太は、ミナコが広彦の部屋の前で立っている後ろ姿に心をときめかせていた。モデルの様にスタイル良く身長も高く何を着ても似合うミナコ……。スーパーの制服姿が似合い過ぎだ!
『何ンで~あンなに素敵なンだろう……胸が苦しい……』
『るみさんと付き合うんならミナコさんはフラれたンだよな!』
『でも……オレはミナコさんをレイプしようとしたから~一生オレに笑顔を見せてはくれないよな……』等~色々考えながら様子を伺っていた……。
 その週の火曜日からだった……。ミナコがアパートにやって来ても『疲れている』あるいは居留守を使う様になった広彦だった……。
 るみと付き合い始めてからは、ミナコを避ける様になった広彦だ……。ミナコの友達からも『【徳間るみ】とバイクに2人で乗ってたよ』情報は入ってきている……。でも、問いただすことの出来ないミナコだった……。相手はいかにも広彦の好きそうな女のコだ……。
 それに比べて自分は『【族のマスコット】【誰とでも寝るやリ⚪ン】だったアバズレ女』だったのを広彦に知られている……。ミナコは何ンの落ち度もなく運悪くケガでスポーツの夢が破れたばかりに、不良達と怠惰な性交渉を持ってしまった事にコンプレックスを持ってしまっていた。いつ、広彦にソッポを向かれるのではないか?……強迫観念に縛られていた……。
 張り裂けそうな苦しさを胸に抱え数週間を過ごすミナコであった。しょうがないさ……恋……ミナコには初めての恋だったのだ……。苦しむがよい……。苦しんで苦しんで『いいオンナ』になれば良い……かな?

7月下旬の日曜日
ミナコの勤め先スーパー
倉庫
0900(マルキュウマルマル)
 品物の伝票合わせだ……。冷房の効いている売り場と違い少し室温が高い……。売り場で冷えた身体には心地よい室温の倉庫だ……。
 ここ3週間程広彦に会うことが出来ていない……。退学した高校の時の友人が頼みもしない情報を電話してきた……。
『広彦と同じ中学校だった⚪⚪実業高校の徳間るみ……バイクに一緒に乗ってたよ』
『広彦とラブホテルに入って行くのを見たコがいるよ』
『日曜日に稲毛プールに行くらしい』
(「何ンとなく分かっていた……自分みたいな【族のマスコット】【ヤリ⚪ン】……いいコが現れればソッチに行っちゃうンだよ……アタシのことなンて……自分なんかを心から好きになってくれる男なンて現れないンだ!」)と思い込み恋の終わりの訪れに絶望を感じていた……。
 今月に入ってから……ミナコの心拍数は全力疾走した時と同じ位に高いままだ!電話しても『疲れてる』と切られる……。嫌われたくないからアパートを訪れて待つ……後の社会問題【ストーカー】気味……【火曜の夜のストーカー】気味になっていたミナコだ……。
(「今日こそは広彦の部屋に上がり込もう!絶対に抱いてもらうンだ!もう……胸がパンクしちゃいそう……」)と……【アイドル歌手の歌】と同じだ!テレビでかわいコぶりっコして歌っていても【アイドル歌手の歌】の内容は『エロいこと』を歌詞で要求している!ソレと同じ状態だった!
ミナコ歌え!赤いリラの花?何ンだソレ?
♪もう~!♪胸がァ~!♪パンクしちゃいそう~!
「あれれ?こんなところに……」床にガムテープが落ちているのに気がついたミナコは拾うためにしゃがんだ。剥がそうとしているとパートのオバサン達が入って来た。
「も~う!【キノコの山】はこ~れ!【タケノコの里】は~こっちよ!」
「あら~!本当だあ~!アハハハハハハハハ!」
「間違えないでよ~!」
「はい!はい!分かったわ!……ところでさぁ~ミナコちゃん元気ないよねェ~!
初めはミナコちゃんて~不良だったから~怖かったンだけど~明るくて素直でスッゴクかわいいのにね~!ミナコちゃんみたいないいコ~何処が気に入らないのかしらねぇ~!」
「若いンだから~色々~目移りしちゃうンでしょ~!」
「やっぱり【施設】で暮らす様な事があったコだからかしらねぇ~?」
「ダメよ~!そンな事~言ったらぁ~!あの加藤君てコ~けっこう辛い目に会って不良になっちゃったらしいわよ~!」
「⚪⚪町の徳間さんところのるみちゃんと付き合ってンでしょ~!」
「ミナコちゃんかわいそう~!知ってるのかな~?」
「こんなところで油~売ってちゃダメね!行きましょう!」と言いながらオバサン達は出て行った……。
スン!はぁ~!スン!と音をさせて……涙を啜るミナコだ……。

いなげプール1100(ヒトヒトマルマル)
 稲毛海浜公園近くに『稲毛プール』があり千葉県民からは大人気のプールだ!朝から流水プールに浮き輪に掴まって流れながら見つめあいお喋りをするのが若い男女の夏の定番デートだ!当然、広彦とるみも夏だからプールに来たのだ!
フィフィ~!と音をさせて監視員がホイッスルを吹き鳴らした!10分間の休憩室タイムだ!
 皆がプールから上がり塗装されたプールサイドに寝そべっている……。広彦とるみも休憩タイムだ!恋人同士なら休憩タイムさえも楽しい時間だ!

 スピーカーからは大人気アニメ『クリーミーマミ』主題歌『デリケートに好きして』が流されていた……。広彦とるみの休憩している辺り、小さな女のコを連れた家族連れが座っていた……。
 るみは相変わらず隙あらば歌を歌う女のコだ!やはり歌いだした!小さな女のコと見つめあい笑顔でリズムに合わせ頭を左に右に傾け『デリケートに好きして』を小さな女のコと歌いだした!美少女るみと小さな女のコが笑顔で歌い出す…あの時何ンと微笑ましい光景だ!
♪そぉ~お~よぉ~!♪女のコのォ~ハートはぁ~♪
♪星空に月のォ~小ォ~舟ェ~♪浮~か~べェ~
♪夢もォ~探すこともぉ~♪出ェ~来ィ~るゥ~
♪デリケートに好きしてェ~♪デリケートにィ~
♪好きしてェ~♪好きしてェ~♪好きしてェ~
デリケートに好きして/しょこたんカバー太田貴子

 最後はバブル期特有の~同じフレーズ繰り返し~だ!

キャキャキャキャ~!と小さな女のコが笑い声を上げている?るみは~繰り返しフレーズ~『♪【好き】して~!』を何ンと!『♪【キス】して~!』と替え歌にして歌いだしたのだ!しかも広彦の方に【キス顔】を向けてだ!

キャキャキャキャキャキャ~!小さな女のコは大喜びで狂った様に笑っている!

「広彦~!ほら~!♪キスしてェ~♪キスしてェ~♪キスしてェ~♪キャハハハハハハハハハハぁ~ッ!」と少々悪乗りのるみだ!

「……お!……おォ~ィ!勘弁してくれよぉ~!」

「ほら~!♪キスしてェ~♪キスしてェ~♪キスしてェ~♪」

キャキャャキャキャキャキャキャキャキャ~!

小さな女のコの父親と母親はニコニコ笑顔で見ていた。その時だった……!

グフッ!と……近くにいた中年男性が鼻を鳴らしての笑い声を立ててしまった!

「あぁ~ン?……」広彦から笑顔が消え、立ち上がるや中年男性にヤンキー顔でガン飛ばし&睨み付けで脅かし始めた……!

「おうコラ~!……オッサン!今の『グフッ!』て何ン笑ってやンだコラ~!」

「え?……そ……そのォ~……」と、今までニコニコ笑顔だった少年が急にキレ始め青ざめ始めた!相手はヤンキーだ!何をされるか分からない!周りの客達も笑顔が消え辺りに気まずい雰囲気が漂った。

「広彦やめて!」とるみは立ち上がり広彦の前に立ちはだかった!

「ウゥ~!こわいよう~!」小さな女のコは自分の親指を咥えて母親に抱きついた。

「おうコラ~オッサン何ンとか言えよコラ~!」と中年男性に攻撃に向かいはじめ様とする広彦に……一喝が発せられた!

「止めなさいッ!小さなコが怖かってるじゃない!」とるみだ!るみは広彦に向かい再び発した!

「アタシ帰る!ケンカする人は大嫌いだから!じゃあね!」と立ち去ろうと出口に向かい歩き始めた!

「えェ~?……ま!……ま!……待ってよ~!悪かった!……ねぇ~!待ってよ~!」

「反省してる?」すぐに止まるるみだった!

「悪かったよ~!」

「じゃあ~あのオジサンと女のコに謝って!」るみはすぐに広彦に言った!

「えェ~ッ?あのオッサンに?」

「出来ないならアタシ達お別れね!じゃあね!」と言ってまた出口に向かい歩き出するみだ!

「分かった!分かった!分かったよ~!」と言いながら中年男性の元へ向かう広彦だ!るみも向かった……。

「イヤ~!さっきはスンマセン……」

「いえ……こちらこそすみません」と中年男性とは和解の広彦だ!

「オジョーちゃん!ごめんねぇ~!」と広彦は小さな女のコにも謝った……。

「うん……」と女のコは頷いた……。

「ごめんねぇ~!」と女のコに言いながらるみは広彦の方を向き「約束して!……アタシの事が好きならば~『どんな理由があろうともケンカをしない!』『他人に暴力を振るわない!』約束して!」広彦に言った。まるで【猛獣使い】の様だ!餌の代わりにるみという自分【オンナ】を与えることで広彦という【猛獣】を手懐け様というわけだ!

「分かったよ!約束する!今後『どんな理由があろうともケンカしない!』『他人に暴力を振るわない!』約束する!」

「じゃあ~!その証に~!今!キスして!」と言いながらキス顔を広彦に差し出した!

ザワザワザワザワ~!とプールサイドの休憩客達はザワ付きだした!

「早く!キスして!」と恥ずかしいことを平気で広彦に要求だ!

「勘弁してよ~!」困り顔の広彦に救いの主が現れた!

フィフィ~!と音がした!監視員がホイッスルを吹き鳴らした音がプールサイドに響き渡った!

「逃げろ~!ワハハハハハハぁ~ッ!」と叫び浮き輪を掴みプールに飛び込む広彦だ!

バァンザワァビザァ~ン!と水しぶきを立ててプールに逃げ飛び込んだ広彦だ!

「ぁ~!待てェ~ッ!」とプールに入るるみは広彦を追いかけた!

ワハハハハハハぁ~!

キャハハハハハハぁ~!と笑い声の2人は仲直りだ!るみは広彦を捕まえた!広彦に口づけを食らわするみだ!流水プールに流れる浮き輪に填まるヤンキー少年広彦に口づけの美少女るみ……いい絵だ……。


⚪⚪幼稚園1500(ヒトゴォマルマル)

 店長と共にいすゞのELFに大量注文のケーキのケースを積み、幼稚園に配達に行ったミナコであった……。

『どうもありがとうございました~!』

『またね~!』『オネェチャンバイバイ~』『ありがとー』と叫ぶ園児達だ!子供はしつこく挨拶してくる……。

『またね~!』『バイバ~イ!』『ありがとー!』『サヨナラ~!』

『ありがとうございました~!』

 帰り道を進むいすゞELFだ……。

「いや~!やっぱり若いお姉ちゃんが行くと園児達が喜ぶよね」

「……何ンか~元気もらえるよね!かわいかったなぁ~!」

「あ!これケーキ余ったから~持って行ってよお~!」

「わぁ~!ありがとうございます~!…………あの~!寄り道してもらってもいいですか?……ドコドコ町の何ン丁目の~ほやた荘……」

「………あ~!あそこら辺……いいけど~……?」

「アタシの彼のアパートなンだけど……」

「…………でも…………」と店長はミナコが最近元気ない理由は耳に入っていた……。

「お願いします!」

「…………ンンン……」

「お願いします!今行きたいンです!」ミナコは叫んだ!涙声になっていた……。


ほやた荘から50m程離れた路上

1515(ヒトゴォヒトゴォ)

 いすゞELFを停めて店長に待ってもらい、ミナコはケーキ入り紙袋を手に川沿いの路上に立っていた。

ヂュワヂュワヂュワヂュワヂュワヂュワヂュワヂュワ~!と川沿いの桜並木にはアブラゼミが集り騒がしく鳴いている……。川沿いから路地に入り広彦のアパートほやた荘に向かう時だった!

 慌てて引き返してきたミナコだった!桜の木の陰に隠れたミナコだった!

ボォワワワワァ~ン!ワァワァァァァ~ン!ワァワァァ~ン!と遠くからCB400Fの排気音が近付いて来る音がしたからだ!

いすゞELFを停めて車内から心配そうに店長がミナコを見守る脇を、広彦とるみを乗せた赤いオートバイが通り過ぎた!るみはワンピース姿でいかにも広彦好みのかわいい系だ!肩には塩化ビニールの透明プールバッグをかけていてタオルが丁寧に畳まれて入っているのが見える。几帳面さなどかなり広彦好みで自分にはない感じを次々見せつけられた気がしたミナコだった……。

ボォボォワワワワァ~ン!ボボボボボボ~!と音をさせCB400Fは道を曲がりほやた荘敷地へ入って行き停まった……。

 るみはオートバイから降りると広彦の脇により顔を突きだした!『ヘルメットの顎金具を外すお世話』を広彦におねだりするるみだ!何ンとも!『バイクカップルの定番』を帰るなり見せつけるではないか!

(「アタシにはしてくれたコト……なかったじゃン!」)とショックのミナコだ!

 しかも顎金具を外しヘルメットを取ってすぐだ!るみは広彦にディープキスを食らわしたではないか!

キャハハハハハハ~!アハハハハ~!笑いながら2人はタン!タン!タン!キャン!キャン!キャン!と音をさせてスチール階段を上って行った!

キャハハ~!アハハハ~!ずっとたのしそうだ!

チャリ!チャリ!と音をさせて部屋の鍵を開けるとバタン!と音をさせてドアは閉められた……。

 青ざめた顔でいすゞELFに戻ってきたミナコはドアを開け助手席に乗り込み力なくドアを閉めた。シートベルトを掛けるミナコは上の空……。室内灯ランプが点灯している……半ドアだ……。

「うぅぅぅぅ…………うぅぅぅ~ン!……うぅぅ~!」と嗚咽を漏らし泣き出したミナコだ!ドアも閉める力も無い程にショックらしい……。

店長は手を伸ばし助手席のドアを少し開け勢いを付けて閉めた。

バァン!と音させてしめられた助手席ドア……室内灯ランプの点灯は消えた……。

店長はいすゞELFを発車させた……。


ほやた荘広彦の部屋前

その夜の1900(ヒトキュウマルマル)

 敬太はいつもの様に夕飯を定食屋で済ませ銭湯に行き、その帰り道だ。また、桜並木道を通りほやた荘に向かう道を通り過ぎようとした時だ!桜並木道の方まで何かを叩く音が聞こえてきた!辺りに、おんぼろアパートほやた荘から扉を叩く音が響き渡っていた……。

ダン!ダン!ダン!……ダン!ダン!ダン!

「広彦~ッ!いるンでしょ~!開けてよォ~!」と女のコの声も聞こえてきた!

ダン!ダン!ダン!……ダン!ダン!ダン!と音をさせて、今夜はミナコは帰らない!かなりしつこく扉をノック叩きだ!

「ねぇ~広彦~ッ!居るンでしょぉ~ッ!開けてよぉ~!ケーキ持って来たよぉ~!開けてよぉ~!」

 やがて『壊れるンじゃないの?』という位に力が込もってきた!

ダァ~ンッ!ダァ~ンッ!ダァ~ンッ!

「いるンでしょ~!広彦~ッ!開けてよォ~ッ!開ぁ~ッ!けェ~ッ!てェ~ッ!入れてよぉ~ッ! 」

ダァ~ンッ!ダァ~ンッ!ダァ~ンッ!

「アタシ黒いワンピースの水着買ったンだよォ~!今度~持って来て見せてあげるねェ~ッ!」と、薄々恋の終わりを分かっているクセにまだ【今度の約束担保】を取り付けようとするのが意地らしいミナコだ!

「ねぇ~ッ!もうすぐお盆休みだよね~ッ!電話しても出てくれないじゃない!お盆休みの打ち合わせしようよぉ~ッ!ねぇ~ッ!居るンでしょ~!」

「開ぁ~ッ!けェ~ッ!てェ~ッ!開ぁ~ッ!けェ~ッ!てェ~ッ!開ぁ~ッ!けェ~ッ!てェ~ッ!開ぁ~ッ!けェ~ッ!てェ~ッ!」と、もうキ⚪ガイの取り立て屋レベルのミナコだ!広彦の部屋の灯りが点いた!やはり勿論のこと居留守であった!

ガチャ!と音がしてドアが開けられ広彦が顔を出した!やっと出てきてくれた恋の相手は激怒に顔が真っ赤であった!

「うるせぇ~ッ!いい加減にしろォ~ッ!」とブチ切れてミナコを怒鳴り付けた!

「 広彦……ケーキ持って来たヨウ……」

「ウンなモン要らねェ~よォ~ッ!まったく鬱陶しいオンナだなぁ~ッ!」

「この頃~広彦と会えなくて~忙しくて疲れてるかな?甘いモノなンて喜ぶかな……て……思って……」

「まったく何ンだってンだ!もう来ンなよォ~ッ!」

「アタシ……広彦のコトが好きなのに……どうして冷たくするの?……」

「…………」

「アタシ……いいいコだと思うけどなァ~」

「…………」

「お母さんに料理教えてもらって……広彦に喜んでもらおうと思って……けっこう~頑張ってンだけどなァ~」

「もういいよ~!イヤなンだよォ~!押し付けがましくされンの~」

「ねぇ~!ケーキ持って来たの!一緒に食べ(ようよ)ッ?」

「『要らねェ~!』つっただろうがァ~ッ!」と怒鳴りながらミナコからケーキ入りの紙袋を引ったくると階段下のゴミ置き場投げつけ捨てる広彦だ!

ガサバダァ~ン!と音がしてゴミ置き場のポリ容器の蓋に辺り破け飛び散るケーキ入り紙袋だ!食べ物を粗末にする共感出来ない広彦だ!

「広彦~甘いモノきらいだったかなぁ……おせんべいのが良かった(かな)ッ?」

「そういう問題じゃねぇんだろがぁ~ッ!『来ンな!』つってンだろがぁッ!」

「アタシのことキライにな(った?)ッ?」

「お前のコトなンて初めから何ンとも思ってねぇンだよォ~!ただ~ヤラしてくれるから会ってただけダロがぁ~何ィ~勘違いしてンだよォ~!」

「アタシの他にオンナでも出来たの?……そのコにヤラせてもらうからアタシは~もう必要ないッてこと~ッ?それってサァ~ッ!ヒドくなァ~い?」

「…………」……未婚男女の恋愛に『ヒドイ』も『ヒドくない』もない……。いいコが現れればいいコに向かう……。動物だって強い遺伝子~に本能的に優劣を見極め次の個体に交尾を求めるではないか!だが、広彦が悪者にされてしまっている……。

「お盆休み~ッ!『海に行く!』って言ったじゃン!『映画も観に行く!』って~!広彦言ったじゃン!『ディズニーランドに行く』って言った(じゃン!)……あッ?」桜並木道の方にまで2人の会話は聞こえてくる……。

「…………もう帰ってくれ!」と言いながら、他人には言葉を遮られて言いたいこともマトモに喋れないクセにミナコの言葉を遮りダバンッ!と音をさせて扉を閉めた!

キィィィィィィ~ッ!と金切り声を上げて怒るミナコだ!

ダァン!ダァン!ダァン!と音をさせて扉を叩くミナコだ!ヤンキー娘の本性を現した!

「開けろよぉ~ッ!広彦てめえ~ッ!黒のワンピースの水着も買ったンじゃねぇか~ッ!高かったンだぞぉ~ッ!どぉ~してくれンだよォ~ッ!てめえ~ッ!」

ドォン!と音をさせてミナコは扉を蹴った!怒り狂い罵るヤンキー娘ミナコ……と思ったら……。

コン!コン!コン!と音をさせて扉をノックの……正常に戻ったミナコだ……。

「……ねぇ……広彦……『海はクラゲがいるからキライ……』かな……?……じゃサァ~!……プール行こうよ……【稲毛プール】行こうよ~!」

 敬太は一部始終~ずっと見ていた……。ミナコに辛い思いをさせる広彦に怒りを感じたが、羨ましさも感じ見ていた……。


GBGカバー『会いたい』沢田知可子



 大人しくなったと思えば……再び感情が変化した!

ダァン!ダァン!ダァン!と音をさせて扉を叩くミナコだ!

「『海に行く!』って言ったじゃン!『映画も観に行く!』って!広彦言ったじゃン!『ディズニーランドに行く』って~言ったじゃないの~ッ!いろんな所に行くってェ~!約束したじゃないの~ッ!広彦~約束したじゃない~ッ!約束したじゃない~ッ!」と数年後の失恋ヒット曲の歌詞みたいなことを叫ぶミナコだ!

ダァン!ダァン!ダァン!と音をさせてまた扉を強く叩き出した!正常から荒々しく感情表現が【不安定】なミナコだ!決定的なコトを自ら叫んでしまうミナコだ!

「……徳間るみってコとは~プールに行ってェ~ッ!アタシとは行ってくれないのねぇ~ッ!嘘ついたねぇ~ッ!約束破るとォ~ッ!嘘ついたら~天罰下るンだからぁ~ッ!」

ドォ~ン!と音をさせて扉を蹴飛ばすミナコだ!

キィィィィィィィィィ~ッ!とキ⚪ガイ金切り声を上げスチール階段を下りてくるミナコだ!

キャァン!キャァン!キャァン!キャァン!キャァン!と音を立てて下りて来るミナコだ!

「チキショ~ッ!あンにゃろメェがぁ~ッ!クソ~ッ!覚えてろよォ~ッ!ザァケヤガッテェ~ッ!浮気なンかしやがってよォ~!よォ~し!仕返ししてやるゥ~ッ!」と完璧にヤンキー娘に戻ってしまったミナコだ!パッソーラに乗りヘルメットを被った。

チュルルルゥ~!スターターを回した!

ビィビビビビィ~ン!ビィビビビビィビィビビビビィ~!と騒がしいエンジン音を立ててパッソーラは桜並木道に出てきた。ミナコのパッソーラが不意に止まった!ミナコは桜並木の桜の木に向かい叫んだ!

「お~い!てめえ~!隠れてねぇで出てこいよ~!」どうやら敬太がいつも様子を伺っていたのはミナコにはバレバレだったらしい……。敬太は桜の木の陰から姿を見せた……。

「……ミナコさん……大丈夫で(すか?)ッ?」

「うるせぇ~ッ!一丁前なコト~ヌカしてンじゃねェ~ッ!」

「…………」

「敬太~!お前のアパートいくぞぉ~」

「……え?……」

「いいから来いってェ~!」

「…………」……不本意ではあるが……夢に見たコトが起ころうとしている敬太だ!

ビィビビビビィビィビビィ~!ビィビビビビィビビィビィビビィ~!と音をさせて2台の原付バイクは桜並木道から、ほやた荘前の道を通り走って行った。

(「覚えてろよォ~ッ!」)通りながらほやた荘窓側から広彦な部屋を見上げ睨むミナコだ!

(「…………」)わりと優しい顔をして、カーテンの端の隙間から2人を見る広彦だ!さっきはミナコにヒドい言葉を吐き掛けていたのに……。


薬局前

「おい!敬太~!小銭出しなァ~ッ!……ほらァ~ッ!500円だしな~!」とパッソーラを止めると、ミナコは敬太に~小銭をよこせ~と言った。自販機でコンドームを買うらしい……。敬太も原付バイクを止めた

「あの……ミナコさん……そのォ~……ところで」
「知ってンだよォ~敬太~!いつもアタシのことモノ欲しそうに見てンじゃん!お前ェ~アタシに気ィ~あるンだろォ~?アタシとヤりたいンだろ~?
ヤラしてやるよ!お前のアパート行ってヤロ~よ!」
「えッ?」と複雑な気持ちで歓迎の敬太はとぼけて聞き返した。
「『えッ?』じゃネェ~ンだッてのォ~!あの野郎~!浮気しやがったカラ~アタシも仕返しに敬太とヤッてやるンだぁ~!お前のアパート行くよ!」
「えッ?……でも~【当てつけ】にボクとするンですか?アッ?」
ビィビビビビィビィビビビビィビビビビビィビビビビィビィビビビビィ~ン!と排気音を立ててミナコのパッソーラは進んで行く……。30m位進んだ所でミナコのパッソーラは止まった!
「早く来いよおらぁぁぁぁぁぁぁ~ッ!」と後を付いて来ない敬太にブチ切れのミナコは叫んだ!
「でもォ~!ミナコさァ~ん!……そのォ~……」と~興味津々のクセにカッコ付ける敬太だ!
「うるせぇなァ~ッ!ここンところ~!ご無沙汰なンダヨぉ~ッ!ヤリたくて!ヤリたくて!こちトらァ~ッ!溜まってェ~ウズウズしてンだよォ~ッ!」とヤンキー娘ミナコは叫んだ!周りにチラホラ人がいたが構わない様だ!

敬太のアパートの部屋
1930(ヒトキュウサンマル)
ヂュワ!……ヂュワ!……ヂュワ!とたまにアブラゼミが単発の鳴き声をさせる……。窓ガラスは暑いから開けっ放しの網戸の敬太の部屋だ……。敬太の部屋にはテレビと扇風機と布団と畳の上に脱ぎ捨てられ散らばったもの……2人……。他に何もない……に等しい位に殺風景な部屋だ……。2人が部屋の中央に敷かれた布団に……仰向けに寝ているミナコ、ミナコの上にうつ伏せで重なるは敬太だ!
「スン!スン!……はぁ~!……」泣いているミナコ……。ミナコのキレイな息を好きなだけ嗅げる敬太だ……。が、有り難みが少しも感じられない……。
 以前~広彦のアパートにお邪魔虫~して

『カはぁ~ッ!何ンなんだてめえ~ッ!カはぁ~ッ!気の利かねぇ~野郎だなぁ~!とっとと~帰れよぉ~!ブッとばされてェ~カはぁ~!』と言われた時にみつけたミナコの魅力への感動。

(「……すごい!……温かくて……信じられない位に……ミナコさんの息って……すごい!……ミナコさんの息ってキレイで温かい……」)とミナコの息を嗅ぎまくりたいという種類の願望……。

 今は、ミナコはキレイな息を存分に嗅がせてくれるし、自分とも息を荒々しく嗅ぎ交わせてくれるし、口づけすれば猛烈に絡み合わせてくれる……。

 が……敬太は気付いてしまった……。

ミナコは自分からは敬太の息を嗅ぎ求めにも口づけにも来ない……。敬太はミナコを心の底から求めているのに、ミナコが貪欲に求めているのは敬太の身体だけの様だ……。

 敬太のことを心の底から求めてはいないことに気づいた!ソレに気付き失望感に支配された敬太であった!あの感動が今好きなだけ味わえる……。【流体】の匂いも温かさも美しさも柔らかさも全て今は自分のモノになっている……!

 医者が定義する性接触は厳密に言うならば~【報復レイプ未遂】の時に【入り口接続水域】に【軍用L字ライト頭部】をあてがった時点でミナコの粘膜と敬太の粘膜は接触している……。すでに【医者の言う性接触なら……童貞卒業】は果たしている……。

『が……セックスとは……互いが心を開き信頼しあわなければ……心が満たされなければ……何ンの価値があるンだろう……?』と敬太は童貞の分際で【ワンランク上】の【哲学的なこと】を求めているではないか!これから行われる【卒業進水式】に【儀式の点数優劣】を付けているではないか!

 今日はミナコという魅力的な身体の持ち主の美少女が、自ら敬太の部屋にやって来た。初めて会った日に【イヤらしい目】で服の上から舐め回すようにして服の下を想像したミナコ本人の身体が、今、自分の腕の中にあるではないか!美しい身体を全て自分にさらけ出してくれているではないか!

 敬太は【軍用L字ライト公船】に『自販機で買ったモノ』を被せた!敬太の【軍用L字ライト公船】は~【ゴム膜】~という【オイルフェンス】に阻まれているが、憧れた女性の【入り口接続水域】に進んだ。静かだった【入り口接続水域海域】は嵐となり大渦潮が発生した……。数え切れない台風が発生した!

 2人の相性はバッチリ合う様だ!快楽に身を任せる2人だ!……なのに……何か?……違う……。

 おんぼろアパートに台風が巻き起こった!建物中に凄まじい音と声と振動が発生した!


 アパートの独身男住人達が羨ましがり廊下に飛び出てくるほどの叫び声が廊下まで響き渡った!敬太は自分の下のミナコを見た。……泣いていた……。
 今……『美しい身体の美少女』が自分をさらけ出してくれている今なのに……。敬太は『宝くじに当たった!』様な今なのに……。
 敬太はムカついていた!悔しくて堪らなかった!この上何の不満があるのか?敬太は『忘れさせてやる!』と【軍用L字ライト公船】の出力ノット全開で荒波の中に進めた!敬太の布団には暴風大雨洪水波浪警報だ!
【台風?目】【ミリバール(後のヘクトパスカル)】を静めるべく敬太は【ヨウ化銀溶剤弾】を発射した!何ン度もだ!
 が~【ゴム膜】~という【オイルフェンス】にいくら進んでも【軍用L字ライト公船】……敬太の心は受け入れてもらえなかった……。敬太は憧れていた女性に奪ってもらい、童貞を失うと共に知った……。

『まだ……オレは本当の愛を知らない……』


 悔しい敬太は【台風】の荒波の中、何ン度も何ン度も【入り口接続水域】から【軍用L字ライト公船】を進入させ【オイルフェンス】越しに【ヨウ化銀溶剤弾】を射ち放ち捲った……。


敬太のアパートの前

ボォボボボボボボボボボボボ~!と排気音をさせて広彦かCB400Fに乗り現れた……。エンジンを掛けたままだが、敬太の部屋から何やら騒がしい叫び声が聞こえる……。

「フフフフフフ~!」と笑い広彦のCB400Fを進めた……。

ボボボボボボボボ~!とオートバイの排気音は遠ざかっていく……。


ほやた荘

火曜日1930(ヒトキュウサンマル)

ジュジワワ!ジジュジワワ!と時折、桜並木の桜の木からアブラゼミの鳴き声が聞こえる……。

ピュウ!パァチ!ピュウ!パァチ!ピュウ!パァチ!と【笛付きサンダル】の子供の足音が聞こえる……。なんとも癒されるではないか!アパートの前の道を小さな男の子を連れた母親が歩いている。ある程度~自由に男の子を歩かせている母親だ!

ピュウ!パァチ!ピュウ!パァチ!ピュウ!パァチ!と【笛付きサンダル】の音はほやた荘のスチール階段下の一斗缶キケン物入れに進んだ!

一斗缶の中のキケン物鋭く尖った【割れガラス板】を触ろうとしていた小さな男の子は触るのを止めた!

「ダメよ~!触ったらタイタイ(痛い痛い)よ~!戻ってらっしゃい!」と母親が叫んだ!

ピュウ!パァチ!ピュウ!パァチ!ピュウ!パァチ!と【笛付きサンダル】の足音をさせて小さな男の子は母親に駆け寄った。

「あぁ~!ダッコ~!ダッコ~!(抱っこ)」と言いながら抱きついた……。

「しょうがないわねェ~!」と言いながら母親は小さな男の子を【抱っこ】すると歩いて、ほやた荘から離れて行った……。

ボォボボボボボボボボボ~!と遠くから排気音がして広彦のCB400Fが近付いてきた……。夕食、銭湯からの帰宅だ……。

 敷地内の駐輪スペースにオートバイを置いた……。駐輪スペースのはしには??パッソーラが??あれ??広彦は気が付かなかった!

♪フゥ~フフゥ~ン鼻歌を歌いながらスチール階段を上がっていく!

タン!タン!タン!タン!タン!タン!と足音をさせて上がっていく!

 2階通路にたどり着き愕然とした!

「はッ?ミナコ?」

『自分の部屋の前にミナコがいるではないか!』

『敬太と付き合ってるンじゃないのか?』

『何故?オレの所に来るンだ!』等~色々考えたがピシャッ!とはねつけることにした!

「お帰りなさい~!ネェ~今晩は~!すき焼きにしよ~よ!」と言いながらネギや卵パックの入った~どうやらすき焼きセット入りレジ袋を差し上げてエヘヘと笑顔を広彦に見せた。

「知ってンだろ~!オレはァ~るみと付き合ってンだ!もう~お前を部屋に入れるワケにはイカネェ~んだ!」と言いながら扉の鍵を開ける広彦だ!が、ミナコ中に入ろうとするのを手で軽く突き押した。

「いいよ!付き合ってたって!お盆休みも一緒じゃなくてもイイヨ~!ただ……こうして広彦に会いたいだけなの!徳間るみてコには内緒にしとく!絶対に言わない!アタシには広彦が必要なの!アタシは広彦が好きなの!だから~たまにアタシを抱いて欲しいの!ね!」

「……ゥるせぇなァ~!お前みたいに『誰とでもヤるオンナ』しか~そういう発想は思い浮かばないよなァ~!」

「広彦と付き合い出してからは誰ともシてないモン!……本当だモン!」

「日曜日に敬太の【筆下ろし】シてやったンじゃネェかぁ~!」

「……ッ?……」

「なァ~!お前ェ~!何~嘘付いてやがンだ!まったくよォ~!」

「ちゃんと~!コンドーム付けたモンッ!」

「どうでもいいよォ~!も~!帰ってくれよォ~!」

 桜並木の桜の木の陰……

 1台の原付バイクが現れた!エンジンを止めて、ほやた荘の方を伺っている……。こいつ……もうミナコのストーカーだ!またまた話に都合良く現れた……。広彦とミナコの話を立ち聞きし始めた……。

「広彦がァ~ッ!浮気するからァ~ッ!アタシだって仕返しに敬太とヤッたンじゃない!お互い様じゃないッ!」

「お前が誰とヤッてもオレには関係無いネェ~!大体~!浮気て~何ンだよ?お前ェ~何?何を~いつからはオレの彼女気取りしてンだよ?はン!……当てつけに敬太とヤろうが~オレと敬太が【穴兄弟】になっただけじゃンよォ~!ワハハハハハハハハハ~!腹痛ェ~!ワハハハハハハハハ~!」

「アタシが広彦に惚れてンの知ってて何ンで~そんなヒドイこと言うの?」

「うるせぇなァ~ッ!大体~何ンだ!……いつも~売れ残り~持って来て!料理なンて作りに来やがってェ~!何ンだ!ママゴトかよ?ケッ!そんな~売れ残り~持って来てヒトの気を引こうとしやがってェ~!舐めてンじゃネェ~ゾォ!いい加減にしろッてンだぁ~ッ!」

「これはぁ~アタシがお金出して買って来たンだからァ~ッ!すき焼き作るンだからァ~ッ!ネェ~!入れてよォ~!」と叫びながら扉のドアノブを回し、無理矢理部屋の中に入ろうとするミナコだ!

「おッ?何ンだ!てめえ~!」と部屋に入れまい!とミナコの腕を引く広彦だ!

『入れてよォ~!』

『止めろてめえ~!』

『すき焼き作るンだからァ~ッ!』

『止めろって~!』

『イヤだ~!アタシ広彦が居なかったら生きていけないの!入れてったらッ!』

『うるせぇ~このアマ~ッ!いい加減にしろォ~ッ!来ォ~いッ!』

『きゃあ~!入れてよォ~!』と腕を引っ張られながら、ドアノブに、すき焼きセットレジ袋を掛けるミナコだ!

キャン!タン!キャン!タン!タン!キャン!キャン!と荒々しい音を立てて、スチール階段を下りて行く広彦とミナコだ!

「何ンだ?」

「どうした?」と1F2部屋、2F1部屋の扉が開き住人達が顔を覗かせた。

キャン!タン!キャン!タン!タン!キャン!キャン!と足音を立てて階段を下りた2人だ!

「んン~!すき焼き作らせてよォ~!」

「うるせぇ~ッ!」

「きゃあ~ッ!」と敷地内土道に、ミナコを引き倒す広彦だ!

「痛ァ~い……ウゥ~!」と倒れ、脚を擦りながら、痛がるミナコだ!

「嘘つけ~!丈夫な身体のお前が~!」

「大丈夫ですかァ~ッ!」と敬太が駆けつけて、倒れているミナコの身体を抱き起こした!

バシッ!と音を立てて、敬太の手を叩き払い除けるミナコだ!

「触んなよォ~ッ!てめえ~関係ネェ~だろ~ッ!」とミナコは言った!広彦の言うとおり【痛いフリ倒れ】のミナコだった!

「ウウウウウゥ~!」と泣き出しの……次の作戦?のミナコだ!

「そら見ろ~!今度は泣き落としか?ハン!」

「先輩!ヒドイじゃないですカ!ミナコさんは先輩のことが好きで好きで堪らないのに!こンなに先輩のことを想っているミナコさんを……コレじゃ~あんまりだ!ヒド過ぎますよ!」

「別にオレはコイツと付き合ってたワケじゃないンだ~!ハン!笑わせンなよ~!考えてみろよ~!【族のマスコット】だぜ~!『誰とでもヤるヤリ⚪ン』なンだろがァ~!ヤラせてくれっから~ヤラしてもらってただけだろうが~!敬太~!お前も【筆おろし】してもらったンだろ?良かったか?ワハハハハハ~!」

「ミナコさんは~あの日……ボクに抱かれながらも、ボクを求めてなかったのが分かりました……空しかったです……ミナコさんは~ボクに抱かれながら、泣いていました……ミナコさんの気持ちを何ンだと思ってンですかぁ~!」

「お前がミナコと付き合えばイイじゃない~!お前~ミナコに惚れてンだろ?」

「そうです!ボクはミナコさんが好きなンです!初めて会ったあの日から……ブッ飛ばされたあの日から……ボクはミナコさんのことが好きで好きで堪らないンです!……ミナコさんに惚れられている先輩がァ~羨ましくて羨ましくてェ~堪りませンでした!でも~

先輩が付き合ってるから~ミナコさんのパッソーラがここに停まってると……先輩の部屋の灯りが消えてると……『ミナコさん……先輩に抱かれてるンだ……』て……苦しくて苦しくて堪りませンでしタ!……そうです……ボクは……ボクはミナコさんが……好きで好きで……たま(らないンです)ッ?」

「フッ!フフフフ~!アハハハハハ~!」

「何がおかしいンですかァ~ッ?」

「だからァよ~!……付き合ってるワケじゃねぇンだってのォ~!……コイツが押し掛けて来て勝手に【おママごと】始めちゃうンだってのォ~!……『抱かれる』?とか『抱く』?とか?……そンなンじゃなくてェ~ソイツとは『ヤッてる』だけ!『ヤラしてくれる』から~はぁ~!ヤラしてもらってだけなのォさ!……でもさ~!オレはるみと出会ったンだ!もうとコイツとヤッたら~!コイツと同じ~誰とでもヤるヤツ……そうなっちまうだろうよォ~!」

「…………」敬太は黙って聞いていた……。

スン!スン!はぁ~!とミナコのすすり泣きが聞こえる、ほやた荘敷地内土道だ。

「誰とでもヤる人間なンてよォ~アイツと同じだ~年ンがら年ン中~男相手にカネもらってよ~!とっかえひっかえ~!結局~オレを捨てて消えちまった~オレの母親と同じだァ~ッ!」

 1F、2Fの3部屋の住人は『ミナコのすすり泣き』『広彦の語り』『現れたがヒロインに拒否られの敬太』が繰り広げる『テレビドラマ』の様なシチュエーションに興味津々だ!扉を開け顔を覗かせたり、2Fの住人は通路端の広彦達の頭上にまで来て居る。

「ミナコさんは~そンな人じゃないですッ!」

「お前とヤッたじゃン!コイツ~オレと『付き合ってる』つもりなのに~敬太~!お前の【筆おろし】したじゃねェ~か!」

「…………スン!はぁ~!……スン!はぁ~!」とすすり泣きのミナコだ……。

「コイツ!オレがるみと付き合ってンの知ってるクセに『抱いて欲しい』てヤりたいのがミエミエでェ~部屋に入って来ようとしたンだぜ!」すすり泣きのミナコを更に蔑む広彦だ……。

「ソレは~!ミナコさんは『もしかして自分の元に戻って来てくれるかも知れない』すがる思いでソウしたンですよォ~ッ!」と、あくまでも敬太はミナコの味方だ!敬太は自分が、好きで好きでたまらない女性~ミナコを蔑む広彦に対し、憤りを感じ、語気を強めた!

「お?ムカついてンのか?敬太?……分かンネェ~かなァ~?……コイツは【セックス好きオンナ】……【ヤリ⚪ン】なンだよ!見ててみろよォ~!~スーパーのレジ打ち~なンて辞めて……【ソープランド】で働くぜ!」

「先輩ッ!」と目を見開き、広彦に叫び、ミナコを見る敬太だ!ミナコは絶望した顔をしていた……。見開いた目からは、涙が涌いて、溢れ出て、頬を伝い落ちた……。

「広彦……ウゥ~!……広彦……アタ……ア……ウゥ!……ヒィック……はぁ~!……アタシのこと……ウゥ!……スン!……はぁ~!アタシのこと~!ソウいう風にィ~見てたンだァ~……」……好きな男から、最大級の蔑みを受け、自分の初恋が絶望的であることを……すすり泣きながら認識したミナコであった……。しかも更に追撃の広彦だ!

「ヤッてカネがもらえンだから~お前にお(似合いだろ)ッ?」

「謝ってェ~下さいッ!……」と広彦の言葉を遮り抗議を叫ぶ敬太だ!

「はぁ~?」

「いくら先輩でもォ~ッ!言葉でミナコさんを傷つけることは許しませンよお~ッ!謝って下さ~いッ!」

「『許さない』だと~?ア~ン?コラ~!てめえ誰に向かって口利いてンだコラ~!」

「謝って下さいッ!」

「だから~『ヤッて』だな~!」と言いながら、ミナコを見下ろしながら、再び言葉でミナコの心を踏みつけだす広彦だ……。

(「謝れよ~ォ……!」)握りしめた拳が、怒りにワナワナ震える敬太は、ブツブツ呟きだした……。

「『ヤッてカネがもらえるンだぜ~』」蔑みの言葉を繰り返す広彦だ!

(「謝れよ~ォ……!」)

「『ヤッてカネもらえる』ンなら~」

(「謝れよ~ォ……!」)

「『ヤッてカネもらえる』そういう商売に行った方が~」

(「謝れよ~ォ……!」)

「【ソープランド】ではたらいた方がいいべやァ~!ワハハハハハハハハ~!」



「謝れよオオオオオオオオオオオオォ~アアアアアアァァァァァァァ~ッ!」



 凄まじい怒号が発せられた!敬太は怒りを爆発させて……ミナコの人格を守るために~パンチ爆薬~を懐いて【族のケンカ屋】に向かって【神風ゼロアタック突撃】を敢行だ!

ゴバァキィ~ッ!と音をさせて敬太のオーバーパンチが、高笑いで無防備の広彦の左頬を急襲した!


第14話-2に続く……