私の考え……                         

 アニメ『めぐみ』は、題材の全部が拉致事件です。北朝鮮による拉致事件を、

若い方達に、関心を持って貰うには……?何か、プラスアルファが欲しいのでは?と、私は思っています……。

 一番良いのは、純愛フィクションでは……?

『色々な男が、色々なオンナに惚れて、行動する……』これが良いのでは?と思いまして……。

「惚れたオンナの為には何もかも投げ出し戦う男……」……これをテーマにして、拉致事件に絡めたい……というのが私の考え方です。(この話は、あくまで、私が10年位前に出版社に送ったボツ作品……)……。


吉川晃司『エルドラド』

 この話の主人公…的場郷の起こす行動に、重要に関わってくる人物……北方駐屯地司令第四機動歩兵連隊長一等陸佐市村公一の説明エピソード……。

【自衛官の外出】について説明しよう……。独身の自衛官は、駐屯地内隊舎の【営内班】という、15畳程の居室の中に、大体7名程の【合宿】状態で居住する……。既婚者の隊員は、駐屯地外にある【官舎】に、家族と【営外居住】をする。

 隊員達は【課業】【不規則時間任務】終了後、駐屯地外に【外出】することができる……。駐屯地近辺に、ランニングやスキー場に行くための【体力錬成外出】、23時までに帰隊する【普通外出】、帰隊せずに、一泊以上の外泊が出来る【特外……特別外出】がある。

 前述の【准尉】の言っていた『若いモンに外出させてやってくれ!』……若い隊員には重要な事なのだ。駐屯地内に居れば、何不自由なく暮らしていける……。

 駐屯地厚生課では銀行業務を行っている。【駐屯地売店センター】内には色々なお店がある。厚生課売店【PX】に行けば、必要なモノは手に入る。洋服屋もある。雑誌は内地より2日遅れだが、本屋もある。給料日には、街のレコード店が、カセットテープを売りに来る。お菓子屋、喫茶店、食堂、理髪店、本屋、スポーツ用品店、時計屋、電気屋、薬屋……何でも揃っている。【隊員クラブ(居酒屋ホール)】に行けば、飲酒も出来る……。【PX】のレジ打ち店員には若い【厚生課女性職員】がいて【女性の笑顔】?……営業であるが、一応、毎日拝める……。

 だが、……街にいかなければ、手に入らないモノがある……。それは……【オンナ】だ……。【柵】で囲まれた自衛隊駐屯地内に【オンナ】は……?【駐屯地内勤務女性】とは……?【駐屯地厚生課】【駐屯地居酒屋隊員クラブ】【駐屯地売店PX】【駐屯地PX内食堂】【駐屯地PX内喫茶店】【駐屯地PX内理容室】等で働いている女性のことである……。いることは、いるが……僅か数十人しかいない。『若い女性と歓談』したければ、事実上……可能ということである。

 が……、実際は若い隊員は『女子と何を話して良いか?分からない……(笑)』……つまり【駐屯地内勤務女性】は、チラ見しまくって、気になり過ぎる【対象外】であった……。

【オンナ】とは……?それ等の女性達を意味するモノではない……。

【オンナ】とは……何か?【オンナ】とは……。自分と【恋人の距離】に入ってくれる女性のことだ。【恋人の距離】に入ってくれた【オンナ】と、バカ話をして笑い合う内に、見つめあい、息を交わしあい……あとは……?……抱き合い……キス……?……で……?……また、息を交わしあい……見つめ合い……抱き合い……それ等を、時間が経つのを忘れる位に繰り返し……アパートで【既成事実】をつくる……。【既成事実】を作ってくれる女性……それが【オンナ】の定義である……。【既成事実作り】は、隊員達にとって……とても重要なことである……。

【既成事実】とは何か……?【オンナ】が自分の【彼女】になり「貴方の子供を【懐妊】したいよ!」と求めてくれる……。つまり『【オトコ】と【オンナ】で全裸同で交わって【信頼関係】を結ぶこと』である。

 つまり街に【信頼関係のあるオンナ】を作り【普外】【特外】で、アパート等に行き【セックス】をする……というワケである……。隊員達は『若いから、ただ単に【セックス】がしたいのか?』というと……それはそれは……隊員達の性欲は、新鮮で、当然、沢山【オンナとセックス】はしたいだろう……それはそうだろう……。 

 が……本当に……一番欲しいのは何か……?それは、あまりにも純粋な願い……【バラ色の人生】だった………。【バラ色の人生】とは何か?それは『惚れた【オンナ】と、美しく自然豊かな北海道で、ずっと一緒に暮らして行きたい』……という、純粋過ぎて、あまりにもチッポケでツマらない……【バラ色の人生】……。それが願いだった………。【バラ色の人生】……若い隊員達は、人間として、当たり前のことを求めているに過ぎなかった……。

 陸士長番建二のように【駐屯地内勤務女性】と『出会える』隊員は【駐屯地内勤務女性】数十人と同じ数の……僅か数十人しかいない……。大多数、殆どの隊員は【オンナ】との出会いを求め【街】に出るしかないのだ。隊員達は【オンナ】に出会いたくてたまらないのだ……。

 雇用に溢れた80年代、自衛隊に入ってくる者は『【へき地】で仕事がなく』か『シャバ(民間)で堪え性がなく、長続きぜず職を転々とする【アキ助】』が、大多数であった……。

 前述したが【オンナ】に出会えれば【シャバ駄目者のアキ助】も、辛く厳しい【陸曹教育隊】に耐えられる人間に生まれ変われる。陸曹になれば、美しく自然豊かな北海道の北方で【惚れたオンナ】とずっと一緒に暮らせる……。『バラ色の人生』が待っている。素晴らしいチッポケな願いであった……。

【オンナ】にありつけなかった……イヤ……出会えなかったものは……?『2任期務めの御褒美【大型自動車運転一種免許】と【大手民間企業への就職斡旋】』を手に退職していく……。

 建二のように【駐屯地内勤務女性】と付き合うと【駐屯地全隊員】から【羨望の眼差し】で見られ【格好の話のネタ】にされてしまう。もう【駐屯地中の隊員達からの持ちきり】であった。

『売店の食堂の⚪⚪……ミサイル隊の△△3曹と付き合ってるって!』

『厚生課の◻️◻️が付き合ってた~何中隊の⚪△が、2任期満了退職で内地に帰って~今なら【オトコ】いないよ!』

とか……

『隊員クラブのマナミちゃん1中隊の番士長と付き合ってるって!』

『そんなん皆~知ってるじゃん!』

『番士長~川田病院の看護婦の◻️△と付き合ってたよね?』

『北方家政短大の⚪△てコと付き合ってたけどすぐ別れて~』

『川田デパートの花屋の⚪⚪⚪てコと~一緒に歩いてたよな……番士長……オンナに不自由してなくて羨ましいな~』

とか……

『【オレのオンナ】……⚪⚪士長の知り合いのコと友達なんすヨ』

『えッ?……だ……誰だよ……?』

『【オレのオンナ】カシオペア(いなかキャバクラ)で働いてすけどね』

『カシオペアのコと……付き合ってんの?』

『はい!店になんですけど今日も会いに行くんです!』

『…………』

 ……とか隊員達は常に【オンナ】の話ばかりしていた。【柵】で囲まれた駐屯地内……【オンナ】から隔絶された世界は、まるで【自由のある刑務所】と同じだ……。【オンナ】に接する機会を失った男子には【オンナ】が輝いて見えてしまい、感覚が狂ってしまうのだ。いなかキャバクラのコを【オレのオンナ】と思い込んで、借金する者がいたり……とかだ……。

 そして……【オンナ】のために、身体を張る者までいた……。


86年5月のとある土曜日夜

1900(ヒトキュウマルマル)北方駐屯地正門警衛所

自衛隊の警衛任務について説明する……。

 警衛任務とは、駐屯地内施設の警戒監視と、営門を出入りする者の掌握にあたる任務のことである……。24時間交代制で、各部隊から、自動小銃と銃剣を携行した隊員を派遣する形式で、駐屯地警衛隊が編成される……。大体、部隊ごとに行い、警衛隊司令は、2等陸曹以上が務め、3等陸曹数名、陸士数名、夕方から翌朝までの増加歩哨に、陸士数名が加わる……。

 北方駐屯地では、正門警衛所、駐屯地裏門警衛所、弾薬庫警衛所の3ヶ所に、警衛所があり、警衛任務にあたっている。

 郷が、空挺教育隊に行っていた……86年5月始め頃の話をする……。『とにかく寒さが終わり、暖かくなり始めた4月』から『とにかく暖かくなり、心地よい風の過ごしやすさの度合いが高まる5月』に、季節は変わり始めていた……。

 警衛所前を通る駐屯地内道路に沿い、植えられている白樺の木々の、すっかり生え揃った葉の緑に映える、幹の樹皮の白さとのバランスは、幻想的な美しさを醸し出している。その美しさは、日の光が落ちた夜だからこそ、隊舎内照明、道路照明の弱い光に照らされてこそ生まれるのだ……。

 そんな、とある土曜日の夜の19時……。仕事の車や外出する隊員達の通行が減り、少しゆるやかな時間が駐屯地正門警衛所に訪れた……。警衛所の隊員達は、外の白樺の木々を、じ~と見ていた。そして喜びの声を上げた!

「あ~!モモンガばい~ッ!……今飛んで行ったばっつォ~ッ!」……警衛隊員達の癒しの時間だ。

 夜が活動の時間である、北海道に生息するネズミ目リス科亜科モモンガ族に属する小型哺乳類……エゾモモンガは、前足と後ろ足の間の皮膜を広げ、樹木から樹木に【滑空飛行】する事を移動手段にしている。樹木の幹に巣穴を掘り住みかとしている。樹木のない場所では生きていけない……。

 白樺の沢山植えられている正門警衛所の裏地は、エゾモモンガにとって、生息域として合格ラインである。夜に、駐屯地内道路の白樺の樹から樹へと飛び移り、かわいらしい姿を見せるエゾモモンガは、警衛隊員達の【癒しのマスコット】となっている……。

 警戒心が強い筈のエゾモモンガだが、危害を加えることをしない隊員達からの【愛】を感じ取ってしまっているのか……?稀に、隊員達に撫でられに来るエゾモモンガまでいた……。

「あ!モモンガばい~ッ!……今飛んで行ったばっつォ~ッ!」……いい大人が「モモンガばい~ッ!」と子供のようにはしゃいでいる。

 しかし……【エゾモモンガ】はかわいらし過ぎて…………お次は?
 昼は昼で、警衛隊員達は【増加食(オヤツ)】の乾パンを半分食べ、半分を正門警衛所前駐屯地内道路上に【増加食(オヤツ)】として放り投げる……。【増加食(オヤツ)】?誰の?

 昼行性リス科リス族に属する【エゾリス】にである……。路面に、お菓子をなげれば、僅か数十秒で……嗅ぎ付けたように【エゾリス】が現れる……。頬袋に『詰められるだけ』‘’半分乾パン‘’を詰めると、前足を上げ【2足立ち】の姿で、隊員達の方を見ている!チョコン!と【立ち姿】を見せて、動かない……!

『もったいつけてねぇで~もっとヨコセ~ッ!』エゾリスは【チッポケな全身】で訴えている……。

オオオオオオオオオ~ッ!あまりのかわいらしさに、隊員達は歓声を上げた……!もちろん【エゾリス】に【増加食(オヤツ)】を進呈したのは言うまでもない……昼すぎの話だ……。

 昼すぎには【エゾリス】……そして、暗くなった夜は【エゾモモンガ】……あとは?

キョォォォォ~ン!…………キョォォォォ~ン!と動物の吠える声……一応【遠吠え】が聞こえて来る……。

「お!……キタキツネ~近くまで来とるば~い……」正門警衛所建物の中では警衛隊員達が、窓の外に目を凝らして、耳を澄ましている……。

「【お土産】の【鳥串】のお裾分け貰いに来とっとやぁ~?」と、いかにも言葉が九州出身の一等陸曹野馬が言った。

「でも~まだ時間早いッしョ~ッ!」

「見ましたよ~ッ!なまらぁ~ッ!田舎だべやぁ~ッ!【思~♪えば~♪遠~♪くへ~♪来た~♪もン~♪だぁ~♪】歌ってしまったっしョォ~ッ!ハハハハハハハハハ~ッ!」

「…………」「…………」「…………」「…………」……スベったらしい陸士長大橋ばい……。

「何ィ~出身~何処の出~とや~?何処ッから~来とっとやぁ~ッ?」と大橋のスベったネタを話のネタにする一等陸曹野馬だ。

「神奈川県の横浜です~」と若い陸士長大橋が答えた。

「横浜なら~仕事いっぱいあっとや~ッ?なんで【自衛隊】入ったとやぁ~ッ?」

「大橋士長は堪え性ぅ~ないさかい~仕事~あっち~就いちゃ辞めちゃ~こっち~就いちゃ辞めちゃ~ロクなモンちゃいますや~ン!【自衛隊】が一番長続きしとる言うて~自慢しとるサカイ~恥ずかしゅうてぇ~【シャバ】ん出たときン~スナックでそのネタ言わんといて下さぁ~いッ!」といかにも大阪出身の陸士長亀田が口を挟んで来て言った。

ワハハハハハハハハハハハハ~ッ!と残りの二人の隊員達も笑い声をあげた!

「ネタちゃうわぁ~ッ!お前~うるサイ~ショ~ッ!【大阪弁】喋ったら皆がぁ~笑ってくれたり~【大阪弁】喋っとったら相手がビビるんちゃうん

かい?思うとるや~ん!【大阪モン】はぁ~ッ!なまらぁ~ハンカ臭いねン!」とすっかり【道産子弁】に染まった筈が、亀田の【大阪弁】に【自身の方言の位置座標】が狂い始めた大橋だ!

「何ンですのン?ケッタイな大阪弁やなぁ~!知らン人~聞いたら『【大阪弁】ケッタイやなぁ~ッ!』勘違いされるですサカイ~使わンといて下さい~ッ!」

ワハハハハハハハハハハハハハハハ~ッ!正門警衛隊員達は爆笑だった!

「せやからぁ~ッ!【大阪モン】は~すぐ【大阪弁】をネタンすな~ッ!どアホォ~ッ!」

ワハハハハハハハハハハハハ~ッ!

「【大阪弁】真似せんといて下さい~ッ!」

ワハハハハハハハハハハハハ~ッ

「お前のせいでェ~ッ!伝染ってもうたやないかぁ~ッ!」

ワハハハハハハハハハハハハ~ッ!まるで宴会のようにゲラゲラ笑い声が爆発しまくる正門警衛所だ!

キョォォォォ~ン!……キョォォォォ~ン!……【キタキツネの遠吠え】が近づいてきている……。

 正門警衛所の警衛隊員達は静かになった……。【街の匂い】……お土産【鳥串】が届く22時台~近くにならないと、キタキツネは現れない……。

「何ンぞや~ッ!こんな早い時間に誰か~【鳥串】持って帰ってくるとかぁ~ッ?」

「なまら~エネルギ~ッ上がってくるっショ~ッ」

「早よう~誰か【鳥串】持って帰って来ォんかぁ~いッ!」

ワハハハハハハハハハ~ッ!

「酒飲めたらなぁ~ッ!なまらぁ~ッ!楽しいっショ~ッ!お~亀田~ッ!明日警衛終わったらクラブ飲み行くべや~ッ!奢ったげるッショ~ッ!」

「また~ッ!ボクを連れて行って~笑いを取らせてクラブのマナミちゃんとヤヨイちゃんを振り向かせようってのバレバレですやン!」

ワハハハハハハハハハハハハ~ッ!またまた笑い声に溢れる正門警衛所だ!

キョォォォォ~ン!

 帰隊する隊員が【正門警衛所】に【街の匂い】……お土産【鳥串】を持ってくるのが分かるのか……?キタキツネの【遠吠え】が近づいてきている……。

「あ!キタキツネやっか!」警衛所の前をキタキツネが現れた……。

キョォォォォ~ン!と目の前なのに、相変わらずの【遠吠え】だ。街の匂いを嗅ぎ付けて来たらしい……。

 果たして……まだ、遅い時間でもないのに、一台のタクシーが入って来て停車し、中から、私服姿の若者が2人降りてきた……。機動砲兵隊の3等陸曹達だ。片方が、片方を、肩に支えている。支えられている方は、顔中血だらけ傷だらけで、かなりのダメージの様だ……。

「一体、どうしたッ?」と駐屯地警衛隊隊長が叫んだ

「……ヤ……ヤクザモンに……ヤ……ヤラレタ……!」若い隊員3等陸曹丸山ヨシオは、質問に答えた。ウ~ッ!クゥ~ッ!と呻きながら、途切れ途切れに答えた。

「いやぁ~!コイツね~!付き合ってたオンナがヤクザモンのコレ(小指ジェスチャー)だったんですね~!それでヤクザモンが、手下連れてきやがって~!丸山に『オレのオンナに手を出したな』て~ッ!それで~袋叩きにされちゃいましてね~!」と支えている隊員が説明だ。


♪パッパラァ~!パッパラァ~ッ!♪パッパラァ~!パッパラァパァ~ッ!♪パッパラァッパッ!♪パラァパッパラァ!♪パッパラァパァ~!北方駐屯地に非常呼集のラッパが鳴り響いた!非常呼集のラッパは競馬の発走前ラッパと同じだとは……本当か……?(元自コメディアン談)

「非常呼集!非常呼集!……集……ュゥ~!……駐屯地内任務中隊員以外~全隊員は営庭に集号せよ!……セヨ!……服装!ライナー!作業服!半長靴!……カァ~!弾帯!救急セット!木銃携行!……コウ~!」……スピーカーから、大音量の駐屯地内放送が鳴り響き、隣接演習場裏山に当たり、木霊となって返ってきた……。


 数分後 駐屯地営庭


 駐屯地営庭横には【仮設道路】が通っており【駐屯地内道路】であったスペースプラスαの細長い敷地はスチール製万能板で囲われており【現場事務所プレハブ小屋】もある。ブルドーザーで製地された土地には、機材が運び込まれており、新隊舎の建設用地である。建設用地は【市村△△⚪⚪建設JV】と書かれたスチール製万能板で囲われている………???

【市村建設株式会社】は、道央某市にある中規模の建設会社であり、北海道北上半分の公的機関の庁舎建設には、皆【市村建設】が入り込んでいる……。第2師団関内の【自衛隊駐屯地】内の建設現場には【市村建設】の看板が貼られている。(注…架空)

 会社経営者は、道央某市議会の与党重鎮議員であり、近々、道央某市長選挙出馬の予定で、ほぼ【次期道央某市長】ある。

 連隊長市村……???【市村建設株式会社】の経営者の息子である……。【新隊舎建設工事】?と連隊長市村?……関係はない……。あくまでも【市村建設株式会社】の実績と能力で勝ち取った【仕事】であり、連隊長市村に【便宜をはかる】立場にない……。

 ただ、連隊長市村が自衛隊を【退職】した後などは【市村建設株式会社】クラスで、父が【道央某市長職】を得た後の【コネ関係】……というモノを得るのは……固いであろう……。

 非常呼集を受け、機動砲兵隊、機動歩兵連隊他部隊居残り隊員約2百名程の混成中隊が編成された……。非常呼集を掛けたのは、たまたま、駐屯地当直司令に就いていた駐屯地司令第四機動歩兵連隊長……一等陸佐市村公一であった……。

 営庭朝礼台上に立つ市村は、説明を始めた……。

「本日ヒトナナサンマル(1730)!機動砲兵隊第3中隊丸山3曹が街のヤクザモン達にフクロ叩きにされた……!我が、日本国最前線防衛を任された北方の隊員が!……ヤクザモンの様な程度の低いヤツ等ァにナメられて!……ロスケ共(ソ連)と戦えるカァー!」

ウオオオォォォォォォォォォォォォォ~ッ!と混成中隊は、雄叫びを上げた……。

 市村は、続けた……。


「今からキッチリ落とし前をつけさせに行く!……混成中隊!……乗車~ッ!」と叫び、各小隊長に敬礼を右から左へ流した……。

 各小隊長の号令により、隊員達が【3t半(サントンハン)】と呼ばれる73式トラック10台に二百名の隊員達が……、駐屯地警務隊三菱【白ジープ】73式小型トラックには警務隊員と市村達が……乗車する……。動き出す車列の前後には、白ジープだ……。車列は、駐屯地正門を出て行く……


 10数分後 市内パチンコ屋前

パチンコ屋前道路を白ジープと【3t半】が、次から次へと停まると、やはり【3t半】から、着剣銃の形をした木刀……【木銃】を持った隊員達が、次から次へとが下車し、道路を占拠した……

 道路の先と後には、警務隊の白ジープが停まり、白ヘルメットの警務隊員が通行止めをし、交通整理をした……。田舎軽パトカーがやって来た……。開いた窓から、警官が「どうしたのですか?」と、警務隊員に尋ねた……。事情を説明する警務隊員だ……。

「ハハハハハ~ッ!………あまり派手に、やらんで下さいヨ~!」と、事情説明に笑い、敬礼をして去って行く警官の乗る軽パトカーのだ……。たまに、ある事の様な顔をして……。

「ご苦労様ですッ!」と、車列の先、敬礼でUターンして帰って行く田舎軽パトカーを見送る警務隊員だ……。


 店の前の道路に『丁度適当な広さ?』……格闘の円形リングと同じ位の広さの円を、木銃を持った二百の隊員が取り囲む形で立っている…。その『隊員の人集り』の前後に5台の3t半トラック車列が……。北海道の幅広道路の反対車線側にも、5台の3t半トラック車列が出来ている……。道路中央は、車両が交互通行出来る幅だが、道路は通行止めにしてある……。

 パチンコ店入り口ドアが開き、中から、市村、ヤクザモンと手下3人、なかなかの美人、そして3等陸曹丸山……の、7人が出て来た……。

「ウッ?」と、店の前の道路の異様な光景に、ビビるヤクザモン達だ……。『円形リング』の端に立つ7人…。

「アナタは、このヤクザモンと別れて……丸山と一緒になりたがっているそうですが……」と市村は、琴美という女に聞く。

「はい!」と頷く琴美だが……。

「何い~ッ!てめェ~ッ!まだ言うかぁ~ッ!このアマぁ~ッ!」と琴美に殴りかかろうとするヤクザモンだ

「キャァ~ッ!」

「やめろぉ~!」と、琴美を殴ろうとするヤクザモンを止め様とする丸山だ。身体がボロボロゆえに、ままならない……。が……、ヤクザモンの拳が振り上げられたまま動かない……!

「ウッ!何んだ!……痛ぇ~!放せ!…痛ぇ~!……わ!わかったから放せ!」……市村がヤクザモンの手首を掴み、握力を強めたのだ……。市村は握力を緩めた。

『ケッ!バカヂカラがァ~ッ!』と、放したヤクザモンはイキがっている。

「どうなんですか?琴美さんは、この男と別れて……丸山と一緒になりたがってるそうですが……?」

「……ハイ……!」

「テメェ~ッ!俺から逃げたら!どうなるか?分かってンダロなぁ~?」と琴美を脅迫するヤクザモンに、丸山はキレた!

「この野郎!」ヤクザモンに向かおうとする丸山を制す市村だ。

「丸山!やめろ!……という事で……丸山に寄って集って暴力を奮う……【袋叩き】をするのは止めてくれ!……分かってくれますね……!琴美さんは貴方と『別れたい』言ってますね……結婚されてないし……交際期間も短いし……」と完璧に『この街では【自衛隊】が絶対だ!』と……市村の辞書には【民事不介入】の文字はない……。

「……俺の面子はドウしてくれる?……ロスケが攻めてきてアンタの奥さんサラッて行ったら?……『分かってくれ!』言えないッしょ?」

「…………」

「な~!連隊長サンよ~!帰ってくれるかい!」

 黙る市村だったが……「おい丸山!」と始めた……。

「ハイ!」

「お前は、この女性に惚れてるんだろ?」

「ハイ!」

「だったら戦って奪い取れ!タイマンを張れ!」仰天な提案を言葉した市村は、次にヤクザモンに質問だ!

「差しで勝負で……どうですか?」

「…………」と黙るヤクザモン……だが丸山は「やりますッ!」と返事した!

「……さっきは、何人掛かりで来やがって!……タイマンならァ~ッ!テメェなんぞに負けねェ~ッ!」とヤクザモンを罵った。

「…………」

「丸山とタイマンでアナタが勝てば我々は引き下がる……丸山が勝ったらアナタ……手を引いてくれますね!」と黙るヤクザモンに対し、サッサと話を付け始める市村だ!「………」

「それでイイデスネ?」

「…………」

「どォ~ォうなんだぁァァ~ッ?」…………苛立ちの市村……有無を言わせない一喝だッ!

「ヒ!……わ……わかったよ……」と……少しビビりながらも、虚勢を張りながらも【市村からのタイマンの強要】を承知するヤクザモンだ……。

 本来なら【民事不介入】な『オトコとオンナの別れるくっつく』の話……【裁判所】の管轄な筈であり市村は【タイマン】……【決闘罪】を隊員に犯させようとしている……。


 それから十数分後……パチンコ屋の前の道路は、まるでアクション映画【ランボー3怒りのアフガン】冒頭【賭け棍棒ムエタイ】シーンの様に隊員達の大歓声が占拠していた。
ゴバキッ!と音が響き、丸山の拳がヤクザモンの顔を叩く!
ゴバキッ!と音が響き、ヤクザモンの拳が丸山の顔を叩く!
ヲオオオオオオオオオオオオオオオ~ッ!と隊員達の歓声大爆発だ!
ボォフッ!と音が破裂!更に丸山の【腹ぱん】キックだ!
ドガッ!と音が響き、ヤクザモンのローキックだ!
バキッ!ガキッ!ドガッ!ゴバキッ!二人が殴り合い、蹴り合う音が響き合うパチンコ屋前道路上円形隊員人集り闘技場だ!
ワァアアアアアアアアアアアァ~ッ!と、また、隊員達の歓声大爆発だ!
ドダァ~ンッ!とヤクザモンが体当たりで、道路に丸山を倒した!ヤクザモンも丸山に絡まって一緒になって倒れた。
 十数分間、殴り合い、蹴り合い、掴み合い、投げ飛ばし合う『【袋叩血だらけ傷だらけダメージ】ハンディありの日々の体力錬成された丸山』対『日々、不健康な暮らしのヤクザモン』の【タイマン】は、五分五分であった……。
アアアアアアアアアアアアアア~ァッ!と隊員達の落胆どよめき爆発だ!二人とも道路に仰向けに寝転んだままだ。
はぁ~ッ!はぁ~ッ!と二人とも、目を瞑ったまま疲れきって、倒れたままだ。【タイマン】は『ドロー』というところか……?つまり【オンナ】はヤクザモンから逃げられない……。
 パチンコ屋近辺は、ヤクザモンのテリトリーな筈が、所詮【自衛隊の街】でのヤクザモンのテリトリーだ……。完璧に、この勝負は丸山の【ホームタウン】……ヤクザモンの【アウェイ】である。
「頑張れェ~ッ!」 
「丸山3曹~ッ!負けるなぁ~ッ!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ~ッ!
「ガンバレェ~!」と小声で声援と拍手は……?【観戦】していた、近くの住民達だ!街の住民達だ!丸山を応援し、拍手をしていた!
「立てぇ~ッ!立てぇ~ッ!立つんだ丸山~ッ!」誰かが叫んだ。
「お前ぇ~ッ!【オンナ】が欲しいんじゃないのかぁ~ッ!」誰かが【追撃】の声援だ!
ピクッ!と丸山は【オンナ】という言葉に反応した。ゴロリと身体を回転させうつ伏せヤになると、立ち上がるために四つん這いになり始めた。
オオオオオオオオオオオオオオオォ~ッ!頑張れェ~ッ!大声援だ!
 ヤクザモンもハァ~ッ!ハァ~ッ!と肩で息をしながらよろよろ立ち上がると四つん這いの丸山の腹を【掬い上げ腹ぱんキック】した!
ボゴォフッ!と凄まじい音をさせ、20センチメートルは浮き上がる丸山の身体だ!落下し、再び仰向けに寝転んだ。
アアアアアアアアアアアア~ッ!またもや、隊員達の落胆どよめき爆発だ!
「うぐぅ~ッ!」と苦しむ丸山は万事休すか?
オオオオオオオオオオオオオオオォ~ッ!丸山はまた起き上がろうとしている。
「この野郎~ォッ!」ヤクザモンは叫びながら丸山に蹴りかかった。が、丸山がゴロリと身体を回転させて、蹴りを空振りさせた。ヤクザモンは体勢を崩した!
ズダン!と音をさせ、地面に背中から叩き付けられたヤクザモンだ!
ワァアアアアアアアアアアアァ~!歓声大爆発の北海道北部日本海側留萌地方はサロベツ原野の南に位置する北方市……いなかの街一番の栄える大通りパチンコ屋前……。まるでお祭り騒ぎだ!
ゴロリと、また丸山が上体を回転させて起こし、四つん這いでヤクザモンに近付く……それだけなのに……?
ワァアアアアアアアアアアアァ~ッ!大歓声さらに大爆発!
 丸山がヤクザモンに、マウントして殴り掛かろうとパンチを肩の横に引きオーバーで構えた!丸山がヤクザモンの顔面にオーバーパンチをブチ込もうとした、その時だった!
「わかった~ッ!……わかったよぉ~ッ!……オレの負けっショ~ッ!」とハァ~ッ!ハァ~ッ!とスタミナのないだらしないヤクザモンは【白旗宣言】だ!
 殴るのを止めた丸山は、構えたパンチを下ろすと、更に再びゴロリとヤクザモンの脇に仰向けで寝転んだ!目を瞑り口を大きく開けてハァ~ッ!ハァ~ッ!と荒い息だ
シ~ン!と静まりかえる隊員達……。
ヨロヨロと起き上がるヤクザモンは丸山を見下ろして言った。
「チッ!この野郎~」そして3人の手下達に「おいいくぞ」と言った。
ヘイッ!と返事しヤクザモンに着いていく3人の手下達だ!
「丸山3曹ォォ~ッ!立てェ~ッ!」と、仰向けの丸山を怒鳴り付ける市村だ!
ヨロヨロしながらも、立ち上がる丸山だ!
「では!今後~二人にかまわないでいただけますねッ?」 市村は【最終確認】の【追撃】だ!
「わかったよぉ~ッ!好きにしやがれ~ッ!」と、振り向きもせず、捨て台詞を叫び、手下達3人と共に、隊員達の人集りをかき分け、パチンコ屋の前を後にした。
ヨシオさァァァ~ンッ!……名前を叫びながら近付き、丸山に抱きつく琴美は泣き声を爆発させた。
アフフゥ~ッ!アヨヨヨォ~ッ!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!と住民と隊員達が拍手した……。
ジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャ~ッ!と大拍手だ!『良かったなぁ~ッ!』『頑張った~ッ!』と大喝采だ……!
ワァアアアアアアアアアアアァ~ッ!と大歓声だ……!
ジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャ~ッ!と住民達と隊員達の、鳴り止まない大拍手だ……!
 一分間程、続いた拍手喝采が終わると、市村は幹部に何やら命令した……。
ハイ!と返事し、市村に敬礼した幹部は、丸山に【伝達事項】を伝告げた。
「丸山3曹!中隊には連絡しておく!今夜は【特外】を認める!身体を休めろ!以上!」
 市村は笑顔で琴美に話掛けた。
「よう~ッ!アンタの新しい【オトコ】~ッ!なかなかァ~骨があるじゃねぇかぁ~ッ!……【結婚式】……呼んどくれよなぁ~ッ!」……まるで『よぉ~ッ!おリンちゃん!これからは~ッに【キョ~デェイ(兄弟)】達の面倒~しっかり見てやるンだぜェ~ッ!』の『【遠山の金さん】の様な『う~ん!う~ん!』と【自画自賛の頷き&笑み】』の笑顔を見せて、琴美に話掛けながら……【流し目】だ……!
 丸山の胸に顔を埋め泣きじゃくっていた琴美は、市村の鵬に顔を向けた!市村を見て叫んだ!
「連隊長さん~ッ!ありがとうございます~ッ!」
「連隊長~ッ!ありがとうございますッ!」やっと目を開けた丸山も叫んだ……。
『う~ん!う~ん!』と頷く顔の【流し目】の市村だ!……完璧に【遠山の金さん】になってしまった市村だった……。が?……琴美にと丸山見せていた【流し目笑み】を急に仕舞い込み、しかつめらしい顔をすると、幹部に何か告げた!幹部はまたハイ!と返事し敬礼すると叫んだ!
「混成中隊ッ!整列~ッ!」号令だ!隊員達は囲みを解いて駆け足で並び出した!パチンコ屋の前の通りに隊列が出来【整列】が完了した!
 【整列】した隊員達を前に、敬礼した市村から隊員達に特に訓示はない。しかし完璧に【あの男】に成りきっていた!【遠山の金さん】の『これにてェ~ッ!一件!落着~ッ!』にあたる【帰隊の号令】を発した!
「本日はご苦労であった~ッ!これにてェ~ッ!……帰隊する~ッ!混成中隊~ッ!!乗車ぁ~ッ!!」と完璧に【遠山の金さん】になりきっていた市村であった……。

 隊員達の乗車が、単純完了すると、2台の白ジープと10台の3t半パチンコ屋前通りを去って行った……。丸山と琴美は車列が見えなくなるまで頭を下げていた……。

第7話に続く…
  

陸上自衛隊中部方面音楽隊『タイム・セイ・グッドバイ』