第6話-5


 10年前、イラク人少女に起きた悲劇がオーバーラップした!あの時と同じではないか!一旦は地面に伏せたのに‘‘宝物‘’の入った宝箱を取りに行くために起き上がり、自ら炸裂爆風に身を晒し、命を失った9歳のイラク人少女ティーシャ……。
 一旦は避難テント村に行ったのに‘’宝物’’を取りに行くために、これから大津波が押し寄せるスラムに戻って行った9歳の少女ティモーナ……。何ンということだ!ティモーナに、ティーシャに起きた悲劇が繰り返されようとしている……。
 あの時、少女を守れなかった悔しさ、悲しさ、苦しさ……思い出すと、10年経った今もセルズの胸を締め付ける。


[re:]/『もう一度』


 セルズは大きく目を見開いた。目線をゴミマウンテン麓に広がるスラムに落とし、水平線の方から迫り来る津波にと、交互に見やった。心拍数が一気に最高値にまではね上がり、顔から血流が消えて、耳たぶや頭皮の温度が変化するのを感じた。
(「ティモーナを助けに行かなければ!何ンとしてもティモーナを救うンだ!……でも、どうしたら良いんだ?バーンフィッチャーのヘリを呼ばなければ!……スラムの中は片っ端から歩き回ったから隅々まで知っている……走って行ってたのでは間に合わない!」)と頭の中で解決方法を探しながらヘリに無線連絡だ!
「ヘリ01!ヘリ01!こちらアルファ01!これよりスラムに行方不明者1名の救助に向かう!大至急ゴミマウンテン頂上まで来てくれ!」
 と、その時だった……。
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ~ッ!とエンジン爆音を轟かせて、ハンター01が頂上広場に向かって飛んできた。予備処分場付近で住人few人を保護して、ゴミマウンテン頂上広場に降ろすために、着陸体制だ!相変わらずスキッドに、使わない偵察バイクをくくり付けている。
 強風と砂ぼこりを撒き散らし、ハンター01はゴミマウンテン頂上広場に着陸した。モンダ軍曹とカザキ伍長がfew人の住人達を降ろしている。勿論、ティモーナの姿ではない。
(「ヘリだけでは間に合わない!同時に下からも助けに行かなければ!やっぱり、アレを使わせてもらおう!」) とセルズはハンター01にダッシュで向かった。
凄まじいスピードで駆け寄ってきたセルズに驚く男性伍長カザキだ。
「ヒィィ~ッ?」と悲鳴を上げた!
「バイクを貸してくれェ~ッ!人命が懸かってるンだァ~ッ!」とスキッドにくくり付けてある『kawasaki偵察オートKLX250』バイクのハンドル両グリップを握りながらカザキに叫んだ。
はァ~ッ?……この『偵察オート』は日本国陸上自衛隊のモノですゥッ!アメリカ合衆国の兵士のセルズ中尉に、貸すことは出来ませんッ!」とカザキは叫んだ。
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ~ッ!と凄まじいエンジン爆音だ。
 チャンネル8のカメラクルー達とサカタが駆けつけた!何を話しているかは聞こえないが、何か?叫びあっていると判断したのだサカタは実況中継を叫び始めてしまった。
「どうやら~ッ!彼はァ~ッ!日本国ジャパニーズアーミー‘‘陸上自衛隊’’の偵察オートバイを借りたいようですゥ~ッ!今、隊員に頼んでいるようすゥでェすがァ~ッ!……男性伍長が首を横に振っていますゥ~ッ!……バイクを貸したくない様子でェしょうかァ~ッ?」

世界中の街頭ビジョン前の人々は……
ヴヴヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ~ッ!ヴヴヴゥゥゥゥゥゥゥ~ッ!
世界中の街頭ビジョン前の人々は伍長のカザキにブーイングだ。中指立てファックだ!親指立てダウンだ!
ハンター01の下では……
「いいから貸してくれよォ~ッ!緊急事態だろォがァ~ッ!」セルズは怒って叫んだ!
「セルズ中尉ィ~ッ!貸すことは出来ませんッ!」とモンダも叫んだ。
「『人命が懸かってる』つッてンだろがァ~ッ!その融通が利かないのォ~いい加減に(しろォ~ッ!)ッ?」
「『人命が懸かってる』からですッ!」と叫び、セルズの言葉を遮るモンダは続けた。
「今からスラムに向かえばセルズ中尉ィ~ッ!……あなたの命を危険に晒すことになりますッ!貸すことは出来ませんッ!」
 モンダはサカタ達が自分達をカメラで撮っていることに気が付いた。貸さないと世界中にブーイングが沸き起こるだろうが、セルズの命に関わる事だから貸せない。
「オレは兵士だ!自分の身の危険を感じたからァッてェ~ッ!誰かを見捨てるなンて出来るかァ~ッ!ティモーナを見捨てるなンて出来るかァ~ッ!」
「自分も同じですッ!セルズ中尉の命を危険な目に遭わせるワケには行きませんッ!」
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ~!とハンター01のエンジン爆音が激しい中、モンダはセルズを、セルズはモンダを真正面から見据えた。数秒、互いに目を射抜く様に見合うモンダとセルズだ……。
(「……勝手に借りてくぜ……」)と、セルズは次の行動に移ることに決めた。
「……いいからァッ!バイクを貸してくれヨォ~ッ!この鎖はどウやって外すンだァ~ッ?」とバイクを固定している太い鎖を掴み、脇ボルスターからベレッタ92Fを抜きながら、質問を叫ぶセルズだ。
「鍵が掛かってまァ(すッ!)ヒッ?」
「キャッ?」と悲鳴上げのカザキとモンダだ!
ズゴォバァン!チャァン!と射撃音と鎖がちぎれる音がした!カザキの返答はベレッタ92Fの射撃により遮断され、鎖は切断された。
 セルズは脇ボルスターに拳銃を戻した。スキッド上レールに嵌められたカワサキ250CC偵察バイクのハンドルを、両手で押して前進させながらカザキに叫んだ。
「バイクの鍵をくれェ~ッ!」
(「どうしますか?」)カザキはモンダに目で質問だ。
「…………わかったァ~ッ!自分が責任を取るッ!セルズ中尉にバイクの鍵を渡せェ~ッ!」と叫ぶモンダだ!
「…………どう(ぞ!)ッ?……」と胸ポケットから取り出したオートバイの鍵を差し出すカザキの手から引ったくるように取るセルズだ。
「サァ~ンクス!アァルゥッ!ガァット~ォッ!(ありがとう)」と叫び、偵察オートKLX250に股がるとスターターを回した。
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ!と相変わらずハンター01のエンジン爆音の騒音が激しい中だ。
ドォボォバァババババアルルルルルルルルルルゥ~ン!とエンジン音が発せられた。
「メットォ~ッ!」とモンダはカザキに叫んだ!
ハイ!と言いながら、カザキはキャビン内側の脇に引っかけてある‘’軽量ヘルメット‘’をモンダに手渡した。
「セルズ中~尉ッ!お願いですッ!」と叫びながら近寄り、セルズの頭に‘‘軽量ヘルメット’’を被せながら続けた。
「危険と判断したらァ~ッ!、すぐに自分の命を守る行動を取って下さァ~いッ!分かりましたかァ~ッ?」とモンダは叫んだ。
「わかったァ~ッ!ドォモォアルガットォオ~ッ!(どうもありがとう)」とセルズは礼日本語を叫んだ。
ドォボォバァババババババババババルルルゥ~ン!とエンジン音を響かせてオートバイは、海抜50mのゴミマウンテン頂上広場を海方向に向かった。広場端に達すると、セルズを乗せたバイクはジャンプした!スキージャンパーの様に、数十m斜面を滑空した。斜面に着地すると、バイクは猛スピードで降りて行った。
バパパルルルルルルルルルルルゥ~ン!とコンパウンドブラックホークがエンジン回転音を響かせて、セルズの頭上に現れた。セルズを先導して行くため、空から情報を送るためだ!
 見下ろす麓のラモン湾沿岸トゥポインティングエリア・スラムには、沖から大津波が迫って来ている。
「よしッ!我々は他に残存者がいないか沿岸域を探しに行くぞッ!搭乗ォ~ッ!」とモンダは叫んだ!
「搭乗ォ~ッ!」と復唱するカザキだ!キャビンに乗り込む2人だ。
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ~ッ!とエンジン爆音が高まりハンター01は上昇を始めた。
ブルルバァウワァァァァァァァァァァァァ~ッ!と遠ざかるエンジン回転音を
させて飛んで行くハンター01だ……。

ゴミマウンテン斜面を走り下りて……
 スラムを走るセルズの乗るOD色オートバイだ!倒壊バラック屋もあり、スラムの狭い道を塞いでいるところもある。

バァパァルルルルルルルルルルルルルルルルルゥ~ッ!

バーン・フィッチャーのコンパウンドブラックホークのエンジン回転音がセルズの頭上を追い越して行き、先導し始めた。空から‘‘通行可能情報’’をセルズに知らせるためだ。

「こちらアルファ01!ヘリ01どうぞォ~!」

『こちらヘリ01!アルファ01どうぞォ~!』

「ティモーナが行くところは分かっている!H5~!3~!4だァ~ッ!」

『いつもの、あそこだな!どうぞォ~!この先、倒壊バラック屋あり左へ曲がり5本目を右に曲がれ!』

「ラァ~ジャアァ~!ヘリ01!」

バーン・フィッチャーの無線での誘導で目的地点まで大至急、到着したいセルズだ。


BA609の側部ハッチからは……

バパルルリリリリルルリリリリリリリリリリリリリリ~ッ! カメラを担いだチェリーボーイサムとスー・ミリガンが身を乗り出していた。斜面を走り降りて行くセルズ、セルズの真上に現れた最新機コンパウンドブラックホーク……。2つの対象に、交互にカメラを向けを撮影&レポートしていた。

「サァ~ム!撮ってるわねェ~ッ!」

「ああ!勿論だよスー!」

「3!2!1!……ご覧下さいッ!たった今、国際活動隊より『行方不明の9歳の少女ティモーナ』に関しての新たな情報が入りました……『9歳の少女ティモーナはスラムに戻り行方不明なった』とのことです!そしてご覧下さいッ!今!我々の乗っているBA609が!コンパウンドブラックホーク!アメリカ軍の最新ヘリの100m程横を飛んでいます!下をご覧下さい!隊員兵士がスラムをオートバイに乗り走っています!」

 少し速度を上げるBA609だ!コンパウンドブラックホークの100m程、斜め前まで追い越して飛ぶBA609だ!その数百m先に、全世界が喜び叫ぶモノが見えたようだ!

「あ!見つけました!少女を見つけました!」スーミリガンは歓喜のレポートを叫んだ!チェリーボーイサムがカメラを少女のいる方向に向けた。陸から海に向かう100m程の長さの‘‘見晴らし通り台’’上の、海側の端に立つティモーナを確認した!


予備処分場岸辺……

 とうとう大津波が、予備処分場岸辺に到達した!

ゴォゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォ~ッ!と地響きがして、岸辺に向かって来ていた津波が、上方に跳ね上げられ30m近くの高さの海水の壁と化した!


世界中の街の街頭ビジョン前では……

 世界中の街頭ビジョン前の人々は、‘‘見晴らし通り台’’上の海側の端に立つティモーナを確認した!

ワワァァァァァァァァァ~ッ!と、大歓声が上がった!……と思いきや?

オワァアアアァァァァァァ~ッ!と、どよめきに変わった!

キャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ~ッ!と悲鳴が発せられた!少女の身が、切迫した状態である事を示すモノが映り込んだのだ!

 少女の立つ位置の背後……スラムのバラック屋郡の、更に後方の広いスペース‘’予備処分場‘’の海岸に、津波が到達した様子が映し出された!津波が約30mの高さの海水の壁へと変化した!狂暴な姿を現したのだ!

 陸の予備処分場に上がった大津波が迫って来ている。すぐに、スラムに達し、あらゆるバラック屋を飲み込むであろう。ティモーナの立つ‘‘見晴らし通り台’’に迫って来ている事が、全世界衛星生中継放送で知らしめられた!

 そして、カメラが後方横と下にと向けられた!少女の救出に向かうセルズとコンパウンドブラックホークの様子が映し出された!

『カウボーイ!……ティモーナを助けてくれェ~ッ!』全世界が願った……。

『スーミリガン!……ティモーナを助けるところを~ちゃんと生中継してくれよなぁ~ッ!』と大喚声の世界中の街頭ビジョン前の群衆だ!


例のとあるアメリカン一家だが……

「オォ~イ!カカァ~ッ!大変なことになってるぜェ~ッ!お前もこっち来てテレビ見ろォ~ッ!すごいことになってるぜェ~ッ!……でェ~!ついでにビール持って来ォ~いッ!」

「どれどれ~?どうなったのよォ~ッ?」とキッチンヒーターを止め、冷蔵庫の扉を開けてプラ枠留め缶ビール束を取り出し扉を閉める母親マァムだ。それなりに時間が掛かるのだ。

「『早ァ~やァ~くゥ~持って来ォ~いッ!』つッてンだろォ~がァ~ッ!」

「カマァ~ン!持って来たワョォ~ッ!『ビール持って来い!』て言ったり『テレビ見ろ!』て言ったり!ワケ分からないわよォ!」

「まず!ビールよこせってのォ!」と妻の手にした缶ビール束をひったくる父親ダァディだ。

「コレよォ~!まとめて持って来たら温(ぬる)くなるだろう!飲む時に冷蔵庫から出すンだよ!残りのビール~冷蔵庫に戻して来いッ!」と束から外した缶ビールのリングプルを引き、プシュ!と音をさせながら、ダァディはカカァ(妻)マァムに言った。

「ワタシも飲むのヨォ~!だから束で持って来たのよォ~ッ!」

「おい!カカァ~ッ!『残りが温くなるだろう』つってンだろうがァ~ッ!残りのビール戻して来ォ~いッ!」

「『お前もこっち来てテレビ見ろォ~ッ!』言ったでしょう?たまには自分でやンなさいヨォ!」

「カカァ~ッ!てめえ~ッ!何ンだトォ~ッ?」と喧嘩が始まる寸前だ!『‘‘ビール’’を持って来た』『ビールを戻せ』で喧嘩がはじまりそうだ!

 まるで『ミサイルを持ち込んだな!』『ミサイルを持って帰れ!』昔の大国同士の喧嘩と同じだ『H&W(夫妻)ビール危機』だ!

「ダァ~ディ~!マァ~ムゥ!喧嘩しないでテレビ見ようよォ~!見逃したら大変だよォ~!ビールなンて2人で飲めば、すぐに飲み終わって、そんなに温くならいヨ~!」と、喧嘩がヒートアップする前に、ピートが仲裁の和平交渉大使となった。

 ダァディとマァ~ムゥの共通の課題『テレビで‘’大変な場面‘’が衛星生中継放送されるから見逃さない』ために、2人が飲む分の‘‘ビール束’’をソファーテーブルに置く……。ピート大使の和平交渉案を両親は受諾した……。

 アメリカン一家の夕食時~テレビジャックのセルズ達だった……。


BA609機内では……

(「コンパウンドブラックホーク!アメリカ軍の開発中ヘリが何故?それも、そうだけど……」)とスーは興味が湧いた……。

「ご覧下さい!……陸から海方向に伸びる100m程の長さ構造物……スラムの人達から’’見晴らし通り台’’と呼ばれています!……‘‘見晴らし通り台’’の海側の端にティモーナが立っています……国際活動隊のコンパウンドブラックホーク1機が……」とレポートしながらスーミリガンは愕然とした!

 スラムの先の予備処分場に到達した大津波が‘‘見晴らし通り台’’に、かなり速い速度で向かって来ているではないか!

「オオォォォ~マァ~イ~ガッドゥ!…………大変です巨大な津波が!30m近くの高さです!少女?立つ‘‘見晴らし通り台’’にやって来ます!オオマァイガ~ッ!ご覧下さいッ!サァム!津波が来るのを撮って!」


バイクに乗るセルズ……

ドォバァバァババババァルルルルルルゥ~ン!バァバァババババァ~ルルルルゥン!

『アルファ01急げ!津波が予備処分場に到達したゾ!』

「ヘリ01!近道あるか!オーバァ~ッ!」

『ラァジャアァ~!アルファ01!3本目の道を左に曲がり50m進め!』

「ヘリ01!反対方向だぞ!もうすぐ、H5~3~4が近いのに何故だ~ッ!」

『アルファ01!言う通りにしろぉ~ッ!そこだ!左に曲がれェ~ッ!』 

ドォバァバァババババァルルルルルルゥ~ン!ブルブブブルルルルワァ~ン!バァバァババババァ~ルルルルゥン!とエンジン回転音が変化し、ブレーキング&アクセルターンし、スピードを上げた!バーン・フィッチャーに言われた通りに、バイクを50m程猛スピードで走らせた。

『アルファ01!ブレーキ&ターンだ!そしてアクセル全開で今来た道を戻れェ~ッ!』ブルブブブルルルルワァゥンン!ザザザァ~ッ!急ブレーキ&アクセルターンのセルズは再びアクセルをフルスロットルで回した!

 バイクはウィリーし、前輪が起き上がった!急加速のセルズの前方、目に入って来たモノは……?道を塞ぎ行く手を阻むように、地面に斜めに在る倒壊した教会の屋根だ!

 だが?まるでジャンプ台のようだ!‘’教会屋根ジャンプ台‘’だ!

(「はッ?そうかぁ~ッ!なるほどォ~!行くぜェ~ッ!ウオォ~ッ!」)と目に入って来た光景に、意味を理解した!

「ラァ~ジャァ~ッ!ヘリ01!オワァァァァァァ~ッ!」とセルズは叫び、アクセル最全開の猛スピードで、バイクを倒壊教会斜め屋根に向かって走らせせた!

ブルブブドォバァバァババババァブルルルルワァ~ン!とエンジン音を響かせ、セルズを乗せた偵察バイクは、倒壊教会屋根に突進して行った!到達した!

 エネルギーが前進方向から斜め上方向に変化した!セルズは変化を膝を使い和らげ、‘’倒壊屋根斜めジャンプ台’’をバイクと共に、空高くへジャンプした!数十mの高さまでジャンプした!


見晴らし台通りの上……

 ラモン湾の海が一望出来、陸から海方向に100mに渡る‘‘見晴らし台通り’’の海革の端……一人の少女が立っている。ティモーナだ。手に‘‘宝物’’……‘‘ゴミに捨てられてた教科書’’を持っている。ラモン湾の方を見ていた……。

バパパリリリリリィリリリリリリリリリィ~ッ!とヘリのエンジン回転音が近付いてきた!ティモーナは、エンジン回転音の方を振り返った。すがるような目で、BA609の開けられた側部ハッチから身を乗り出しているスーミリガン達を見た。

(「せっかく……やっとの思いで‘‘宝物’’を取って来たのに……すごく大きな津波……間違いなく死ンじゃうよ……嘘でしょう?……」)とティモーナは、なす術が無かった。不思議と時間が長く感じられた……。

 さっきまでの大変な思いは何ンだったンだろうか?テント村を出てからの自分の行動を、走馬灯を見るように思い出していた……。人は死ぬ時に、生きて来た時間を思い出すと言うからか……?

(「ワタシの今までって……何ンだったンだろう……?お父さんが殺されて……ただでさえ貧しかったのに……食べて行くためにお金がいるから……学校に行けなくなって……ゴミを漁るようになって…………そして、お母さんも病気になって死んじゃった……悲しみに押し潰されないように……何ンだかンだ……いつも笑って生きてきた………学校に行きたかった……勉強がしたかった……ゴミの中から‘’捨てられてた教科書‘’を拾った時は……嬉しかったな……知らなかったことを知って……色々、考えたら……『ワタシが色んなことが出来る人になれる!』って思えたナ……胸がドキドキしてすごく幸せって……感じられたナ……もっと色んなことを知りたかったナ……もっと色んなことを考えたかったナ……色んなことを知って考えて思って……色んなことを感じたかったナ……勉強がしたかったナ……」)

 ほんの数時間前、テント村を抜け出して、必死にスラムまで走り、倒壊バラック屋から‘‘宝物’’を引っ張り出してきたティモーナだった。

バパパバパパバパパバパパバパパバパパリリリリリリリリィ~ッ!とエンジン回転音をさせてBA609が、100m離れ低空で通過して行き上昇し始めた。

『指を咥えて見ている』かのように、一人の少女が立っている様子を、太った白人チェリーボーイサムがテレビカメラで撮影している。

 ティモーナは心の中で叫んだ!

(「おばさん!……お兄さん!……助けてくれないの?……見てるだけなの?」)と、すがるような目でBA609の開けられた側部ハッチから身を乗り出しているスーミリガン達を見た。

 その時だった!
バパルルルルルルルルルルルルルルルルウゥゥゥゥゥゥゥ~ッ!とエンジン回転音を響かせてコンパウンドブラックホークが、ティモーナの頭上を低空で通過して行った。
 海の方向に飛んで行き、迫り来る大津波~海水の壁~をバックにギリギリ手前で引き返す様に急旋回し、見晴らし通り台の方向に向かって飛んで来た。

ゴォゴゴゴゴゴォゴゴゴゴゴゴォザァザザザザザザザザァァァァ~ッ!バキバギバキバキバキィ~!と凄まじい音を立てて、大津波がスラムに到達した!バラック屋を片っ端から蹴散らし飲み込んで、ティモーナのいる見晴らし通り台に向かい迫ってくる。

 その距離200m!……180m!……150m!……120m!……100m!……近づいて来る!

「……助けて……助けて…………おじさん…………おじさァ~ん!助けてェェェェェェ~ッ!」とティモーナは叫んだ!

 ……その時だった!

ブルルバァウワァバァバァバァバァァァァァァァァァァァァ~ン!と後ろから、バイクのエンジン音がした!ティモーナは振り返った!‘‘見晴らし通り台’’陸側の端の上の数十mの高さの空に、OD色オートバイに乗ったセルズが現れたではないか!‘‘見晴らし通り台’’に向かい、倒壊教会屋根を使い、大ジャンプして向かって来たのだ!

バァンダァァ~ン!と音を立てて、ティモーナの10m程手前に着地したオートバイだ!

ブルルバァウワァ~ンッ!とエンジン音をさせてオートバイ走らせた!ティモーナの前まで来ると、ブレーキ&アクセルターンさせて、向きを陸方向にして止まる偵察オートkawasakiKLX250‘’だ!

「ティモーナァ~ッ!早く乗れェ~ッ!」とセルズは叫んだ!

「おじさァァァ~んッ!」と叫びなら、オートバイに向かい急いで駆け出すティモーナだ!

セルズの後ろに乗るティモーナだ!‘‘教科書’’を持った片方の手と、もう一方の手の両腕で、セルズの胴に抱き付いた。

「しっかり捕まってろォ~ッ!行くぞォ~ッ!」

ブルルバァウワァァァァァァ~~ンッ!とエンジン回転音が上がる!

キャアァァ~ッ!と悲鳴を上げるティモーナはセルズの腰に力一杯抱ついた。セルズとティモーナの乗ったオートバイは、‘’見晴らし通り台‘’上を陸方向にウィリー急発進した! 



 大津波は更に‘’見晴らし通り台‘’に到達すべく、距離を縮め迫って来ている!その距離80m!……60m!……40m!……20mだ!コンパウンドブラックホークが、津波より十数m先をセルズ達の方へ低空飛行で向かっている。ヘリからはワイヤーケーブルで、ホイスト救命リングが垂らされている!大津波のほんの十数m先を、低空飛行で向かって来ている。
見晴らし通り台上を、津波のエネルギーがヒーターパネルや雨水タンクを跳ね上げながら、セルズ達の後ろから迫ってくる!更に、迫って来る!100m近く走った!‘‘見晴らし通り台’’も終わりだ!
「しっかり捕まってろヨォ~!それェ~ッ!上がるゾォ~ッ!」と叫びながらセルズは‘‘ホイスト救命リング’’を片腕で抱え込み、残る片腕でティモーの上体を抱き抱えた!
「ヘリ01!上げてくれェ~ッ!」
「ラァ~ジャァ~ッ!アルファ01!上昇ォ~ッ!今だァ!ナァ~ォッ!」
 後方から海水の壁……大津波がオートバイに迫って来る……、絶体絶命のピンチだ!
‘‘見晴らし通り台’’があと十数mで終わりの時……ホイスト救命リング’’を抱え込んだ片腕、ティモーの上体を抱き抱えた残る片腕……セルズの両腕に大きく負荷が掛かった!コンパウンドブラックホークが急上昇したのだった!
 セルズ達が引き上げられると、オートバイは惰性で走り‘‘見晴らし通り台’’の陸側端の手摺に激突した!『kawasaki偵察オートKLX250』は衝突エネルギーで回転しながら、襲い掛かる様にセルズ達に向かい飛んで来た……。
 が、引き上げられるセルズ達に激突寸前、重力に逆らえず、落下し始めて津波に飲み込まれ姿を消した!
「ウヲオォォォォォォォォォォォ~ッ!」と、セルズは叫び声を上げて、両腕に掛かる強い負荷に耐えた!コンパウンドブラックホークは数十m上昇した!間一髪で大津波からセルズとティモーナの2人は生命の危機を脱した!

街頭ビジョン前の群衆は……

オワァアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ~ッ!と大歓声だ!大喜びだ!

『オォ~マイガァ~ッドゥ!』喜怒哀楽が激しいアメリカン女性は皆が涙を流した!

‘’決死の救出劇ヒーローの活躍‘’は、全世界衛星生中継で数え切れない程の人々の心を揺さぶった!
 アメリカでは『オォマイガァッド~ゥ!』『カマァン!ベィビ~!』と叫び、知らない人同士、抱きあった!アメリカ人は自由だ……!心から嬉しいことがあると、誰かに抱きつきたくなり、抱きしめたくなるの国民性の様だ。
‘’決死の救出劇ヒーローの活躍‘’は、全世界衛星生中継で数え切れない人達の心を揺さぶった!

カリフォルニア州政府庁舎知事執務室では~
オワァアアア~!とシュワちゃんは‘‘’’雄叫びを上げた!
キャアァァァァァァ~ッ!と歓喜の悲鳴は秘書のステファニーだ!
『へェ~イ!パチンといくゾォウ!』『ハァ~イ!パチンといきましょう!』と2人はハイタッチだ!
チバァン!とハイタッチの大きな音がした!
キャッ!と小さく悲鳴を上げるステファニーだ。
(「痛ァ~いッ!」)と‘‘馬鹿力シュワ知事’’とのハイタッチを後悔した。
「すごいじゃないカァ~!まるで、ハリウッドの映画俳優だった頃のワタシみたいじゃないカァ~!すごく、カッコ良かったゾォ~ウ!」とシュワ知事も大喜びだ!
 何せ、カリフォルニア州の山林火災を防ぐ目的の特殊核実験だ……。が、結果的に15,000㎞の海溝線を伝わり、フィリピン海プレートのエネルギー開放を誘発し、大地震による大津波が発生し、大勢の貧しい人達が暮らすスラムを襲った。小さな女児の行方不明は悲劇すぎて‘‘政治家’’として、ダメージが大きすぎる。『死者0』の報告を意味する『決死の救出劇』を心から喜んでいた。

モハベ矯正センターチャンクの牢部屋

「やったぜェ~いッ!あの野郎~!なかなかやるじゃねェ~カ!」とチャンクは既に自分を『ゴミ呼ばわり』したセルズを許し、リスペクトしていた。

(「コイツ~すごくイカしてるわァ~!カッコいいわァ~ッ!でも~アタシが抱かれたいのはチャンクだから」)と、口と鼻にタオルを当てて息づかいが聞こえないようにしていた。チャンクの牢部屋に侵入したジョイは、チャンクと一緒にテレビが見たいので、背後に立ち、気配を殺していた。


例のピート少年の家では……

「オォォォォ~ッ!おい!カカァ~!乾杯だ!チィエェ~ズ!」とダァディだ!

「チィエェ~ズ!」とマァムゥだ!

「チィエェ~ズ!」と、ピートは缶コーラだ!アメリカ人だろうが、日本人だろうが、ヨーロッパ人だろうが、嬉しいことがあるとビールを飲んで乾杯するのだ。

世界中のあちこちでビールが消費されるだろう……。

スラム上空数十m

 世界中が歓喜に沸く中、吊り下げられたセルズの片腕に抱き抱えられたティモーナに、とんでもない事が起きた!ティモーナが命を懸けて取りに戻った宝物……。いつも、気をつけて持たないと表紙まわりから外れて、ページがバラバラになり落ちてしまう‘’宝物‘’……。迫り来る津波の恐怖から解放され、少し気が緩んだ……。

 ……その時だった!

(「あッ?」)ティモーナは、新たに我が身に起きた出来事を認めたくなかった。



 ティモーナが命を懸けて取りに戻った宝物……。気をつけて持たないと、‘’表紙まわり‘’から外れて、ページがバラバラになり落ちてしまう‘’宝物‘’……。‘’ゴミに捨てられていた教科書‘’は、‘’僅かに‘‘表紙まわり’’を残し、バラバラのページは‘‘警告ビラ’’の如く、津波に飲まれるスラムの空に雪のようにヒラヒラと舞った……。

「(アァァァ~ッ?)」と、セルズに抱きつく力を緩め、‘‘宝物’’を追いかけようとするティモーナだ!

「馬鹿野郎ォ~~ッ!しっかり掴まってろォ~ッ!」とセルズは叫んだ!

「………………」……声も出せず呆然と、舞い散らばり落ちていく教科書ページを見ているティモーナだ……。

「(…………ティモーナは胸が張り裂けそうな位に苦しく辛いだろう……だが……人命を命を懸けて救うのが俺の任務だ……活動で仲良くなったからといっても……この少女の傷ついた心を救うのまでは……俺の任務では……ない……ティモーナ……ごめんな…)」と、セルズは、娘の様に懐いてくれたティモーナの辛さが、自分のことの様に辛かった。全てを救うことが出来ない自分を、‘‘任務’’という言葉で何んとか割り切ることにした……。

 雪のようにヒラヒラ舞い落ちて行くページを見て『ティーシャの売り物……雪のようにヒラヒラ舞い降りて来たパッチ』を思い出すセルズだった……。10年前のイラクで……ティーシャの命は守れなかった……。

 が、今回、フィリピンではティモーナの命を守ることが出来た……。セルズはフゥゥ~!と息を吐いた……。心拍数が少し落ち着くのを感じた。

「ホイストワイヤーを巻き上げてくれェ~ッ!」とセルズはバーン・フィッチャーに無線を送った。

バパパルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥ~ン!と精密なエンジン回転音をさせて、コンパウンドブラックホークはゴミマウンテン頂上に向かい飛んで行く……。


街頭ビジョンの前では……

ワァァァァァァァ~ッ!ピィゥイィ~ッ!ワァァァァァァ~ッ!

『オォ~ッ!ビューティフォ~!』と、雪のように白くヒラヒラ舞い落ちる‘‘教科書ページ’’に大喜びの人達であった……。まさか、少女が命を懸けて取りに戻った宝物……‘‘ゴミに出して捨てられていた教科書’’とは、夢にも思わなかった……。



アメリカエネルギー省
ダークベレー本部
オペレーションルームでは……
オオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ~ッ!と要員隊員達は大歓声を弾けさせている!
「うるさァァァァァァァァァァァァァ~いッ!」と大声で叫ぶのはトップのマーク大佐だ。
シ~ン!と静かになるオペレーションルームだ。ブチ切れている!1人だけ苦虫を噛みしめているような顔のマーク大佐だ。
「クソ~!あの野郎~!また、命令違反しやがって!」
「どうしますカァ~?セルズ中尉を処分しますかァ~」と部下のホモっ気部下隊員プーイだ。
「まァ……命令違反であったが……見事な救出劇であった……これではペナルティを食らわせられないじゃネェ~カァ!」と、いまいましそうにモニターに映るセルズを見ているてるマーク大佐だ。
(「10年前の……あの野郎の命令違反のせいで、おれは未だに‘’大佐‘’じゃねカァ!」)とセルズの能力は買っているが、『昇任に響いた』とばっちりを受けたマーク大佐は、‘‘決死の救出劇’’を素直に喜べずにいた……。

 ゴミマウンテン頂上……
バパパルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥ~ン!と精密なエンジン回転音のコンパウンドブラックホークが着陸して来た。
バパパバパパバパパバパパバパパバパパリリリリリリリリィ~ッ!とエンジン回転音をさせてBA609が背後の空に現れた!
 チャンネル8とYNBの共同衛星生中継映像は、テレビ局には大喜びモノであった。活動隊兵士数人とサカタとカメラクルー達5人とルカァイは、セルズとティモーナの元にに駆け寄って行った。
ティモーナァ~ッ!アァァァァァァァ~ッ!と叫びながらティモーナに駆け寄って行き、抱きつくルカァイだった……。

BA609
 YNBテレビ局ニュースセクションのボスから無線が入った!
『すごいゾォ~!スー!サム!J.J.お手柄だ~!世界中が大感動だ~!さぁ!今度はあの男にインタビュー行ってみよう!見たところ彼は特殊隊員だな!ダメかも知れないが……』
「いえ!行きます!あの男に~絶対にインタビューしてきます!」とスーミリガンはレシーバマイクに答えた。
『頼むゾォ~!スーミリガン!』とご機嫌なボスだ!
「J.J.!ゴミマウンテン頂上広場に着陸して!サァ~ム!あの男にインタビューしに行くわよ~ッ!」と、セルズにレポートするスーはワクワク胸をときめかせていた。
「アァ~ッ!ちゃんと撮るから!任せてくれェ~ッ!」と答えるカメラマンのチェリーボーイサムだ。
バパリリリリリリリリリリリリリリリィ~ッ!と独特のエンジン回転音を響かせて、砂埃を立てて、ゴミマウンテン頂上広場に着陸するBA609だ。スーとサムを降ろすと、再び上昇して飛び去って行った。
 姉弟の抱擁に勿論、大感動の全世界であろう……。チャンネル8のカメラクルー達とサカタが衛星生中継撮影している中、活動隊女性隊員兵士が、ルカァイに抱き付かれているティモーナの保護にあたっていた。身体に異常がないかチェックを始めた。異常なしの様だ。が、呆然としているティモーナだった。
「大丈夫のようだね!」と女性隊員がチェックを済ませたところに、脱村住人の1人がやって来た。住人達の集まっている方を指差して言った。
「あのさペペラ!さっき、逃げる時に足を挫いちゃったヤツがいるから手当てしてやってよペペラ~!あっちにいるよペペラァ~!」
「分かりました」
「全くゥ~!あのアメリカ人兵士!走ってる時に、足元をピストルで撃つから~ビックリして躓いてスッ転んじゃったよペペラァ~!だから足ィ挫いたンだよペペラァ~!」
「わかりましたから~!今、行きます!じゃね!」とティモーナから離れ、住人達が集まる方に走って行った。
 スーミリガンとチェリーボーイサムのYNB取材コンビと、チャンネル8カメラクルー達とサカタは姉弟を取り囲んでいた。姉に抱きつき、泣いていたルカァイだが、何故か?泣くのを止めてしまった。
 僅か数時間離れ離れであったが、自分との再会したのに嬉しくないのか?泣くのを止めてしまったルカァイだ。ルカァイはティモーナが呆然としているのに気づいて、抱き付くのを止めた。
 セルズも『これでティモーナとは、本当にお別れだ』と、去ろうとしたが、どうしても、去れなかった。
『廻ってきてくれェ~ッ!』とセルズはバーンフィッチャーに合図した。
バパルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥ~ッ!
とエンジン回転音が高まり上昇を始めるコンパウンドブラックホークだ。
トゥルルルルルルルルルルゥ~!とエンジン回転音が遠ざかって行く……。
 全世界は『‘‘救出物語’’はこれで終わりか……』少し淋しい気持ちになっていた。ヘリのエンジン回転音が遠ざかったゴミマウンテン頂上広場では、保護された‘‘脱村住人’’達の話し声でザワついていた。

ダークベレー本部オペレーションルーム
「何やってンだァ~!アイツはァ~!……おい!……」と、立って落ち着きなく行ったり来たりのマーク大佐は苛ついていた。ディスプレイスクリーンを見て、いつまでも映っているセルズに苛ついていた。
 手のひらを上に見せて、ホモっ気部下隊員プーイに差し出した。
「はい?(何かしら?)」とマーク大佐の手のひらに顔を近付けるプーイだ。
「おい!」と、手のひらを再び差し出しすマーク大佐だ。
「(何かしら……?)」と、マーク大佐の手を取り、顔を近付けるプーイだ。
「(ハッ?)馬鹿野郎ォ~ッ!気持ち悪い野郎だなァ~ッ!」とプーイの手を振り払い怒鳴り付けるマーク大佐だ!
「マイクよこせってンだろがァ~ッ!」
「キャアァァ~ッ!」と、ホモ悲鳴のプーイだ!



第6話-6に続く……


緑黄色社会/想い人