緊急投稿サイエンス・フィクション短編~書き直し版~オレたちのジャスティス



第2話……注意……本作品はフィクションで『平和核』『限定譲歩』『キューバビールデー』等は架空です



『世界最大核出力ツアーリボム』50メガトンの水爆実験
 61年10月30日……ヨーロッパ最北東端北極海に面する、旧ソビエト社会主義共和国連邦領ノヴァヤゼムリャ島において、人類史上大気圏内最大出力50メガトンの核実験が行われた……。第二次世界大戦中に全世界で使用された総爆薬量の25倍の威力(威力を半分に制限)であり、広島型原子爆弾【リトルボーイ】の3,300倍の核出力が放った衝撃波は地球を3周半駆け抜けた……。

 水資源に関してのイラン……国内には6つの主な流域があるが。春に洪水が発生すれば夏には干上がるなど水資源量は不安定である……。東部地域は乾燥しており年間降水量は200mlにも満たない。砂漠地帯の首都テヘランでは慢性的水不足に悩まされ、新しい水資源開発、効率的水運用がが求められている……。

200α+2年2月

中東イスラーム国イラン

 200α-2年に強行保守派のモハ・マヘ・ムヘマジャド大統領(架空)が就任するや、活動停止していたウラン濃縮活動を再開したイランであった……。200α+1年には国連制裁決議の発動によるイラン産原油輸入禁止経済制裁を受け、ムヘマジャド大統領政権のイランは国民の不満が高まり爆発寸前であった……。

 200α+1年『【平和核】限定の核開発(架空)』を認める【限定譲歩】案が出され、一旦は【合意】したもののイラン側が【見返りのつり上げ要求】をしてきたため【合意】は破棄された。


 制裁による国民の不満をやわらげるために【弱世俗化策】として【飲酒(イスラムでは禁止)出来る日……キューバ・ビールデイ】が設けられ、アメリカと敵対的関係にあるキューバから【キューバ・ビール】の輸入が許可された……。


 アメリカ合衆国ウォルト.ブッシュ大統領(架空)は、イランの国際社会に対して見せる強硬な姿勢に対し、攻撃を開始すべく軍事圧力を掛けた。

 ペルシャ湾、オマーン湾にミサイル艦、空母を派遣し、イラク国内アルアサダ基地には、首都テヘラン空爆のために爆撃機を待機させていた……。
 200α+2年2月某日【キューバ・ビールデイ】の国民が浮かれた日に【中東のパール・ハーバー作戦】……制空権を握り反撃能力を削ぐため、艦船からはイラン国内重要施設に向け、ミサイル精密攻撃が行われた。基地から艦上からは凄まじい数の爆撃機が発進した……。
 アメリカ合衆国ウォルト・ブッシュ大統領とイラン~モハ・マヘ・ムヘマジャド大統領の電話会談が始まった。不調に終わった場合……『イラン首都テヘランに向かう爆撃機の大群による無差別爆撃という惨劇が開始される』~という最後通告であった。
 アメリカ合衆国ウォルト・ブッシュ大統領は、イラク戦争時の様な国際非難を避けるため、惨劇(首都テヘラン空爆)回避努力として小作戦【サインorダイ蛇は頭を潰せ】を命令した……。


2度目の最後通告の電話会談

『アメリカ合衆国ホワイトハウス大統領執務室』

『中東イスラーム国イラン首都テヘランイラン大統領府大統領執務室』

イラク~イラン上空高度3万6000m成層圏~イラン上空1万数千m対流圏

【アドマノカリウス可変翼飛行体】コックピット~キャビン

【ステルスチヌーク】操縦席~キャビン

『ワシントン州ワシントンD.C.アメリカエネルギー省オペレーションルーム』


 10機の【アドマノカリウス可変翼飛行体】

機体表面はレーダー波に捕捉されにくいステルス素材であり、

上面には【陸地】下面には【空の】の【映像】が映し出され、地上と偵察衛星からの監視に対しての【映像偽装】を施している……。
 数時間前のことであった……。イラクアル・アサド空軍基地を離陸した10機の747−8は、機体上部の【アドマノカリウス可変翼飛行体】を、イラク上空対流圏限界高度1万3千mで切り離した。【アドマノカリウス飛行体】は機体自体が可変翼であり、パラグライダー型に変形する。安定した【成層圏偏西風】気流を受け【モモンガ(パラグライダー)航法】で冬季成層圏限界高度3万6000mまで上昇する。成層圏では推進力に小型ロケットエンジンを必要噴射し、高度3万6000m上空をイラクからイランに侵入した。

 テヘラン上空高度3万6000m……。

【モモンガ航法】

【モモンガ航法】による飛行待機の【アドマノカリウス~】の操縦室内では操縦士、副操縦士、機関要員3名が窓からの景色に感動していた……。

「お~!訓練で何回も拝んでるけど……相変わらずすゲェ~!」
「宇宙旅行みたいだな」
 アメリカ人はどんな時も、笑いを絶やさない……冗談で生きている……?3名は~口真似インスツルメンツを完成させた!
デェ~ン♪デェ~ン♪デェ~♪デェ~♪デェ~ン♪『21世紀宇宙の旅~テーマ曲』管弦楽器オーケストラ口真似だ!
ダァン♪ドォウン♪ダァン♪ドォウン♪とマリンバ太鼓口真似だ!
ヲパァ~♪ヲヲヲォ~ン♪ヲパァ~♪ヲヲヲォ~ン♪とラッパ管楽器口真似だ!
ダァン♪ドォウン♪ダァン♪ドォウン♪
テェ~ン♪テェ~ン♪テェ~ン♪
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~!と笑い声を弾けさせている操縦室内だ!窓から見える地球の水平線地平線は青く、カーブしていて地球の丸さが確認出来る……。操縦室内はチョイとした宇宙旅行気分だ……。
「いや~!マァダファカァ~感動するね~!パイロットになって良かったゼェ~!確かに……」

アメリカ合衆国ワシントン州アメリカエネルギー省庁舎
 尚、軍事ロボットの遠隔操作はアメリカエネルギー省庁舎内【オペレーションルーム】で第2特殊部隊【ダークベレー】オペレーター要員兵士200名近くが、軍事ロボットの遠隔操作任務にあたっている。
 6,315マイル(10109km)離れた空調の利いた快適な【オペレーションルーム】要員兵士は、軍事ロボットの搭載カメラ映像を、衛星中継モニター越しに目視確認してコントロールレバーやスイッチボタンの操作をする。兵士の行動の全てはヘルメットカメラ映像などで掌握されていた……。

【アドマノカリウス飛行体操縦室】
「『地球は青かった……』グレェイトゥファック&……そして地球は丸い様だ……」
「ファッケェン宇宙旅行はお金がバカ高く掛かって超セレブでないと行けないけど~ここら辺の高さなら割と手が出せるかもな!ディック!」
?????何故なンだ?アメリカ軍人はセリフの前後に、性交【ファック】男性器【ディック】とか下品な言葉を付けるのか?……それは多分、戦争に向かう軍人だから……。死ぬかも知れない状況に立たされてるからか……?
『牛のクソ!(ボォ~シィエットゥ!)好きさせろ!カッコ付けさせろ!男性器!(ディック!)』と言ったところだろうか……?感動の操縦室内は、二言目にはファック!ファック!だ!ファック!ファック!言いながら感動していた。

 格納スペースにはアメリカ軍機密の初の実戦投入【ステルスチヌーク】が一機搭載されている。

『ヘ~イ!カマァ~ン!ずるいゼ~!オレ達も見たいゼ!』と操縦士達のレシーバに機内伝達無線が入った。格納スペース内搭載ステルスチヌーク1号機の操縦士バーン・フィッチャーからだ。
ワハハハハハハハハハ~!と爆笑していると別の無線が更に入って来た!

『残念だな……君達は地球に帰還する……!全機に告ぐ!全機に告ぐ!これより【サインorダイ作戦】を開始する……!』アメリカエネルギー省オペレーションルームよりマーク大佐からの命令であった。
 マーク大佐は続けた『モハベ砂漠演習場での訓練開始時からのアメリカ陸軍第82空挺師団オールアメリカン選抜空挺隊員400名のキミ達へ……
【アドマノカリウス飛行体】1号機から10号機の各機にはそれぞれ【バイスン】1体……計10体……【ダッグデン】3体……計30体の【軍事ロボット】が搭載されている!……
【バイスン】
【バイスン】重闘牛型自爆軍事ロボット(強化プラスチック製……重機関銃への完全な耐性はない……)
性能……重量1500kg 90㎜ロケット弾10発 7.62㎜ミニガン×2基 自爆用焼夷薬剤爆薬あり……
【ダッグデン】

【ダッグデン】中闘犬型射撃自爆軍事ロボット

性能……重量600kg 5.56㎜ミニガン1基 自爆用焼夷薬剤爆薬あり……
【バイスン】【ダッグデン】共に、弾薬等を使い果たした後は、敵兵に向かい【ゼロアタック自爆突撃】を敢行する。

 火炎爆発を撒き散らし半径50m以内の兵員を殺傷する、自爆前提の使い捨て軍事ロボットである……。
 
【彼】等~軍事ロボットは6,315マイル(10109km)離れた~このアメリカ合衆国ワシントン州アメリカエネルギー省内オペレーションルームの、200名の要員兵士達により遠隔操作されている……【彼】等のボディーは小銃弾をも跳ね返す強化プラスチック製だ……が、重機関銃弾には完璧な耐性はない……【彼】等は弾薬を使い果たした時には~敵に向かい突撃し、自爆用爆薬により、焼夷薬剤に引火させ自らの火炎爆風効果のナパーム弾となり……まるで【ゼロ戦】敵にゼロアタック自爆突撃をし、君たちを守ってくれてる……

 大統領府警備兵に【彼】等は『第1急襲』を行う……君たちが【大統領府急襲】するにあたり【彼】等の役目は【警備兵】達を『弱体化』させることだ……キミ達の作戦時の危険を可能な限り排除するためだ……
【彼】等は君達兵士を戦場での生命の危険から守ってくれる……それが【彼】等の役割だ……使命を果たそうとする【彼】等を攻撃しようとする敵を見つけたら~君たちが敵兵を攻撃し【彼】等を守れ……そして、10機の【ステルスチヌーク】に乗り込み離脱しろ!』

 セルズ、マイク、シブソン……そしてオールアメリカン達433名の骨伝導レシーバから伝わる指揮官マーク大佐からの命令だ……。マーク大佐は続けた。

『戦場で兵士が命の危険に晒される場面を減らす【軍事ロボット】の投入はこれからは増えて行くであろう……』
 セルズ達とオールアメリカン達は黙って聞いている……。マーク大佐は締めにかかった……。
『これからは戦場で戦うのは……兵士達の生命の危険を減らす【軍事ロボット】が主流になるであろう…………戦場では武器を持たない、か弱い市民達が空爆や砲撃により生命の危機に晒される……街は破壊され……廃墟……それが戦争というモノだ……
残念ながら、アメリカ合衆国とイランとの間に『アメリカイラン戦争』が開戦された……
戦争において民間人が犠牲になる【空爆】は【惨劇】だ……しかし【惨劇】を回避せることがキミ達433名には出来る……
【惨劇】を回避させるためのこの【サインorダイ蛇は頭を潰せ】この開戦したばかりの【アメリカイラン戦争】……を終わらせ【アメリカ】兵が戦場で命を失うことをゼロにすることも目的だ!』

ブュビビィュアアァブブブルルルゥ~!【ステルスチヌーク】のキャビン内は【アドマノカリウス飛行体】の必要ロケット噴射振動音飛行騒音が響いている……。静かになった……。ロケット噴射が止んだ……。マーク大佐は続けた……。
『……命令だ!……モハ・マヘ・ムヘマジャド大統領執務室にセルズ少佐を突入させ【仮調停ファイルサイン】にサインさせ……開戦したばかりの、この【アメリカ・イラン戦争】を終結させろ……それこそが正義……君達の【ジャスティス】だ!……1名の戦死者を出すことなく作戦を終え全員が帰還する……それこそが君達の【ジャスティス】正義だ!……それこそが君達の使命【ジャスティス】だ!……これより【サインorダイ……蛇は頭を潰せ作戦】開始せよ!』
「飛行体1号機了解!……これより高度1万3000mまで機体を下降させる!」操縦士は応答した……。
 成層圏偏西風気流を受けるためにパラグライダー型に閉じていた【アドマノカリウスの足】にあたる、各可変翼は隙間を作り、気流を逃がし始めた……。徐々に隙間は広がり、それと共に高度は下がり始めた……。
 その後~テヘラン上空1万数千mまで下降した【アドマノカリウス可変翼飛行体】は再びパラグライダー型に【足~】の隙間を閉じ始め【対流圏気流】を受け必要ジェット噴射により高度を安定させた~。
 テヘラン上空1万数千mまで下降した【アドマノカリウス可変翼飛行体】の格納スペース大型ハッチが開れた……。格納スペースにはアメリカ軍機密の初の実戦投入【ステルスチヌーク】が一機搭載されている。

 -50℃の殺人的な寒さの中、酸素マスクに防寒戦闘服の隊員3名×10機が格納スペース後部から『地球』を見下ろした……。

『いくらか『どうやら丸いらしい地球』が感じられる』

 やがてイラン首都テヘラン上空高度1万3000mに下降後……ハッチが開かれ、キャビン内に搭載された【バイスン】1体【ダッグデン】3体~10機計40体の【軍事ロボット】が【方向操作性パラシュート】により自由降下【フリーフォール】で~青い地球~に向かい跳び出した。やがて、地上付近で開傘し大統領府に着地し府内警備兵達の掃討を始める。

 キューバビールデイ……飲み慣れない酒に酔い弱体化した府内警備兵を【軍事ロボット】が掃討した頃に、先遣隊員各機3名×10機……30名が、高度1万3000mより【フリーフォール】で大統領府内に侵入する。

【軍事ロボット】を降下させ、徹底的に府内警備兵の掃討、施設の攻撃をさせる。弾薬を使い果たした後に、警備兵、府内施設に向かい自爆突撃をさせる。

 高度1万3000m【アドマノカリウス~】から飛び立った【ステルスチヌーク】10機は、イラン首都テヘランイラン大統領府上空高度100mまで下降侵入する。

【可変翼ステルスチヌーク】……CH−47をベースに改良された大型可変翼ヘリコプター。機体はステルス素材である。ジェットエンジン可変有翼化により高高度飛行を可能にした。
【ステルスチヌーク1~10号機】10機から自動策開傘にて、400名の空挺隊員達が大統領府内に落下傘降下し、残存警備兵達を掃討のする。
 空挺隊員達の降下後【ステルスチヌーク1号機】に搭乗する【ダークベレー】のセルズ少佐達3名は、大統領府庁舎屋上にロープ降下し、大統領室内に突入し【仮調停ファイル】へのサインを迫る…。

モハ・マヘ・ムヘマジャド大統領がサインを拒否した場合は射殺…。
 その後府庭に着陸した【ステルスチヌーク】にて離脱する……。1万3000mまで上昇し、待機飛行の【アドマノカリウス飛行体】に回収→再び高度3万6000mまで上昇し【成層圏偏西風】に乗り、オマーン湾上空まで飛行し、下降し着水する。機体はアメリカ艦船に分解回収され任務終了となる。(注…もし作戦が5月~9月に行われた場合帰投時は【成層圏偏東風】に乗りブーメランのように西に戻りイラクペルシャ湾に着水となる……)

以上が【サインorダイ蛇は頭を潰せ作戦】である……。

もう一度【アドマノカリウス飛行体】操縦室内に話を戻す……


アメリカエネルギー省オペレーションルーム

 作戦行動にあたる操縦士、乗員、隊員達のヘルメットカメラ、骨伝導無線装置は全てアメリカ合衆国ワシントン州ワシントンD.C.アメリカエネルギー省庁舎内オペレーションルームで掌握されている。第82空挺師団選抜隊員410名も、アメリカエネルギー省第2特殊部隊【ダークベレー】のマーク大佐の指揮下にある。

 オペレーションルームでは200名近くの戦闘服隊員が映像ディスプレイデスクに座りキーボード&レバーを操作している。勿論、軍事ロボットの数だけ遠隔操作担当の隊員達もいる。

 全体的に見渡せる位置にいる立つマーク大佐の側のデスクでキーボードを小指を立てた感でホモっぽく叩いているのは……やはりプーイであった……。

「プァイブゥ!(ゲイ発声~5)……プフォァ!(4)……トォゥリィィ!(3)……」と綴りの母音、子音を全てが口腔の中で強調されるという~いかにもカマな発声のカウントダウンだ!

「カハァァ~ッ!ブプルルルルゥ~ッ!」と勿論『優秀じゃなかったら~!』と参っている。大佐は苛つき息吐き&唇鳴らしだ……。

「トォゥ~!(2)……ォワァヌゥ!(1)……ゴォ~ッ!」

【傘向操作誘導装置落下傘】による軍事ロボットが投下された。【バイスン】1体×10機~計10体、【ダッグデン】3体×10機~30体……合計40体の【軍事ロボット】がキャビン床部を蹴り、青く、どうやら丸い地球に飛び込んで行くように落下して行き、あっという間に見えなくなった。

 しばらく、地球を見ていた各機1名の防寒着に酸素マスク装着の先遣隊員が、フリーフォール(自由降下)を開始だ!


最後通告の電話会談

『アメリカ合衆国ホワイトハウス大統領執務室』

『中東イスラーム国イラン首都テヘランイラン大統領府大統領執務室』

 2国の……ウォルト・ブッシュ大統領、モハメ・マヘ・ムヘマジャド大統領が、それぞれの大統領執務室で電話会談に臨んでいた……。ムヘマジャド大統領はブッシュ大統領との電話会談で【海鈴の国連プレゼン】と同じ内容の【荒漠地域国の立場】を繰り返し、鼻で笑い『煙に巻いてやれ!』と相手を小馬鹿に挑発する態度だ。同じ内容の繰り返しに埒が明かなくて苛つき息吐きのブッシュ大統領だ。

 しかも、その電話音声をマイクロフォンを通じて、全て府内放送に流していた!大統領府警備兵達は【電話会談】を聞いて大騒ぎだ!

 制裁による経済疲弊……インフレは国民に国民に不満ストレスは爆発寸前だ!兵士達がいつクーデターを起こすか?【ガス抜き】は必要だ!

【イスラームの教え】には反するが……やむを得ない……。アメリカと敵対する【キューバビール】を緊急輸入しイラン国内に流通させたのだった……。

 筆者が初めてビールを飲んだ時……たった缶ビール一本で……もう心の底から酔っ払った!バク転してガラスに足を突っ込み割ってしまった……。


大統領府内

 府内警備兵達は徹底的に酔っ払っていた……。徹底的にバカ騒ぎだ!

ワァァァァァ~ッ!ワァァァァァァァ~!ワァァァァァァ~!
『先進国は!泥棒ダァ~!』
『先進国は!泥棒ダァ~!』
『先進国は!泥棒ダァ~!』
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!

モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!

 徹底的に酔っ払いのお祭り騒ぎだ!


 ……ブッシュ大統領の受話器から府内警備兵達がアメリカに対しての憎しみを叫んで盛り上がっている歓声が聞こえる。警備兵達が大声で騒ぎスピーカー、マイクロフォン、電話の声が干渉しあい耳障りなハウリング音を立てる。
キヒィィィィ~ン!とハウリング音が入る程にムヘマジャド大統領の警備兵達は名前を連呼している!会談の様子をそのまま兵士達に聞かせるとは、挑発以外の何モノでもない!
バン!バカバン!バカバカバカバン!と自動小銃の連発射撃音がした!
キヒィヒィヒィィィィィィ~ンンとひときわ高いハウリング音だ!
「ホォ~リ~ィ!シットゥッ!うわ!何ンだ?」と思わず唸るブッシュ大統領の声が府内放送で府庭に響き渡ると警備兵達は爆笑だ!
バハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!
「これだけの好条件……何が不満なンだい?」

「【イラン産原油禁輸全面解除】……【完全制裁解除】で頼むよ!……アメリカでは『低所得者向け【サブプライム住宅ローン】……ロシアでも最近の【資源輸出】で~世界経済は好調なンだろ~!……加熱し過ぎも良くないからな……『好調な世界経済』……アメリカでは今~【バブル経済とかしか言えない】【ブレーキ】掛けてやンないと!」

確かに……
200α+2年頃は『アメリカはバブルとしか言いようがない』『このセレブ達は今のうちだけ……』映画の中のその国の文化ファッション等を見れば『今後の経済の行方』を予測出来る可能性あり……

「…………ヨーロッパのエネルギー需要は【ロシアガスプロム】からのガス輸入に頼ってるからな………ロシア経済が好調ならヨーロッパ経済も同じ……双方~無くてはならない存在同士なのだな……」

「ブッシュ大統領!イランの国内経済を疲弊させ、国民達につらい思いをさせ、世界経済を優先させる!自分達の国だけ快適に暮らす~!ソレは~!ヒドいじゃないカァ~ッ!」

ワァァァァァ~ッ!ワァァァァァァァ~!ワァァァァァァ~!
『フザケルナ~ッ!ブッ~シュ!……先進国は!泥棒ダァ~!』
『フザケルナ~ッ!ブッ~シュ!……先進国は!泥棒ダァ~!』
『フザケルナ~ッ!ブッ~シュ!……先進国は!泥棒ダァ~!』と怒りの叫びは府内警備兵達だ!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!とまたまたムヘマジャド大統領の名前連呼した!
ババン!バカバカバン!……またまた自動小銃を空に向け撃ち鳴らされる。

「……………………」ブッシュ大統領は電話会談がいちいち府内警備兵達のバカ騒ぎに中断されて参っていた……。

「シィィィ~ッ!……諸君!……静かにしてくれ!……ブッシュ大統領と電話会談中だから……」と府内放送スピーカーだ!
ダハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!と府内警備兵達はまたまあ大爆笑だ!

「確かに……【イラン産原油輸出解禁】は【好調世界経済への急ブレーキ】と同じになってしまうだろう……やがて【ブレーキ】は掛けねばならンがな……痛みは伴うが必要だな……」とブッシュ大統領は言った……。

「私には国民の生活を守る義務がある!このままではイラン国民デモにまで発展しかねない!……デモ鎮圧に……私に私の国の国民達に銃を向けさせる命令を出させるつもりか?……先進国が自分達のために主導した【経済制裁】でわが国イランを苦しめて!……え~?ブッシュ大統領!」

「イランが【核】で合意して欲しいだけだヨ!あくまでも【副産物】にすぎない!【好調世界経済優先策】になどしていない!【対外合理的政策】ということなだけだ!……ハッ?……ウップス!(しまった!)」

「そら見ろ!ブッシュ大統領!本心がでたな?エ~ッ?【副産物】?【対外合理的政策】だ?つまり……『イランへの制裁』は【好調世界経済優先策】になるから~ついでにイランを苦しめる』ということか?」

「私だってイランの首都テヘランを空爆させたくない……モハ・マヘ・ムヘマジャド大統領……分かって欲しい!核査察を先ずは受け入れると約束して欲しい!」

「核査察?……疑いをかけてイランを締め付け~?先進国達に心地好い好調世界経済にプラスになるよう持って行く話をしてるンではない!【イラン産原油禁輸】にして~わが国イランを制裁で苦しめるのは止めてクレ!ブッシュ大統領!」

「ムヘマジャド大統領!だから!【核開発の全て】を明らかにしてくれれば良いではないカ~【ウラン濃縮】も『【平和利用レベル濃度】までの濃縮』も認めるし【平和核】も【限定譲歩】すると言ってるじゃないカ……」

「嘘を付け!ブッシュ大統領!信用するモノか!やっぱり【好調世界経済】優先のために~わが国イランに【イラン産原油禁輸制裁措置】をしてるンだろ~!それなら私は国民を守るために【つり上げ】を主張だ!即時【イラン産原禁輸措置全面解除】だ!
そちらが飲んでくれれば済む話じゃないか~!ちゃンと『【限定譲歩】に応じる』と言ってるじゃないか~!困るナァ~!ケチっちゃ~!」
バハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!と大爆笑の府内警備兵達だ!
「ムヘマジャド大統領!……つまり……あなたは……本気でマグマ袋の緒をブチ切れさせたいのだね?…………どうして応じてくれないのかな?……」
シィ~ン!と静まり返るイラン首都テヘランのイラン大統領府だ……。
「ンン~!……私はアメリカが嫌いじゃないンだ……米国民にも恨みも無いし……ハリウッド映画なンて大好きだな~!ブルース・ウィルスなンて最高さ!……つまり……理由はただ……ブッシュ大統領!……あなたが…………嫌いなンだな!ビコォゥズ…アァイ……ヘェイティユ~ゥ!」
グクククククククククククククゥ~!と警備兵達は大爆笑のための【堪え笑い】を始めた……。
「モハ・マヘ・ムヘマジャド大統領!……もう一度だけ質問する…………あなたは私をブチ切れさせたいのだね……?」
シィィィィィィ~ン!と静まり返る大統領府内……。ムヘマジャド大統領はブルース・ウィルスの大ヒット映画『ダイ・ハード』の決めぜりふでブッシュ大統領に返事した!

「当ったり前よ~ッ!ウュビィカァ~イェ~イッ!マダァ~ファッカァ~ッ!」

ダハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!と府内警備兵達の最大級大爆笑だ!
キヒィヒィヒィィ~ン!とハウリング音だ!ブッシュ大統領は受話器を耳から外さなかった……。
「諸君!今夜は【キューバ・ビールデイ】ファーストデイだ!つまみに先進国首脳をコケにした!私から感謝の印だ!振る舞わせてくれ!【キューバ・ビール】だ!ヤッてくれ!……だかま、あまり飲み過ぎるなよ!」
ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ~ッ!歓声が沸き起こった!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!
モハ!マヘ!ム~!ヘマ!ジャ~ド!大統領の名が連呼された!
バン!バカバン!バカバカバカバン!と自動小銃の連発射撃音がした!
キヒィヒィィィィ~ン!とブッシュ大統領の受話器からハウリング音だ!顔色一つ変えずブッシュ大統領はムヘマジャド大統領に話し掛けた。 
「ムヘマジャド大統領……」
「何かね……?」
「後で、また掛けるぜ!……アゥォビィ~バァ~クゥッ!」電話は切れた……。
 米・イラン戦争が開戦した!
オマーン湾、ペルシャ湾のミサイル艦から、イラン国内の空軍基地や重要施設に向けミサイルが発射された!空母やイラク国内アルアサダ基地からは爆撃機が飛び立った!イラン首都テヘランへの空爆……惨劇が始まる……。
 また、アメリカは国際的非難を浴びることになるであろう……。ブッシュ大統領は『サインを求めが、拒否された!悪いのはアメリカでなく、イランのムヘマジャド大統領だ!』という形が欲しいのだ!
 民間人への殺戮行為……空爆……それは惨劇である……。最後の最後の【惨劇回避努力】に小作戦【サインorダイ】が行われている……。すでに数時間前から行われていたのだ…。


【サインorダイ】作戦…蛇は頭を潰せ……大統領府急襲作戦……おさらいします……。

1、

イラク国内アルアサダ基地より【可変有翼ジェットヘリステルスチヌーク】を格納した【成層圏飛行体】10機を【747−8】10機の機体上部に積載し高度一万数千m上空まで上昇させる。【飛行体】はステルス材質に映像偽装がなされる。


、高度一万数千mで【飛行体】を切り離し【モモンガ型に翼を変形させる】
これにより【成層圏偏西風気流】に乗り高度3万6000m近くまで上昇し、イラン国内に侵入し、首都テヘラン上空まで到達後、高度1万3000mまで下降する。

3、高度1万3000mから【方向操作パラシュート】により軍事ロボ【バイスン】【ダッグデン】計40体【先遣隊員】30名を大統領府に降下させる。

4、飛行体に格納されていた【可変有翼ジェットヘリステルスチヌーク】により【キューバ・ビールデイ】で酔って弱体化した大統領府上空100mに
】で第82師団空挺隊員400名を【自動策開傘降下】で第82師団空挺隊員400名を。

5、府内を軍事ロボと空挺隊員達が制圧している間に、帯同する【米国エネルギー省第2特殊部隊〈ダークベレー〉隊員ジョン・セルズ少佐達3名】が【大統領執務室庁舎屋上にリペリング(ロープ降下)】し【大統領執務室】に突入する。
6、ムヘマジャド大統領に【仮調停ファイル】にサインを迫る。サインの場合はテヘランに向かう爆撃機は爆撃を中止し帰投する。精鋭部隊イラン首都警備旅団が大統領府に駆けつける前に離脱する。サイン拒否の場合はムヘマジャド大統領を射殺し、テヘラン空爆となる。隊員達はステルスチヌークに乗り離脱。
7、再び高度1万数千mまで上昇し【飛行体】に再格納再び5万m近くまで上昇しオマーン湾洋上に着水。軍艦船に分解回収→作戦終了!

……の筈であったのだが……。

 同時進行の【アル・アサド空軍基地】【ペルシャ湾、オマーン湾洋上空母】から飛び立った爆撃機が首都テヘラン上空に侵入……操縦士は爆弾投下の安全カバーを外し爆弾投下ボタンを圧する命令を待っていた……。

イラン首都テヘラン
大統領府
大統領執務室
『核の何ンでも屋』アメリカエネルギー省第2特殊部隊【ダークベレー】ジョン・セルズ少佐は40代前半のエリート隊員だ。湾岸戦争では【劣化ウラン弾影響調査】、イラク戦争では【大量破壊兵器捜索】の任務にあたり悲しい思いをしている。
 執務室に突入し拳銃を構えるムヘマジャド大統領の右肩をベレッタで撃ち抜いた!ムヘマジャド大統領はサインに首を縦に振らない……。射殺してステルスチヌークで離脱すれば生きて帰国出来る。
 だが、イラク戦争で目の当たりにした惨劇に、セルズは何ンとしてもサインさせテヘラン空爆を回避させようと必死だ!
セルズの独断行動のために離脱が遅れた!凄まじい数の【首都警備旅団】が府内に現れた!マイクとシブソンも現れない!府庭に着陸しローターを回し続けるステルスチヌークのエンジン音が放つ

「オレは抜け出すから大丈夫だ!」セルズは言い、説得を続けた!
『直ちに離脱せよ!』……空調の利いた快適なワシントン州アメリカエネルギー省庁舎オペレーションルームから非情にもマーク大佐は離脱命令を出した!10機のステルスチヌークは、セルズ達3名を置き去りにして大統領府庭を離脱した!

ステルスチヌーク
キャビン内
 誰もが無言だ……。【離脱命令】に従い大統領府を離脱したから無事な今の自分がある……。皆の無線レシーバーにセルズのやり取りが伝わってくる……。自分達は惨劇を回避させられる可能性があるのに逃げ出しできた……。いいンだ!これから、そういう人間なンだ!認識して生きて行けばいいンだ!
 その時だった!「それでいいのか……?」パイロットのバーン・フィッチャーだ!
「予備の弾薬を配れ!」オールアメリカン選抜空挺隊員揮官ジェリー少佐が命令した!
ウオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ~!10機のステルスチヌークの400名の空挺隊員オールアメリカンたちから雄叫びが上がった。
「もう!イラクのようなことはしてはならなァ~いッ!」
ウオオォォォォォォォォォォォォォォォォ~!更に雄叫びだ!
「オレ達の命に代えてもセルズ少佐を離脱させて空爆を阻止し!……開戦したばかりのこの戦争を終結させるンだぁ~ッ!それが!……オレたちのジャスティスだぁ~ッ!」
ウオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ~!ジェリー小佐に雄叫びだ!
「オレ達は~オールアメリカン!空挺隊員だァ~ッ!」
ウオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ~!更に!
400名の空挺隊員達を乗せた10機のステルスチヌークは『全滅作戦』へと引き返して行った……。

大統領府内
大統領執務室
 携帯電話からブッシュ大統領の声がする!
(「おい!You!ムヘマジャド大統領を射殺するンだ!」)
「ブッシュ大統領!待って下さい!必ず説得してみせます!開戦したばかりのこの戦争を何が何ンでも!終結させたいンですッ!」と叫び、セルズは独断で書き込みをし出した!
『α万ヵ所の井戸掘り支援』
「井戸はやがて枯れる……」ムヘマジャド大統領は返した。
 ブッシュ大統領が叫んでいる!
「おい!お前ェ~ッ!何をしてるカァ~ッ!」
「ブッシュ大統領!少し黙っていただけませン~ッ!」少しキレて叫んだセルズだ!
『上下水道整備支援』
「流れるモノが無ければ意味がない」
 ブッシュ大統領が携帯電話で横から騒ぎ続けている!
「お前ェ~ッ!お前を解任するッ!もう良いッ!今から首都テヘラン空爆の命令を出す!」
「『黙ってろォ~ッ!』ってンだァ~ッ!こ~のォ【戦争キ⚪ガイ】がァ~ッ!」
「……ッ?……何ッ?……」
エェッ?とセルズのブッシュ大統領への暴言に驚くムヘマジャド大統領だ!
「……お前ェ~ッ……アメリカ合衆国大統領のこの私に暴言を吐き!命令に背くのか?……ただで済むと思っているのか?……」
「…………………」黙るセルズだ。
「…………もう一度訊く……アメリカ合衆国大統領のこの私の命令に背くのか?……ただで済むと思っているのか?……」
 しばらく無言のセルズだったが口を開き言葉した……。
「…………当ったり前よ~ッ!ウュビィカァ~イェ~イッ!マダァ~ファッカァ~ッ!」と言うと携帯電話のスイッチを切り替えOFFにしてしまった!
ケェへェへェ~ッ!ヘェッ!ヘェヘェヘェ~ッ!ハッハッハッハッハッハァ~ッ!と大爆笑のムヘマジャド大統領だ!
『海水真水化工場建設支援』セルズは書き込みを加えた!
「これが最後です!引き金を引かせないでください!」
 笑うのを止めたムヘマジャド大統領に【仮調停ファイル】を渡した。
チャキ!と音をさせたセルズだ!
もう後がないセルズはベレッタのハンマーを起こした!

大統領府庭
ムヘマジャド大統領はサインをした。あとは離脱して報告をするだけだ!が、次々に駆けつける首都警備旅団兵達に包囲されたセルズ……。絶対絶命の、その時だった!
ババババルババババルル~ッ!ババババルババババルル~ッ!凄まじい爆音を轟かせてステルスチヌークが現れた!
ブブルワァァァァァ~ン!と7.62㎜ミニガンの射撃掃射音が警備兵達を蹴散らした!頼もしい存在が現れた!セルズが思ったその時だ!
ドバァガァァァァァァァァ~ンッ!ど火炎大爆発だ!警備兵がステルスチヌークにRGPロケット弾を放ったのだ!次々と着陸しては空挺隊員達を散開させるステルスチヌークだ!
ババババババババババババババババババババババババババババ~ンン!
ババババババババ~ン!ババババババババ~ン!凄まじい銃撃戦だ!
バァダァァァァァァ~ン!ステルスチヌークがまた撃ち落とされた爆発音だ!
ババババルババババルル~ッ!ババババルババババルル~ッ!
「セルズ少佐~ッ!あれにピックアップしてもらって下さい~ッ!必ず離脱してこの開戦したばかりのこの戦争を終結させてください~ッ!行って下さい~ッ!「オアァァァ~ッ!」叫びながらフルオートでM14カービンを撃つ隊員達だ!
ババババルババババルルババババルババババルル~ッ!と爆音を轟かせて最後のステルスチヌークが向かってきた!低部ハッチから20m程の環付きロープだ!セルズの図上を通過する時だ!セルズはフックを環に掛けた!急上昇するステルスチヌークだ!
「止めろォ~ッ!止めろォ~ッ!交戦を止めろォォ~ッ!」と右肩を押さえた背広姿の男が叫びながら府庭に出てきた!
「逃がさンゾォ~ッ!マダァ~ファカァ~ッ!くそブッシュの犬共がぁ~ッ!」今まさに1人の警備兵が、去って行くステルスチヌークにRGPを向けて引き金を引いた!
「止めろォォ~ッ!」と背広姿の男が警備兵に体当たりをした!
発射されたロケット弾は、僅かに方向がズレた!機体を掠め地面に落下して爆発した!
ズバァァァァァ~ンッ!
ステルスチヌークはセルズを吊り下げたまま飛び去った……。
「君達~ッ!投降してくれェ~ッ!」背広姿の右肩を押さえた男……勿論ムヘマジャド大統領だ!
十数名の空挺隊員達は自動小銃を捨てた……。
ムヘマジャド大統領は付け加えた……。
「行かせてやれ!」

 同時進行の【アル・アサド空軍基地】【ペルシャ湾、オマーン湾洋上空母】から飛び立った爆撃機が首都テヘラン上空に侵入……操縦士は爆弾投下の安全カバーを外し爆弾投下ボタンを圧する命令を待っていた……。

「【サイン】完了しました~ッ!ムヘマジャド大統領は【仮調停ファイル】にサインしました!【平和核限定の核開発……限定譲歩】を受け入れる【仮調停ファイル】にサインしました!【テヘラン空爆】を中止してくださいッ!空爆を中止してくださいッ!」セルズは吊り下げられたまま骨伝導マイクに向かい叫んだ!必死に叫んだ!

 開戦したばかりの戦争は僅か数時間で終結した……。空挺隊員達、マイクとシブソン、ステルスチヌークの乗員達の436名の命と引き換えに、空爆という無差別大量殺戮の惨劇は回避された……!命令違反をしたジョン・セルズには懲役50年の刑が言い渡され、カリフォルニア州リサイクル矯正センターに収監されることになった……。捕虜10名は解放され、アメリカ合衆国に帰国を果たした……。
 その後、トルコでアメリカ合衆国ブッシュ大統領と正式調停を結ぶ時に、イランモハ・マヘ・ムヘマジャド大統領は、動かなくなった右手の代わりに左手で握手をした。ムヘマジャド大統領はブッシュ大統領に質問した。
「あの時の男は……どうしてるかな……?」
「【あの時の男】?……ンンン?……誰だ?」
「ほら!……ンンン……『当ったり前よ~ッ!ウュビィカァ~イェ~イッ!マダァ~ファッカァ~ッ!』」
「くそォ~ッ!………シット!……あの男なら……私に対し暴言を吐き命令に背いたから……懲役50年で今頃は刑務所に送られているンじゃないかな?」
 しばらく無言でブッシュ大統領の顔を見ていたムヘマジャド大統領は口を開いた。
「これを飲まねば正式調停サインはしない!」……新たな条件提示の後……正式調停を結んだ……。
【提示された新たな条件】……セルズの釈放であった……。尚……【平和核】についての内容は明らかにされず……。

第3話に続く…


ONE OK ROCKre:projectもう一度



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