相知明日香『One Life』





erica『あなたへ贈る歌』



第13話……



85月年4月上旬2000(フタマルマルマル)

千葉県I川市内ほやた荘(広彦のアパート)

 千葉県の国鉄I川駅からそう遠くない住宅街の夜……。小川沿いの等間隔の街灯が照らし白く際立てせた幻想的な美しさを醸し出している桜並木道に、時おり花びらがヒラヒラ散り落ちている……。いかにも今が春の心地よさ一番であること知らせている4月初めの夜だ……。

SALTカバー『勿忘』Awesome City Club

 蛍光灯と同じか……?蛍光灯は両端電極からの放電がガラス蛍光管内側に塗布されている蛍光物質を発光させて明るい光を放っている。桜並木道の木々の桜の花びら……花弁も、蛍光管内側の蛍光物質と同じく、街灯照明から放たれた光を浴びて、白色に発光しているのか?

 実は小皿に入れた油に灯した火が風に吹かれ消えない様にするために、周りに張った障子紙に光が拡散している行灯……と同じ仕組で花弁が光を放っているように見えているのかも知れない……。何ンとも美しい……。

 桜の花びらは、そのような単純な仕組みで光を放っている。が、社会生活の中の複雑なプロセスを経て疲れきってしまった者達の心を、桜並木道は僅かな時間ながらも歩くだけで和ませてくれる……。

 美しい桜並木道を通る単身者は『一緒にいたい大切な人と歩けたら……どんなに素敵なンだろう……』必ず思い、切なさで胸が苦しくなるだろう……。それほどに美しい桜並木道だ……。

『だけど…わたしには一緒に歩く人がいない……』……【ぼっち】独り者には、まるで何処かで聴いた歌みたいだ……。いかにも今が春の心地よさ一番であることを際立たせている桜並木道の4月初めの夜だ……。

 2ケツ少年(2人乗り)の斜め上げヤンキーハンドルのママチャリ(婦人用自転車)が、川沿いの道を進み来る……。ダラダラと暇潰しの様に春の心地よさを楽しみながら川沿いの道を進み来る……。

 2ケツ少年達は、何やら『愚痴&宥め』を話ながら進み来る。坊主頭になった敬太がペダルを踏むママチャリの後ろは広彦だ。

「先輩ッ!オレェ~先輩に付いて行きます!先輩といつも一緒にいたいんです!」と『暴走族リンチ』から逃れさせてくれれば……まぁ~そうなるわなぁ~!

 良くある~家庭環境が悪く~中3の3月になっても進路の決まってなかった不良少年星野敬太は、広彦に助けてもらった翌日には【飛び込み】で『装段車体株式会社』……そう……広彦の勤め先の自動車修理会社に履歴書持参で現れた。

 リンチされ【サナギマン】の様に顔中腫れ上がり【履歴書写真】と判別のつかないヨーラン&ボンタン姿の不良少年敬太に不快な第一印象の社長であった。が、面接するや『ゲーム学部があれば東大合格』の【稀な人材】と見抜き【即採用】……。翌日夕方からアルバイトで【オイル&タイヤ交換】……。4月から入社の敬太であった。
 社員寮として、風呂無しおんぼろアパートがあてがわれた。飲み込みが早く社長に気に入られて誉められてばかりの敬太と、物覚えが悪くバカでアホで社長に叱られてばかりの先輩広彦……。夕食と銭湯に行く時に広彦が愚痴り、敬太が慰める???……先輩後輩コンビの誕生だ!

 2人の1日は……。

 朝、広彦の住む風呂無しアパートほやた荘に敬太が【斜め上げハンドル自転車】でやってくる→広彦の【赤いCB400F】に乗り2ケツで市内北部にある【装段車体株式会社】に向かう→夕方ほやた荘に一旦帰宅→2ケツで近くの定食屋で夕食→銭湯→ほやた荘で解散→敬太おんぼろアパートへ帰宅……というのが2人の1日であった。

 広彦は『アキスケ』で同じ職場に3ヶ月以上いたことがなかったが、敬太と同じ職場で働く様になってから1ヶ月と少し『勤務期間記録』更新だ!

「加藤に任せたら~【ネジ山】潰しちゃうわ!……何処の世界に修理に頼んだら【ネジ山】潰しちゃう【修理屋】がいるよ?……それに比べて~新入りの星野~!お前ェ~スジが良いよォ~!誰かさんと~違ってェ~!モノ覚えが良いわ~!お前ェ~!ちゃんと勉強すればいい高校いけたんじゃないの~?勿体ないわ~!…………で…………加藤~!…………何~ボサ~!と~つっ立ってンのさァ~!さっさとオイル交換して来なよ~!それしか出来ないンだからさァ~!」

敬太の見てる前でオッサン(社長)に叱られる広彦だ……。

『敬太はかわいい後輩』の広彦で『広彦は命の恩人?』の敬太であった……。仲の良い先輩後輩コンビ誕生だ!

 敬太の見てる前でオッサン(社長)に叱られる広彦だ……。

「クソ~ムカつくなぁ~ッ!あのオッサンまじムカつくなぁ~ッ!パンチぶちこんでやろうかと思ってンだけどヨォ~」

「先輩ダメですって~!つうか~!これでソレ23回目すねェ~!」

ワハハハハハハ~!アハハハハハ~!と笑い声の2人は楽しそうな銭湯帰りだ……。

「マジ?……数えてンのかよテメぇ~!記憶力すげぇなぁ~お前ェ~ッ!」

「任して下さいヨ!……て~ソウいう話じゃなくて~『社長~殴る話』オレが聞いてあげないと本当~ンやりますよ~愚痴って下さァ~い!」

「確かに聞いてもらうと楽になるわ~ワハハハハハハ~!て~お前の記憶力の話だろ~!頭いいのに~!何ンで油まみれの仕事してンのかァ~お前ェよぉ~?」

「勉強キライなンすよ~!」

「いやァ~!カネになる仕事ォ~他にあるだろ~!」

「例えば~何ンすかァ~?」

「コメディアンとかァ~?……おぅ~チョォ~何ンか面白いコト言ってみろよ」

「え~?……『♪隣の病院に放置した病人が暴走で平等に跳ねられてェ~♪タッパ高けぇ~♪ヤー公んトコん~操られてる~♪ガキめぇ等ァ~がァ~♪強盗でぇ~スッ転んで病院の店ェ~行ってェ~♪マッポが【セッター(セブンスター)】~!♪カッパらってェ~(万引き)ッからァ~!♪チクってやって~!チクられちまってェ~!オッサンに引っ張ってかれてェ~♪謝ったンに~誤ってェ~♪マッポ~は言うさ~♪『イイさぁ~♪点数ゥンなるっぺェ~!』ってェ~!バックレてぇ~!パクってェ~!(誤認逮捕???)ムショ(刑務所)ン入ぇ~ってェ~!♪『バッカヤロォ~!』ってぇ~♪カッコ良いン(隣の家の囲い)だってさァ~……ヘェ(塀ぇ~)~!』……」と85年にはまだ流行ってなかった【ラップ】らしき『ごちゃ混ぜ早口言葉』をスラスラと披露する達者な敬太だ!

「………………………………くくっ………………………ブフッ!…………………【隣の垣根】と【河童~合羽かっぱらった】のごちゃ混ぜなだけだろ……ブフッ!」

ワハハハハハハ~!アハハハハハ~

「しかも何ンだァ~?『店でマッポがセッターパチッてェ~て?万引き~?ワハハハハハハ~!間違ってパクってェ~濡れ衣でェ~?』てェ~?ワハハハハハハ~!何ンだァ~?ワハハハハハハ~!『バックレでぇ~点数になるッぺ!』てェ~?何ンでェ~訛ってンだ?ワハハハハハハハハハハハハハハハ~!」

「ま!そんなトコすかねェ~!店でェ~マッポが万引きして謝ったけどォ~誤って別の人を『点数稼ぎ』に刑務所んブチ込んで喜んでんやったンだってさァ~『塀ェ~イ』!て……話スカね?」

ダハハハハハハハハハハハハハハ~!と呼吸困難爆笑の広彦だ!

「何ンなんすかァ~?コメディアンて~売れればウハウハの金持ちンなれるらしいけど~そンなん一握りのヤツでェ~!あとはメシも食えねェ~ンですよ~!食えねェ~なら死ぬンすよォ~!言わば『命懸け』すよねぇ~!」

「ワハハハハハハ~!何ンでェ~そうなるのよォ~?ダハハハハハハハハハハハ~!敬太~!お前ェ~本当ン面白いワァ~!」

「ネタ考えるの大変そうだからァ~『コメディアン』なンて~やってらンネェやァ~!」

「ワハハハハハハハハハハハハハハハ~!嘘つけェ~!お前ェ~ッ!今ァ~【冤罪】てヤツだろ~?なかなか社会問題?……てヤツ~?サラリとネタにしてェ~爆笑だったゾウ…………沢山の人ォ~笑わせてェ~世の中明るくしてェ~幸せンしてみたらァ~?コメディアンになって~世の中ァの~落ち込んでる人達を笑わせてェ~救ってくれよォ~!……ア~メン!……ダハハハハハハハハハハハ~!」

「ワハハハハハハ~!だから~コメディアンは【命懸け】みたいなモンて言ってんじゃないすか~何ンでェ~オレがァ~?」

「だから何ンで~そうなンだ?つゥ~のよォ~!ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」と爆笑しっぱなしの広彦だ。これだけ楽しけりゃ、【勤務期間記録】も確かに伸びるだろう……。

「何ンでェ~?オレが『誰かを救うために』とか?『誰かを守るために』とか?『自分を犠牲にして命懸け』てコトすか?~昔ン戦争ン時みたいに?ゼロ戦に爆弾積んで突っ込んでこい!て?……は?冗談じゃねぇ!イヤなこってス~!」

ダハハハハハハハハハハハハハハハハハ~!ワハハハハハハハハハハハハ~!2人は大爆笑であった!

ワハハハハハハ~!アハハハハハ~!笑いながらの2少年は桜並木道に似合うかも知れない……。

 2人ともヤンキーでなければ『ジャニーズ事務所』のオーディション受かるかも知れない【二枚目】(イケメン)だ……。

 やがて桜並木道から曲がって少し進み住宅街に入ると、瓦屋根にスチール製波板の壁の古びた両階2部屋ずつ計4部屋の2階建て木造アパートが見えてきた。公道からアパート敷地内奥に向かう土道を進むと、2階の手前が広彦の部屋だ。 

 土道入り口右脇の数m四方のスペースはゴミ置き場であり、蓋付きポリ容器が何個も置いてあり、階段昇り口脇にはスチール一斗缶が数個並んでいる。折れ傘や割れガラスや蛍光灯などの鋭利な【キケンブツ】ゴミ入れとして置かれている。

 スチール階段は折り返す形で2階の通路につながっていて、ゴミ置き場スペース半分の上の屋根の役割にもなっている。2階の通路には洗濯機が置かれている。アパート前の細い土の細い道は自転車やオートバイの駐輪場の役割にもなっている。

 アパート敷地への入り口に入ろうとした時、広彦の部屋の前の、2階通路【丸の内OL制服】を着た背が高く手足が長く、スタイル抜群の長い黒髪の【イイオンナ】系の女性の後ろ姿を敬太が見つけて言った……。

「あれぇ~?先輩~!あの人誰っすかね~!」

「何ンだァ~?」広彦も自分の部屋の前をみた。確かに見覚えのない『前から見なくともイイオンナに間違いないと分かるイイオンナ』の後ろ姿が見えた。

 声に気付き【丸の内OL風イイオンナ】は広彦達の方を向いた!やはり【イイオンナ系黒髪の美少女】は、通路の手すりから身を乗り出して長い腕で手を大きく振った。すぐに、折り返し階段を下りて来た。
キャン!キャン!キャン!とヒール靴がスチール階段を踏み鳴らす音が響いた。
「広彦ォ~!久しぶり~!」……背が高く手足の長いスタイルの良い【丸の内OL風イイオンナ】はミナコであった!
 つまりスチール階段を下り、並びの良い白い歯の笑顔を弾ませて……例の……柔らかく豊かな【流体】を暴れるように揺らしながら彦に駆け寄ってきた!
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 広彦は(「ミナコ……コイツ……!こんなに綺麗だったッけかな?」)と驚きながらも思ったことを口にしようとした……。
「ミナコか~!……お前ェ(「そんなに綺麗だったッけかな?」)ッ?」
「キレイっス~!スッゴくキレイっスよォ~!」と敬太に言葉を遮られた!
「……???……」(「誰……?この馴れ馴れしいヤツは~!」)と広彦に言われたかった『綺麗だよ!』を部外者?が遮って~おチャラケ調子で『キレイっスよぉ~!』とペラ軽く来たモンだ!更にミナコに、衝撃の自己紹介をブチかまして来た【ペラ軽野郎】だ!

「あのッすねぇ~!あン時のォ~!ミナコさんッつうンすよねェ~?あン時のォ~ミナコさんにブッ飛ばされたァ~!オレッす~!星野敬太ッす~!」

「……ッ???……」と驚き目を見開き敬太を見るミナコだ!

(「この!くそガキがァ~!何ンでェ~てめえがココにいるンだよぉ~!」)と怒りが沸いてきた!坊主頭にしてて分からなかったが、あの時、ミナコのバッソーラをパチッて(窃盗)イジった(直結~器物損壊)悪ガキのクセに謝るどころか逆ギレしてレイプを仕掛けて来た~あの時のあンくそガキだ!……と思い出した。

「ミナコさんッ!あン時はァ~!本当に~!ゴメンなさいッ!許して下さいッ!」と上体を90度前に倒して頭を下げる好青年になっていた!謝ったところで敬太がミナコに許してもらえる可能性は~この先ゼロだが……。

 夢中になっていたスポーツの夢が絶たれ、自暴自棄になり不良達と次から次へとセックスする【やリマン】になってしまっていたが『誰かを好きになる』……恋をしたことが無かったミナコであった……。

 広彦にレイプ危機を回避させてもらい、ミナコは広彦に対し[恋心]……今まで男子に対して持っていなかった気持ちに胸が締めつけられる様に苦しくなっていた……。

『多分……広彦の好みは……こんな感じ』と髪の毛をストレート黒髪にして、スカートを履き【ニューミナコ】となって広彦に会いに来たのであった……。

 なのに……『???何ンでェ~コイツがいるンだよぉ~!』と一瞬、ブチ切れそうになったミナコであった!が……何ンと言っても今日は【ニューミナコ】だ!広彦に険しい顔は見られたくない……。

「アハハハハハ~!気にしない!気にしない~!」……何ンと?ミナコは笑顔で敬太を許したのだった!……というより【邪魔な敬太】は、さっさと片付けて……何ンとミナコは!『恋する女の子の浅はかな常套手段作戦』をブチかまし始めた……!

「それよりさぁ~!コレどう思う~?【ニューミナコ】だよ!えへへ!」と広彦に背中を向け長い黒髪を触りながら「上で縛った方がイイかなぁ~?それとも~このままの方がイイかなぁ~?」と髪を縛った様に指で握りポニーテールにして~うなじを見せたり下ろしたりした……。


『女の子のよく使う見え透いた【私のうなじのあなたに匂いを嗅いで欲しい~!】→【私のセックスアピールをあなたにわざと見せるわ!】→【好きになってもらいたい人にしか~わざわざみせないよ!】→【好意を表現】』

 かわいいではないか!……女の子のよく使う浅はかな見え透いた常套手段【うなじ見せ】は……!ミナコも同じなのだ!好きになった男子の前では女の子はバカになるのだ……。

(「『綺麗だよ!』とか『素敵だよ!』とか……広彦……キミに言われたい!」)とワクワクして【広彦の言葉】を待っていた!

(「ミナコのヤツ……すごいドキドキする程~綺麗な【うなじ】ての?……してンだなぁ……素敵なんだな~ミナコって……」)と思ったことは、すぐに言葉に出来ないトロい広彦だ……。

「いや~!ミナコ~!すごい……その……」

「なぁ~に~?広彦~!」

「そうやって~髪を黒くしてストレートにしてかぁ後ろで縛ると~」

「うん!なぁに~?(「綺麗~て言ってくれるのね?」)」

「……すごいドキ(ドキ)ッ???……」と広彦の褒め言葉『ドキドキする程~綺麗な【うなじ】』は途中で切れた!

「イヤ~ッ!下は下でェ~大人っぽいし~!ポニーテールのミナコさんの【うなじ】すごいドキドキします~!キレイっスよぉ~!めちゃめちゃ素敵な女性ッす~!」とまたもや、回転の早い敬太に『思ったこと』を遮られ先に言われてしまう~とにかくトロい広彦だ!

「…………」と思ったことを敬太に言われてしまい何も言えななくなった広彦だ……。

(「チョォ~ッ!広彦に言われたいんだッつうのォ~ッ!この敬太~てガキゃ~!アンなンだ?コイツ~!てめえに訊いてンじゃねぇンだぁ~ツゥのォ~!てめえに言われても~クソも嬉しくねぇ~ンだッつうのぉ~ッ!さっさと消えろ~!」)とハラワタ煮えくり返りのミナコだ!が笑顔を必死で作った。

「もぉ~!褒めてくれても~何も出ないゾウ~!」とミナコは敬太を片付け……広彦に「リンゴが持って来たンだ~!ドアノブに掛けてあるから剥いて食べようよぉ~!」と言った……。

「お~!リンゴかぁ~!イイねぇ~!買ったのかぁ~?」

「うぅ~ん!少しイタミ始めて売れなくなったから~もらってきたのお~!」と最高の素敵な【あなたに喜んでほしい笑顔輝かせ】を広彦に見せるミナコだ!あまりの可愛い笑顔に恥ずかしくなり思わず目を反らす広彦だ……。

 しかも、まただ!筆者の私も書いてて、だんだんイライラしてくる【お邪魔虫】ブリの敬太の介入だ!

「すごい~ッ!ミナコさんて【倹約家】~ッ!イイ奥さんになれますよォ~!」

「お前も~リンゴ食べてけよ~!」と敬太も誘う【女の子の気持ち分からんチン】ぶりの広彦も広彦だ!

「……ッ?……(「広彦~!嘘でしょ~?」)……じゃ……じゃ~!敬太君も~!一緒にリンゴ食べようよぉ~!」と愕然としながらも、広彦の手前~敬太を断れないミナコだ!

「わ~ッ!嬉しいなぁ~ッ!リンゴ大好きなンす~!」と呑気な敬太だ!

キャン!キャン!タン!タン!タン!タン!と足音をさせて3人スチール階段を上がって行き、広彦は部屋の鍵を開けて先に中に入り、部屋の中の明かりを点けた。

「じゃあ~まあ上がれよォ~!」と外のミナコと敬太に声を掛けた。

「お邪魔します~!」と敬太が中に入ろうとした~その時だった!ミナコは敬太の腕を引っ張り扉の死角の壁に突飛ばし【壁ドン】状態で、敬太の額に自分の額を付けた!『キスするの?』という位に顔を近付けられた敬太はミナコの【最大級嫌悪】の表情に『キス目的』で顔を近付けられたのではないことを、すぐに理解した。

 自分の腕を折らせて【落とし前】させようとしていた『不良少女』のミナコに戻っていた!【囁き声】でミナコは敬太に叫んだ!敬太の鼻腔にミナコの息が次々に吐き掛けられ進入してきた。次々に吐き掛けられた!【囁き声】でミナコは敬太に叫んだ! 

『カはぁ~ッ!何ンなんだてめえ~ッ!カはぁ~ッ!気の利かねぇ~野郎だなぁ~!とっとと~帰れよぉ~!ブッとばされてェ~カはぁ~!』と敬太に言った。(「……すごい!……温かくて……信じられない位に……ミナコさんの息って……すごい!……ミナコさんの息ってキレイで温かい……」)と敬太は、またミナコの魅力を見つけてしまった……。ショックなコトを言われたのに、更にミナコに惹かれる敬太であった。

「お邪魔します~!キャハハハハハ~!キレイにしてるじゃン!敬太君も入りなよォ~!」ミナコは広彦の部屋に入り、笑顔で敬太に心にも無いコトを言った。

 ドアの外に茫然と立ち尽くしていた敬太だったが、やはりミナコが自分を許す筈が無いコトを知り、さすがに自分は【お邪魔虫】と分かった。

「……先輩~!今日~【川口浩探険隊】やるンだった~!帰ります~!」

水曜スペシャル川口浩探検隊

「お~!そうかぁ~!おやすみなぁ~!」

「敬太君おやすみなさ~い!」と言いながらミナコはドアを閉めた!

バタン!と音をさせて、ほんの少し強めを閉められたドア……。まるで『さっさと帰れ!』ミナコにダメ押しされている様だ……。

タン!タン!タン!と音をさせて階段をおりと自転車に股がり、ほやた荘を後にした……。


広彦の部屋の中

「……ン?……敬太のヤツ間違えてるゾ~!今日は火曜日じゃん!【水曜スペシャル】は明日じゃん!…………ン?……何ンだ~それスーパーの制服か?」と【お邪魔虫】がいなくなり制服姿ミナコの可愛らしさを褒めようとする広彦だ!

(「すゲェ~似合う~!」)と、また思ったコトを言葉にしようとした広彦だった。今度は邪魔が入らない!

「えへへェ~!かわいいでしょう~!ウチのスーパー今月から【制服】になったンだよ~!」と制服姿の長い手足で可愛らしいポーズを取りながらターンして【うなじ見せ】髪の毛かき上げ→からの並びの良い白い歯の最高に輝いた可愛らしい笑顔でまたポーズを決めたミナコ……。

「………………」あまりの美しさに言葉を完璧に失った広彦だ……。何も言ってくれないので笑顔を止めて口を半開きのミナコだ……。10秒ほど見つめ合う2人だった……。ミナコは初めて知った……『広彦とは……ヤッたことあるのに……すごく胸が苦しい……好きな人と見つめ合うと……こんなに苦しくなるの?……広彦に……抱きしめられたい……アタシ……もう……おかしくなっちゃう……』

「あ?……リンゴ剥くね……」耐えきれず言葉を発したのはミナコの方だった。スカートのポケットから髪止めゴムを取り出すと、髪の毛をかきあげ【ボニーテール】にして止めた。

 流し台の前に立つとカーデガンとシャツの袖をまくり、水道の蛇口を捻り、水を出し洗い桶に溜めた始めた。信じられない位に感じる広彦の視線にドキドキと心拍数の高まりを感じながら包丁で【リンゴの皮剥き】始めた……。

 ミナコの『女の子の浅はかな見え透いた常套手段』……【とどめ】はこれだ!

【リンゴの皮剥き斜め後ろ姿見せ】……からの【時おり振り返りざま笑顔】だ!振り返ったミナコは【定石通り】白い歯をみせて横顔で笑顔を見せた

……。最後は【後ろから抱きすくめられキスを貪られ……皮剥き中止】のミナコだろう……。

(「コイツ……マジ本当にキレイだな……」) ミナコの身体を上から下まで見て、広彦は思った。広彦はミナコの『次から付きへの女の子の浅はかな見え透いた常套手段』の攻撃を食らい……ミナコの美しい後ろ姿に引き寄せられ……ミナコを後ろから抱きすくめた……。


ミナコのうなじに鼻を近付けた……。抱きすくめられながらミナコは顔を広彦に向けた。広彦は半開きに開いたミナコは唇を貪り、ミナコも広彦の唇を貪った……。広彦はミナコに陥落した……。

ポンチャカン!と洗い桶に溜まった水に包丁とリンゴが落ちる音がした……。ミナコは自分を抱きすくめている広彦の腕を、片方の前腕と長い指のキレイな手で求め擦った。片方の腕と長い指のキレイな手で広彦の頭を求め寄せた……。2人の口づけを貪りあった……。


アパートの表

 広の部屋の明かりが消えた……。斜め上げハンドルの自転車に股がり部屋を見上げていた敬太の目には、こぼれそうな程に涙が溜まっている。

 前腕で両目を拭いた敬太は、自転車をこいで小川の方向に進み行く。【独り】で桜並木道を通り淋しさを徹底的味わうが良い……。いつかキミのコトを心から好きになってくれる女性が現れる日が来るであろう。その時が来たら2人で桜並木道を歩くが良い……。



第14話に続く……



erica『ひらりひらり』



上田桃夏カバー『勿忘』Awesome City Club


そして……インフォメーション(((o(*゚∀゚*)o)))マジすごいコトが来年1月9日東京🗼で起きようとしています🎵
上田桃夏サン、うぴ子サン、加藤ぎのサン、奏音サン、手がクリームパンサン、haruサン……
インスタ&YouTubeライブに~ジローさんギャラリー参加した方ばかり❗
楽しくて美声の持ち主方ばかり( ≧∀≦)ノ
マジ😆⤴️⤴️2022年1月9日すごい~ヽ(*´^`)ノ

TOMO'Schannel【Drum Battle】高校文化祭