全国に梅雨の足音が近づいて参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近は鉄道趣味から離れてお花を取り上げる記事が多めでしたが、今回は気合いを入れて鉄道要素マシマシで綴らせていただきます。
今回は私の33年におよぶ鉄道ファン生活(途中14年の空白期間あり)で、特に思い入れがあるJR(国鉄)特急電車3形式について語りたいと思います。
気動車特急に関しては、去年7月の四国1周旅行で数回乗車したJR四国2000系の軽快な走り・快適な座席に魅了された事が記憶に新しい。
JR・私鉄・3セク問わず、全国各地を走る鉄道車両それぞれに思い入れはありますが、特別な想いがあるJR(国鉄)の特急電車3形式を紹介いたします。
想像以上に長くなってしまいましたが、お付き合いいただけると幸いです。ではどうぞご覧下さい。

【189系】
特急「あずさ」「かいじ」「あさま」などで活躍した189系は、群馬県と長野県の県境にある最大66.7‰(パーミル)の急勾配区間「碓氷峠」(横川駅~軽井沢駅間)で、電気機関車EF63と連結して協調運転が出来るよう、183系をベースに1975年から1979年にかけて製造された直流用特急車両です。2019年3月に引退。写真は国鉄色
押しがけで登り坂をサポートするEF63電気機関車を後方に連結し、難所といわれた横軽の峠越えに挑む189系(1997年9月撮影)
189系は2018年4月までJR東日本 豊田車両センター(中央線)に3本所属していた事もあり、189系は撮影のほか乗車する機会も多かった車両でした。
特に自由席が乗車券だけで乗車できた、ホリデー快速「富士山」が189系をより身近な存在にしてくれました。繁忙期は満員電車状態で乗るのが苦痛でしたが、今となっては良い思い出に・・・そして土日祝日出勤の日は、必ず新宿駅で“ホリ快”を撮影して飯田橋の職場へ直行するのがルーティンでした。
189系はカラーバリエーションも豊富で、国鉄色のほかに、あずさ色(上写真)・グレードアップあずさ色(下写真)・あさま色が存在しました。あずさ色は意外と遭遇率が低かったですね。
私が中学・高校生時代に一番見かけたグレードアップあずさ色、当時はシートピッチが広く座り心地が良い座席を設けた編成用の塗装でした。2014年12月に、この塗装が復活した時は本当に嬉しかったですね。イタリアンなカラーリングもよく似合う。
本家は帯下に“azusa”ロゴが入っていましたが、リバイバル塗装ではロゴを省略。
一番最後まで生き残った長野総合車両センター所属の189系N102編成(あさま色)、晩年は主に平日朝の快速おはようライナー(長野~松本)で活躍、夜行快速ムーンライト信州(新宿~松本・信濃大町・白馬)・TDR臨(長野~舞浜)、そして横浜セントラルタウンフェスティバルY159記念列車(石川町~根府川)にも充当されました。
中央本線の臨時特急「あずさ」「かいじ」にも充当された「あさま色」、2018年9月30日に長野駅~名古屋駅間で運行される予定だった「愛知DCしなの号」は台風の影響で中止となりました。私もそれに合わせて名古屋へ行く予定でしたが、取りやめると同時に名古屋を走るあさま色を見られず残念な気持ちになりました。
Y159記念列車を湘南エリア(茅ヶ崎~平塚)で撮影できただけでも大満足なんですが(馬入橋にて撮影)
2019年3月の189系N102編成「あさま色」ラストラン(しなの鉄道線内にて撮影)
2018年1月にあずさ色、2018年4月に国鉄色とグレードアップあずさ色、2019年3月にあさま色がそれぞれラストランを実施、長野総合車両センターで解体前の189系を見た時は涙が出そうになりました。あさま色の189系は解体されず未だに留置中、今後の動向が気になる所ですね。

【583系】
1967年から「月光」「みどり」として、山陽本線と九州で、交直流両用60Hz対応の581系が登場、1968年10月の東北本線全線電化に伴い、交直流両用50Hz/60Hz両対応の583系が登場しました。建設コストなどの都合で、電化区間が3電源方式となった国鉄線をどこでも走れるオールマイティな車両の誕生です。
藍色の帯がひときわ目立つ583系は、昼夜問わず車両基地で眠らせる事なく、日本中の国鉄電化区間どこでも走れる上に、斬新な発想が盛り込まれた車両でした。
数多くの寝台特急で活躍した583系は、世界初となる「寝台電車」で昼間は4人掛けボックスシートとして使用、夜は座席の背もたれを組み換えたり、天井に収納されたベッド(上写真網棚上の扉内)を取り出し3段式寝台車に変身させる、これまでの常識を塗り替えた国鉄史上画期的な車両なんです。

イメージ 17

昼間はボックスシート、リクライニングできない難点はありますが座席のクッションは柔らかめで良かったですね。

イメージ 18

夜は寝台に変わる画期的な車両でしたが、昼行列車で勝手に座席から寝台へ変えてしまう乗客も現れ、背もたれを簡単に外せない機能を追加しました。
浴衣に着替えるのもやっとだった3段式寝台はこんな感じ、高所での組み立てに手間が掛かりセッティングは大変だったそうです。
寝台電車のパイオニアだった583系、上野や大阪などを起点に各地へ旅立つ旅人を乗せて昼夜問わず全国各地で走り続けました(北海道・四国除く)
スキー列車「シュプール」でも活躍、万能で重宝されているかと思いきや、車両が重く線路に負担をかけたり、操車場で寝台をセッティングする手間が掛かるなどデメリットも多かったそうです。

イメージ 1

急行列車として急行「津軽」や寝台急行「きたぐに」などにも充当。3段式寝台の上段は2m以上の高さにあり網棚で寝てる感覚、落ちたら大変な上に普通に起き上がると天井に頭をぶつけるほどの低さ、今思えば体験しておいて良かったなと思います。
1985年から1985年にかけて、余剰となった583系を419系(上写真 / 北陸地方)45両、715系(下写真 / 東北・九州地方)108両に改造、中間車両を先頭車に改造した編成は「食パン電車」の愛称で親しまれました。
715系は1998年3月13日、419系は2011年3月12日にそれぞれ引退、普通列車にしては無駄に天井が高く感じる車両でした。
北海道には無縁の車両かと思いきや、JR北海道にも583系が7両継承され、ジョイフルトレイン「クリスタルエクスプレス」の2階建て車両に583系の台車が使用されました(2019年に引退)
2013年1月7日の臨時運転をもって大阪~新潟で運転された急行「きたぐに」が廃止となり、JR西日本に継承された583系も引退、私も乗車した事がある列車・車両だった事もあり廃止を知った時は、またひとつの時代が終わったと思いに耽ってしまいました。
晩年は臨時列車として、青森・秋田から舞浜・京都など長距離の運用が多かった583系N1N2編成、よく関東入りしていたので馴染み深い存在でした。
一番馴染み深い列車は、東京ディズニーリゾートのアクセス列車として、2001年から2016年にかけて不定期に青森・秋田~舞浜で運転された「わくわくドリーム号」ですね。
武蔵野線を通る回送列車をよく撮影しましたが、メルヘンなトレインマークを出していたので撮影し甲斐のある列車でした。車内外はメルヘン感ゼロな車両でしたが・・・
2016年11月のJR東日本 尾久車両こセンター一般公開では、485系ジョイフルトレイン「リゾートエクスプレスゆう」(上写真左)と583系がゲスト出演し撮影会場はパニック状態、さらにはイカれた鉄ヲタが老人と揉み合いになり突き飛ばすトラブルを起こしていました。JRの粋な計らいをぶち壊さないで欲しいですね。
時には真冬の早朝に、スーツに薄いコートという出で立ちで凍えながら気合い入れて撮影した事も。それだけ私を虜にした車両でした。
583系ラストランを秋田県内で撮影、違法駐車が増えると思い列車・徒歩での移動にした結果、歩き過ぎて足を痛めてしまう。足を引きずってでも最後まで見送る意気込みが勝り、無事に最後の花道を飾る583系を見届ける事ができたのです。
秋田~弘前で運転された2017年4月のラストラン、最後の乗客を降ろして秋田駅を発つ583系を涙ぐみながら見送りました。駅員さんの「ゴーパーサン系ラストランでございます(繰り返し)、長らくのご愛顧ありがとうございました(繰り返し)」・・・というアナウンスが印象的でした。
秋田駅構内で週刊誌の記者さんにインタビューされた私、東京から訪れた四十代の男性として、私のコメントが掲載された時は飛び跳ねるぐらい嬉しかったですねキラキラ三十代と言っておけば良かったかなアセアセ

【485系】
国鉄特急の代名詞といえる485系は、国鉄最多両数の交直流型特急車両で、四国を除く北海道から鹿児島までの広範囲を駆け巡り、ボンネット型や非貫通型の顔つきが存在したバリエーション豊富な車両です。
1964年に481系が登場、改良を重ね50Hz・60Hzの双方に対応したモーター車を連結した485系と呼ばれるグループが誕生、全国で活躍を広げていました。写真はボンネット型
イメージ 4電化整備され485系が投入された東北本線の特急「はつかり」では、青森駅~上野駅間で約2時間短縮するなど、高度成長時代には特急列車の高速化に大きく貢献しました。
JR九州では真っ赤な481・485系が印象的、九州豪遊きっぷを利用してこの車両も何度か乗りました。
JR西日本の485系は、2011年3月に特急「雷鳥」の運行で引退、国鉄時代の面影を残す車両はJR東日本所属の数本のみに。
2016年6月に国鉄時代の面影を残す最後の485系1000番台A1A2編成が引退。
リニューアル車両も活躍していましたが、新潟車両センター所属の485系3000番台は2017年3月に引退、特急「北越」や糸魚川快速で数回乗車した思い出があります。
青森車両センター所属のピエロ塗装、とても綺麗な車両でしたが、北海道新幹線開業に伴い引退しました。
余剰となった485系はジョイフルトレインに改造、お座敷車両や展望がウリの車両などバリエーション豊富ですが、ベースが古いため毎年のように姿を消していきました。
NO・DO・KAも好きな車両でしたが引退、残るは「リゾートやまどり」(下写真)・「華」・「ジパング」のみに。
「リゾートやまどり」をもう少し撮影しておきたいなぐすん
数多くの思い出を私の心に刻んだ485系、令和になっても国鉄485系のDNAを受け継いだ少数が活躍しているのは嬉しい事です。
まだまだ語り尽くせませんが、厳選した特急電車の紹介は、これにておしまいです。
独り身になってから鉄道趣味や旅に力を注ぐようになりましたが、今はコロナ禍で外出を控えたり、モラルの無い鉄道趣味者によるトラブルが増えた事で、すっかり鉄道趣味から離れ、お花の鑑賞やウォーキングに興味が向いています。
そんな私ですが、旅へ誘い私の思い出も運んでくれた車両は、紹介しきれないぐらい数多く存在します。
時代の流れで引退したり、改造され外観や形式を変えて活躍の場を移す車両もいますが、安全に早く快適に目的地へ走る特急電車全てに対して、これからも長く活躍して欲しいと思います。
さらにコロナ禍で苦戦を強いられている全ての鉄道会社にも、頑張って欲しいと心よりお祈り申し上げます。
気まぐれで作った新シリーズ?!でしたが、また忘れた頃に通勤電車や気動車など特集した記事を投稿しようと考えております。何が登場するかはまたのお楽しみにウインク
そしてまた新しい思い出を作りに旅したいな・・・
雨続きで憂鬱になる季節ですが、皆様の心だけでも晴れやかとなる1日になりますようにキラキラ
気温差や天候が変わりやすい時期なので、皆様も風邪など引かぬようご自愛下さいクローバー
今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

鉄道コム