本日3月4日は、鉄道車両では初となる調光機能付きのLED照明を搭載し、従来の蛍光灯と比較して最大約76%の消費電力が削減可能となったほか、小田急の車両では初めて広告用のLCD画面が取り付けられた、小田急4000形4065編成が営業運転を開始した日(2013年3月4日)ですが・・・
今回は2017年3月4日に営業運転を開始した、JR東日本のEV-E801系についてご紹介させていただきます。
交流電化区間と非電化区間が運転可能なJR東日本EV-E801系は、JR九州のBEC819系をベースに、非電化区間は蓄電池・交流区間はパンタグラフから電力を供給可能となるように、50Hz化や耐寒耐雪仕様などのカスタマイズして投入した蓄電池電車です。
JR215系(上写真)以来24年振りに、JR東日本の通勤・近郊・一般形電車が日立製作所で2両1本が製造されました。
愛称は、JR東日本が既に烏山線で投入していた直流電化区間用の蓄電池電車「EV-E301系」と同じく、蓄電池を意味する「accumulator」から「ACCUM」(アキュム)となりました。
烏山線EV-E301系(ピンボケで申し訳ありませんアセアセ)
形式番号の「E801」の8は「無限大の可能性」として∞(インフ / 無限大)に置き換えて表現しています。
外観および内装の基本はBEC819系に準じてますが、側窓は大型一枚窓ではなく、降下窓と固定窓の組み合わせとしたほか、男鹿線に投入されたことから、重要無形民俗文化財である男鹿の「なまはげ」をイメージしたデザインとしています。
車内のインテリアは、座席には、通勤通学時での混雑緩和として、一人当たりの座席幅が460mmの10人掛けのロングシートを各車に4ヵ所に配置しており、車窓を流れる沿線風景や「なまはげ」の衣装から連想したデザインとなり、室内は白を基調にガラス製の座席の袖仕切と妻面の妻引戸を採用して、明るく開放感のある広々とした移動空間となりました。
EV-E301系と同じく架線認識装置を搭載しており、急速充電中のパンタグラフの上昇下降の制限と起動防止、非電化区間でのパンタグラフ上昇の防止と上昇のままの進入防止、架線の条件に合わせた集電電流値の制御を車両自体が在線している場所の架線状態を自動的に認識して行うようになっています。
電化区間の秋田駅~追分駅間は、パンタグラフを上げて架線から交流20,000V 50Hzの電力を供給して交流形電車として走行、蓄電池の充電率が低い場合には、走行・惰行時や駅での停車時でも架線からの電気を供給して蓄電池への充電を行っています。
非電化区間の追分駅~男鹿駅間はパンタグラフを下して収納した後、床下の蓄電池から電力を供給して蓄電池電車として走行し、男鹿駅にある地上充電設備で収納したパンタグラフを上げて充電した後、折り返し非電化区間を蓄電池電車として走行し、追分駅で再びパンタグラフを上げて電化区間の秋田駅~追分駅を交流形電車として走行する運行形態となっています。
「さらに親しんでいただくため」2017年7月25日から、定期的に一般公募で選ばれた「ACCUM」のヘッドマークに変更しています。(写真は、宮城県内と秋田県内の20代女性がデザインし、2017年12月28日から2018年7月まで掲出されたヘッドマーク)
個人的には男鹿線らしくて好きなデザイン
導入以降1編成のみでの運用でしたが、2020年度以降に追加投入され、将来的に男鹿線用のキハ40形・キハ48形を置き換えて本系列に統一する方針です。
時間帯によって運転されるキハ40・キハ48の5連は見応えあります
3年近く孤軍奮闘したEV-E801系に仲間が増えますが、男鹿線キハ40・キハ48の置き換えは正直悲しいですね(仕方ありませんが)
郡山車両センター所属のキハ40(上写真)が、今月22日にラストランとなる等、東北地方や新潟県内の国鉄気動車がどんどん置き換えられています。記録はお早めに。
新潟地区のキハ40・キハ48も急激に数を減らしましたねぐすん

今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

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