今回は、1988年11月3日にJR北海道で登場した車両2形式についてご紹介させていただきます。

【キハ130形】

1988年11月3日にJR北海道キハ130形が営業運転を開始しました。
キハ130形は、JR北海道がローカル線の老朽車取り替えと、ワンマン化によるコスト削減を狙って登場させた軽快気動車で、新潟鐵工所(現:新潟トランシス)が第三セクター向けに製造している標準車両「NDCシリーズ」をベースに、1989年までの1年間で11両が製造されました。
NDCシリーズは、JR西日本キハ120などバリエーション豊富
キハ130形は耐寒設備が整っていない致命的な欠点のほか、軽量化を重視した強度が弱い車体が災いして、2度の大きい踏切事故では激しくクラッシュ、海沿いを走る日高本線での塩害による老朽化が激しく、1999年度から廃車が開始となり、2000年度までに一般運用が終了、イベント用に「日高ポニー」色とされた キハ130-8 のみ残りましたが、2001年6月17日の「さよなら日高ポニー号」をもって完全に営業運転を終了し引退となりました。(全車解体)
北海道のローカル車両には二重窓が装備されているが、キハ130形には備わっていなかった

内陸部の路線で使用していたら長生きできたかも?!
キハ130形導入によって日高本線から撤退させたキハ40形350番台(写真はキハ40形400番台で代用)が、キハ130形の後継となる皮肉な結果に・・・

キハ130形は短命でしたが、過酷な環境下でよく頑張りましたよ。

【721系】
1988年11月3日にJR北海道721系近郊型交流電車が営業運転を開始しました。
721系は同期のキハ130形とは対照的な車両で、札幌圏内の輸送力増強や旅客サービス向上を目的に、1988年から2003年まで135両製造された、北海道の顔とも言える高性能車両です。
普通列車や快速列車に、711系電車や50系客車が充当されていた当時のJR北海道に新しい風を吹き込んだ車両と言っても過言ではありません。
当時の主力車両は711系電車だった
50系客車による普通列車も走っていました
各乗降口はデッキになっていて、仕切があるので客室内の防寒対策もしっかりしている
沖縄の空港でもよく見掛けますが、北海道内の駅や列車内でも京急の広告が・・・
座り心地の良い座席は、転換クロスシートになっています
1人掛けシートもあります
初期モデルの2次車
元F-7編成を改造したこの編成は、VVVFインバータ制御となっており、2000番台は3両のみです
6次車以降に製造された721系はVVVFインバータ制御です
8次車は快速「エアポート」編成変更のため2003年に製造したグループで、デッキ仕切が無いのが最大の特徴です
8次車で1000番台の電動車を組成した編成は4000番台に区分されている

快速エアポートに連結されている指定席「uシート」として使用される車両にはフリーストップ式のリクライニングシートを設置、札沼線での運用時は指定席券は不要です


2019年4月9日に発表された「JR北海道グループ長期経営ビジョン等」で、2023年度から2024年度にかけて快速エアポートで運用している721系を733系に更新する事が発表されたほか、2015年3月20日に発表された「安全投資と修繕に関する5年間の計画」では、2020年以降一部初期車の老朽廃車・取替を行う事が発表されています。


721系も廃車になる時期に入りましたか。


今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。


鉄道コム